時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

香港問題から見える「中国共産党政権は悪い政権」問題

本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。香港における行政府への抗議活動は、香港行政府が中国共産党政権の“出先機関”であるがゆえに、中国共産党政権への批判としての意味を持っていることは、当然です。では、なぜ、170万人もの香港市民が抗議デモに参加することになり、世界の多くの人々も、香港市民側を支持するようになっているのか、その理由は、中国共産党政権が“悪い政権”であるからに他ならないということになります。では、なぜ、中国共産党政権は“悪い政権”なのでしょうか。
 
 まずもって、香港市民が、「自由」を求めている点から、中国共産党政権は人々から自由を奪う政権であるがゆえに“悪い政権”ということになります。その最たる自由の侵害は、共産党一党独裁に対する批判を禁じている点にあるのではないか、と考えることができます。
 
そもそも、国家とは、領土という地域的なまとまりを基準としておりますので、あらゆる階層や職業の人々が国民としてそこには含まれてくることになります。その利害関係は複雑ですので、代議制を通して、様々な階層や職業の人々が国会で議論することによって、利害関係を調節し、国家としての内政・外交政策を決めてゆく必要があるということになるでしょう。
 
 ところが、中国政府は、こうした現実を無視して、共産党員という一部の人々のみの意見(利害)しか国政に反映させない独裁体制を国民に対して強要しております。こうした体制では、共産党員以外の人々は“虫けら”同然に扱われる体制となり、当然、共産党員以外の人々から、共産党一党独裁への批判や非難が起こってくることになるのです。
 
自由主義の国々では、こうした批判や非難を行った人々には、「言論の自由」が認められているわけですので、何らお咎めを受けることは無いのですが、共産党一党独裁体制下の国では政治犯として逮捕されてしまうのです。そもそも、中国共産党政権は、共産党という論理的に成り立ちえない奇妙なカルト詐欺思想を、あたかも「金科玉条」の如くに掲げております。この点は、中国共産党政権も重症の“カルト病”に罹っていることを意味しております(“カルト病”につきましては、本ブログの2019年8月6日付ブログを参照ください)。現在、中国大陸は、“カルト病”の患者側が、国権を掌握しているという怖い状態にあり、国民が自らの意見を発する自由が奪われているのです。
 
 しかも、中国共産党政権は、人々からの非難や批判が起こらないほど清廉潔白な善政を敷いているのか、と言いますと、そうではないようです。“カルト病”に罹りますと、“イルミナティー細胞”から脳細胞に送られてくる指令は、「ウルトラ自己中心主義を徹底せよ」というものですので、結局は、共産党幹部や党員が、内政・外交政策によって生じる利権を独占しているようなのです。共産党員以外の人々には、たとえ能力があったといたしましても、社会におきまして成功する機会は奪われているとも言えるでしょう。すなわち、“カルト病”に罹りますと、“悪い子”になってしまうということになります(香港近郊に武装警察を準備していることに、既にその“悪い子”ぶりが発揮されている)。
 
このように考えますと、香港問題は、中国政府が自らを省みて政治改革を行うことで共産党一党独裁から脱却しなければ、すなわち、“カルト病”を快癒させなければ、収まらないということになるでしょう。

 
よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
 
 
(続く)