時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日ロ戦争においてシフ家の「人類非文明化計画」を阻止した日本

 イルミナティ―の中心的勢力の一つであるシフ家は、日ロ戦争において日本国を支援することで、当時、ギリシャ・ローマ・キリスト教文明の伝統をひくヨーロッパ文明世界を代表していたニコライII世を敗戦へと導き、続くロシア革命によって、まずもってロシアの非文明化に成功したようです。では、世界はシフ家の思い通りに進んだのでしょうか。

 

 応えは、否、となります。シフ家は、日本を非文明国側の代表として位置づけ、日露戦争における日本側の勝利を通して、「非文明世界が文明世界を倒した」と位置付けたかったと推測することができます。この点、日露戦争の勝利に貢献した秋山兄弟の兄の方が、日本陸軍の騎兵隊の創始者であった点は注目されます。騎兵隊が、日ロ戦争で活躍したことは、日本を「チンギス・ハン」の国として位置づけ、その再来(バドゥのヨーロッパ遠征の再来)として利用しようとしていたことを示唆しているのかもしれないのです。

 

 ところが、秋山兄弟が、戦後は不遇であったことに示されますように、歴史は、シフ家の思い通りには進みませんでした。日露戦争における日本の戦いぶりと勝利は、日本国が文明国であることの証となったからです。その理由は、日ロ戦争におきまして、日本国が『ジュネーブ条約』を含む戦争法のすべてを見事に順守していたことにありました。戦後も、和平協定を国際法にもとづいて締結いたしました。日本人がシフ家の密かなる目論見に抵抗した理由は、日本人の大部分が、自らを‘野蛮人’とは考えず、自国を文明国であると認識していたからであると推測することができます(昭和天皇は、日本が文明国の一員であることに強い矜持を持っていたのでは?)。

 

 日ロ戦争は、日本が文明国の一員であることを証明することとなり、アジアの他の国々にもまた文明国の一員となる可能性を開いたことになるのです。ロシアは社会・共産主義国として非文明化してしまいましたが、シフ家が意図した世界の非文明化とは逆に、世界の文明化が日ロ戦争によってもたらされたと言うことができるでしょう。

 

 日ロ戦争における失敗によってシフ家が、世界の非文明化を諦めたとは考えられず、隙あらば、とその機会をうかがっており、昨今は、特に注意を要する段階にあると推測することができます。