時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

バビロニア系ユダヤ教とは

 イルミナティーを構成している3つの勢力であるイエズス会(フランシスコ派)、ロスチャイルド家、サスーン家の背景を調べてみますと、如何に、イルミナティーが危険な国際秘密結社であるのかがわかります。

 

 この3つの勢力の構成員が、いずれも「黒いユダヤ人」である点を踏まえますと、イルミナティーによる世界支配問題を考えるにあたり、まずもって、ユダヤ教の問題に注目する必要があるようです。

 

 ユダヤ教と言いましたならば、「モーゼの十戒The Ten Commandments of Moses」が想起されてくるでしょう。「モーゼの十戒」は、モーゼがシナイ山の山頂にて神様から授かった教えであり、その内容は、「汝殺すなかれ」や「汝盗むなかれ」によってよく知られております。人類社会の治安と秩序を守るための道徳律であり、仮に、人類のすべてが「モーゼの十戒」を守りましたならば、さぞかし世界は平和であることでしょう。

 

 では、イルミナティーは、ユダヤ教の経典である『トーラTorah』に収められている「モーゼの十戒」を守っているのか、と言いますと、答えは「いいえ」であり、むしろ逆の思考によって行動していると言うことができます(『トーラTorah』は、キリスト教の経典である『聖書The Bible』の「旧約聖書The Old Testament」とほぼ同じ内容)。

 

 その理由は、「黒いユダヤ人」は、バビロニアユダヤ教というユダヤ教の異端を信仰しているからです。バビロニアユダヤ教とは、「モーゼの十戒」を授けた神様とは異なる“別神”を崇拝する宗教であり、その起源は、太古に遡るようです。ユダヤ12/13支族の内のいずれかの支族が、ユダヤ教の成立以前に信仰していた神が、“別神”であり、「マルクート神」や「バール神」という名であったともいいます。ユダヤ教の成立後にも、密かに“別神”を信仰するユダヤ教徒もあり、紀元前9世紀のソロモン王も、その“別神”を密かに信仰していたとも言います。キリスト教では、悪魔と称されているのが「マルクート神」や「バール神」であるようです。「マルクート神」や「バール神」は、多産の神であるとともに子供の生贄を求める神であり、生贄の如何に応じて願いを叶えることから、その信者には、ウルトラ自己中心主義という特徴があります。

 

 このようにユダヤ教における“別神”問題は、もとよりあったと言うことになるのですが、これに拍車をかける事態が、紀元前1世紀から1世紀にかけて発生いたします。非ユダヤ人のイドメア人であり、所謂「ネオ・ユダヤ人」であったヘロデ王は、エルサレムの第2神殿を改築するなど、ユダヤ教の‘教皇’として振る舞うようになるわけですが、スタイン・ザルツStain Salts氏の『The Essential Talmud』(217頁)は、司祭の任命などについて、「After the rise of the Herodian dynasty and in the days of the Roman governors, corruption was involved in the appointment on priests, and the high priesthood was sometimes awarded to people who paid enormous sums in order to purchase the honor.(ヘロデ王朝以後、ローマ支配時代の間、汚職が司祭の任命においてはびこった。司祭長は、しばしば、この名誉ある地位を買うために莫大な金額を支払った人に与えられた)」と述べております。すなわち、ヘロデ王は売官行為によって、伝統あるユダヤ教司祭の家々を潰していったと言えるでしょう。『聖書』「旧約聖書」に近い内容を持ち、さまざまな戒律は、口伝でありましたので、伝統あるユダヤ教司祭の家の人々が、司祭長や司祭になれないといった事態は、ユダヤ教の断絶をも意味したはずです。これとともに、異端ユダヤ教である「マルクート神」や「バール神」崇拝が影響力を増していったことは想像に難くありません。

 

 こうしてユダヤ教の変質が起こるわけですが、では、なぜ、バビロニアにおいて、異端ユダヤ教が隆盛してゆくことになるのでしょうか。

 

 ユダヤ教のラビのスタイン・ザルツStain Salts氏の『The Essential Talmud』(11-12頁・85-86頁)によりますと、西暦135年にディアスポラユダヤ人の離散)が起こりますと、その多くがペルシャ湾沿岸地域、すなわち、バビロニアに移動したそうです。こうして、バビロニア(現在のバグダッドの周辺域)には、遅くとも2世紀のディアスポラ以降、「黒いユダヤ人」の大きなコミュニティーができており、ヘロデ王朝時代に進められていた“別神崇拝”が取り入れられ、ユダヤ教の経典である『トーラTorah』には新たな解釈が施され、解釈書集の『タルムードTalmud』を基調とした悪魔崇拝的な教義が成立していたようなのです。

 

 このような経緯においてバビロニアユダヤ教は成立しておりますので、その信者でもあるイルミナティーのメンバー達は、ウルトラ自己中心的な思想の持ち主であると推測することができるのです。

 

(続く)