時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

対外政策

行政に寄生し始めたLINE

本日、ネット上で、LINEに関する二つの記事を発見いたしました。何れも、地方自治体関連のものですが、一民間企業、しかも、韓国系企業に対する行政の肩入れは許されるのでしょうか。 LINEの親会社は韓国企業であり、このため、子会社であるLINEで収集された…

移民による受入国の伝統・慣習排斥問題

先日、イギリスでは、移民問題が軸となって国民投票が実施され、EUからの離脱を選択しました。この件については、経済的な理由からの説明が散見されますが、移民の増加に伴う社会・文化的変化にも関心を払うべきではないかと思うのです。 イギリスの公共放送…

移民政策―イノベーション信仰の怪しさ

先月23日に実施されたEU離脱の是非を問うイギリスの国民投票では、移民問題が焦点ともなりました。年間30万人もの移民が押し寄せる現状を背景に、イギリス国民は、EUからの離脱を選択するのです。 こうした中、ドイツのミュンヘンでも、イラン系の人物による…

進むも地獄退くも地獄の中国

南シナ海問題に対する仲裁判決は、中国を、進も地獄退くも地獄の状況に追い込んでおります。 仮に、仲裁判決を無視し、南シナ海における人工島の建設や軍事拠点化を進めるとしますと、中国は、まずはロシアと同様に、国際社会から経済制裁を受けることは必至…

イギリスのEU離脱-経済優先が理性的ならば奴隷制も理性的

先月23日にイギリスで実施された国民投票では、イギリス国民は、EUからの離脱を選択しました。この判断に対して、感情に任せた非理性的な判断とする酷評がありますが、経済的利益を優先した判断が、必ずしも理性的な判断とも言えないように思えます。 何故…

中国の原発大量増設のリスク

報道によりますと、「九段線」の主張を完全に否定した仲裁判決にも拘わらず、南シナ海において軍事拠点化を貫く構えの中国は、海上浮動式の原子力発電所を建設する予定なそうです。中国が、原発建設を急ぐ背景には、一体、何があるのでしょうか。 海上浮動式…

”法破りは偉い証拠”という中国の危険思想

常設仲裁裁判所の判決に対して、中国は、”逆切れ”状態にあり、何としても国際社会を屈服させようと必死です。それどころ、ネット上には、今般の一件は、中国を追い詰めるどころか、逆に、大国としての中国の地位を確立させたと嘯く意見も見られます。 常識的…

消えた中国の「九段線」の幻

先日12日に下された南シナ海問題に関する仲裁判決では、大方の予想に反して、中国が主張してきた「九段線」の違法性にまで踏み込みました。この判決により、中国は、南シナ海全域に対する領土や海洋権益の法的根拠を、全て失うことになったのです。 それでは…

中国を擁護する人々に倫理観はあるのか?

今月12日に常設仲裁裁判所で示された仲裁判決は、中国に対して極めて厳しい内容となりました。しかしながら、考えてもみますと、中国に厳しいというよりも、従来の対応が甘すぎたとも言えます。 何故ならば、中国の南シナ海での”領土拡張”は、武力による侵略…

正戦論-中国の暴力への対抗

日本国では、憲法第9条を背景に、戦争を無条件に絶対悪とする主張が声高に叫ばれてきましたが、国際法の歴史を振り返りますと、”正しい戦争とは何か”という正戦論は重要なテーマとして議論されてきました。今日、中国が、一方的に侵略戦争を仕掛ける構えを…

中国共産党と日本左翼の真逆の自己中心主義

今月1日に、北京で開催された中国共産党創設95周辺の祝賀大会において、習主席は、自国の利益のためには、如何なる譲歩もしない覚悟を示しました。この発言は、無法国家宣言であると同時に、侵略をも肯定する暴力主義宣言でもあります。 共産主義思想におけ…

中国の無法国家宣言-平和憲法の空文化

昨日、北京で開催された中国共産党創設95周年の祝賀大会で、習近平国家主席は、「我々は正統な権益を決して放棄しない」と述べ、改めて今月12日に予定されている仲裁裁判の決定に従わない意向を内外に示しました。この発言は、”中国無法国家宣言”と言って…

国民投票制度のメリット

昨日も、国民投票を擁護する記事を認めましたが、本日は、積極的なメリットについて指摘しておきたいと思います。 イギリスの国民投票の争点が移民問題であったことは、将来の日本国においても、国民投票制度が存在しないことが、深刻な問題を引き起こすリス…

イギリスEU離脱決定-国民投票擁護論

イギリスのEU離脱決定を受けて、日本国内でも急激な株価下落が起き、予想外の混乱ぶりに、国民投票という手段を批判する声も聞かれます。我が国では、国民投票制度は憲法改正手続き以外では導入されていないものの、頭から否定すべき制度とは思えないのです。…

英EU離脱-防衛的ナショナリズムなのでは?

EUからの離脱を問う国民投票では、過半数を超える国民が離脱を選択しました。残留予測が強かっただけに、離脱決定後も、離脱派に対する批判が止みません。 離脱派に対する主要な批判点は、感情に流された過激なナショナリズムが生んだ悲劇というものです。し…

イギリスのEU離脱-日本国は対策を急ぐべき

国民投票の結果、イギリスのEU離脱が確定的となり、その煽りを受ける形で円高・株安が亢進しています。地球の裏側の出来事でありながら、日本経済への影響は甚大です。 EU離脱が日本国に影響を与えた理由としては、(1)ポンドから円への投資資金のシフト、…

”戦争法批判”は時代錯誤

参議院選を控え、各党とも、有権者に訴えるべく、自党の政策の宣伝に余念がないようです。特に野党は、安保関連法に関連して”戦争法批判”を繰り広げています。日本を戦争のできる国にしてはいけない、と…。 しかしながら、”戦争法批判”は、時代錯誤としか言…

舛添知事は何故出版社の社長の名を隠すのか?

本日から東京都議会では、舛添知事の疑惑についての集中審議が始まりました。都議会の審議が、これ程注目を集めるのは珍しく、国民の関心の高さが伺えます。 ところで、昨日は、舛添知事が千葉県の木更津市のホテルで正月に面会した男性について、「報道2001…

SEALDsは天安門事件を考えよ

昨日は、6月4日。忘れもしない天安門事件が起きた日です。27年前のこの日、中国北京の天安門広場は、共産主義の赤ではなく、民主化を求めた多くの若者達の血で赤く染まったのです。 SEALDsと言えば、共産党との背後関係が取り沙汰されていますが、SEALDsに…

日本の子供達は孫子の兵法を学ぶべきなのか?-日本人の中国人化

本日、新聞の広告欄に、ある書籍の宣伝が掲載されているのが目に入りました。斎藤孝氏による『こども孫子の兵法』なのですが、日本の子供達は、孫子の兵法に学ぶべきなのでしょうか。 内容の一部が紹介されておりましたが、「まずは相手のことより自分のこと…

オバマ大統領広島演説-政治と道徳

先日のオバマ大統領の広島演説において、強く印象に残ったのが、最後のフレーズに登場する”道徳の目覚め”という言葉でした。核廃絶の道が遠いことは誰もが知っており、こうした言葉は理想論として受け流されがちですが、今日ほど、実のところ”道徳の目覚め”…

オバマ大統領の広島訪問-投下した側の心の痛み

昨日のオバマ大統領の広島訪問は、原爆投下国の現職大統領が初めて被爆地を訪れた歴史的瞬間となりました。日本国側が、謝罪を求めず、アメリカ側の懸念を払拭したことが、大統領訪問を後押ししたとも伝わります。 日本国民の間でも、原爆投下について、アメ…

中国は北海道の分離を狙っているのでは?

先日、産経新聞の一面に、中国資本による北海道の森林買収の問題が取り上げられておりました。水資源が目的ともされておりますが、中国の目的は、それだけなのでしょうか。 同記事には、北海道での中国資本による森林買収状況を示す地図も掲載されておりまし…

パナマ文書が暴くもう一つの政治問題

パナマ文書と申しますと、企業や個人を含む富裕層の税逃れを暴く文書として、5月10日の開示が待たれております。一方、この文書は、特に日本国の政治において、もう一つの悪しき一面を暴いております。 パナマ文書では、諸外国の政治家の名が挙がっており、…

トランプ現象-”政治に置き去りにされた国民問題”

ライバル候補の撤退により、共和党の大統領候補の指名を確実にしたトランプ氏。氏の言動については、兎角に暴言として批判されがちですが、トランプ現象は、今日、凡そ全ての諸国において顕在化している”政治に置き去りにされた国民問題”を提起しているよう…

舛添知事の”別荘問題”-公安上の不安

東京都の舛添知事は、毎週末、湯河原の”研究所”に公用車で通っていた件について、公私混同との批判を浴びております。知事曰く、”公用車は知事室のようなもの”と釈明しておりますが、そうであるならば、別の意味での疑惑が生じます。 舛添知事は、地方自治体…

五輪エンブレム-伝統文様を活かしては?

先日、公表された五輪エンブレムの案が、どれをとりましても今一つのデザインであることを記事にいたしました。いささか手厳しい批評となり、言い過ぎた感もあるのですが(デザイナーの皆様ごめんなさい…)、今後とも、日本開催でイベントがある度に、同様の…

パナマ文書-鈍い日本国のマスコミの反応

全世界の政財界人等の課税回避をリークしたパナマ文書。アイスランドでは、同文書に名の上がった首相が激しい批判を受け、辞任に追い込まれる事態に発展しております。海外のマスコミでは、連日、大々的に報じられおりますが、何故か、日本国のマスコミの動…

相撲道差別論への反論

先日、千秋楽における白鵬関の変化について記事を書いたのですが、他の方のブログを訪問いたしましたところ、白鵬関に対する批判は差別に当たるとする意見が掲載されておりました。本ブログに直接コメントが寄せられたわけではありませんが、本日は、この差…

舛添都知事の国際親善は日本国のリスク

韓国人学校用地の貸与問題を機に、舛添知事は渦中の人物と化しています。本日も、知事の国際派の看板がリスクを招く可能性について記事を認めたいと思います。 舛添知事は、国際親善を盾に韓国への便宜を正当化しておりますが、氏の国際派の看板は相当に怪し…