時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中韓への譲歩は無駄-対日要求カードとしての歴史問題

 近年、頓に激化した日中・日韓関係を受けて、諸外国からは、関係改善を求める声が聞こえてきます。しかしながら、たとえ日本国側が譲歩したとしても、中韓が対日歴史カードを易々と手放すはずはありません。

 日本国憲法の前文には、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我々の安全と生存を保持しようと決意した」とあります。日本国の安全保障の前提は諸外国性善説なのですが、しばしば指摘されているように、現実には性悪な国も多々あり、この前提条件は既に失われています。国際社会は、一般論として国家間の友好促進を日本国にも勧めているのでしょうが、少なくとも中韓北にとって、歴史問題が対日要求カードとして使える限り、彼らがこのカードを手放すわけはないのです。無理難題や不当な要求を日本国につきつけても、このカードさえ握っているれば、自己正当化できると信じているのです。

 本日、菅官房長官は、河野談話の見直しのつもりがないことを重ねて表明されておりますが、日本国政府がすべきことは、国や歴史を裏切るようなその場しのぎの譲歩ではなく、中韓北の歴史カードを封じることではないかと思うのです。カードの効果が消滅すれば、もはや、それを手にしていても何も日本国から引き出せなくなるのですから。

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