時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2009-01-01から1年間の記事一覧

日本国―一流の国を目指して

昨今、話題となった事業仕分けでは、スーパーコンピュータの開発中止に際し、委員のなかから”一位を目指すことには意味がない”という趣旨の発言が飛び出し、マスコミはじめ、各方面で話題となりました。国民の多くが、政治家に高い志を期待しているからこそ…

普天間基地の存続という対案

13年の歳月をかけた交渉の結果、ようやく日米合意に至った普天間基地の移設問題。沖縄県民の負担を軽減するという意味において、この合意には意義があるのですが、この13年の間に、中国の軍拡が予想以上の速さで進んだことを考えますと、普天間基地は、…

民主党は”ミニ独裁国家”?

組織の構造が、その組織の考え方を表すことはよくあることです。現在の民主党の状況を見ておりますと、党内が、幹事長を独裁者に頂く”ミニ独裁国家”になっているように思えるのです。 皮肉なことに、独裁体制への傾斜は、民主党が、政権与党となってから急速…

皇居移転論より先に論じるべきこと

亀井金融相が、宮中昼食会の席で、皇居を京都か広島に移すべきではないかと発言したことが、物議を醸しているようです。もし、亀井氏の発言が、皇室は、政治権力から離れるべきであるとするものであるならば、移転論より先に、如何にして皇室の政治的な中立…

竹島問題―司法解決の意義を理解しない韓国

日本国政府が、再三、竹島問題の解決を司法に委ねるよう働きかけているにも拘わらず、韓国政府は、今日に至るまで、この提案を拒絶し続けてきました。おそらく、日韓併合の歴史が、韓国の頑なな態度の根底にあるのでしょうが、司法解決の意義を考えれば、一…

安全保障政策―一国主義への傾斜は安全か

我が国の歴史を振り返りますと、他国と同盟を結成したことはあっても、”同盟軍”という形態で戦争を行ったことは殆どありませんでした。第二次世界大戦も、独伊と三国同盟を締結しながら、結局は、単独で戦争を遂行しました。こうした経験が、普天間基地問題…

小沢幹事長が悪代官である理由

インターネットでは、民主党の小沢幹事長のご両親は、韓国出身とする説が飛び交っているようです。この説の真偽のほどは分かりませんが、小沢幹事長の行動は、どこか中国の歴代王朝に服属していた韓国・朝鮮の歴史を彷彿させるのです。 日本国の歴史を紐解き…

子ども手当は国民年金の逆パターン?

民主党政権は、ついに所得制限なしの子ども手当の実施を基本方針とするようです。このため、過去最大の予算ともなるのですが、民主党政権は、この制度を持続可能なものと考えているのでしょうか。 もし、持続可能な制度と考えているならば、それは、国債に頼…

子ども手当は参議院選挙目当て?

世論調査によりますと、マニフェストの政策の中で、子ども手当を見直すべきとして率が高かったと報じられています。にもかかわらず、民主党政権では、所得制限も付けずにあくまでもマニフェストどおりにこの政策を実施するつもりのようです。 しかも、国民多…

民主党幹事長は共産党書記長?

昨今、民主党の小沢幹事長の言動に対して、各方面からの非難と疑問が呈されているようです。未だかつて、わが国には、首相よりも決定権があると目されるような政党の幹事長は存在していなかったのですが、もしかしますと、小沢幹事長は、自らを共産党の書記…

政党は宮内庁に介入できないのでは?

宮内庁法の第一条に、「内閣府に、内閣総理大臣の管理に属する機関として、宮内庁を置く」とあることから、先の天皇陛下と中国の習副主席との会談は、政治利用ではないとの主張があります。また、民主党の小沢幹事長は、ルールを曲げたことに対する羽毛田宮…

『吉備大臣入唐絵巻』から見えてくる苦難の日中外交

昨今、日中外交の難しさを示す事件が起きています。姉の倉西裕子は、本年11月に『吉備大臣入唐絵巻 知られざる古代中世一千年史』を上梓しました。平安時代末期、後白河法皇のサロンで制作され、現在米国ボストン美術館に所蔵されている『吉備大臣入唐絵巻…

民主党の陳情制度―利権の亡者が窓口とは

民主党幹事長の小沢氏は、自民党時代から利権漁りで知られており、西松建設事件からもその一端が伺えます。にもかかわらず、民主党では、陳情制度を変更し、窓口を幹事長に一元化したというのです。 この民主党の陳情制度、西松建設事件を考えれば、明らかに…

橋下知事は追従者か告発者か

昨日、大阪府の橋下知事が、民主党の小沢幹事長に対し、政治を陰で動かす”すごい人物”といった旨の発言をしたとの報道がありました。この橋下知事の発言の真意によって、知事自身の評価も左右するように思うのです。 もし、知事が、小沢幹事長を持ち上げるつ…

国家の根幹を変えるなら国民に信を問うべき

本日、自民党の谷垣総裁が、民主党がマニフェスト違う方向に向かっていることを理由に、衆議院の解散・総選挙を求めたと報じられています。これまでの民主党政権の様子を見てみますと、マニフェストと違うどころか、マニフェストの枠外の領域にまで変えよう…

中国化する民主党政権

最近の民主党政権の行動パターンを見たり、発言を聞いていますと、どこか中国に似てきているように思えるのです。 どこが似ているのかと申しますと、平気で、誰から見ても明白な客観的な現実を否定するところです。近年、中国は、空母を建造するなど、急速な…

民主党の小沢幹事長は危険人物

かつて、古代ギリシャのアテネには、陶片追放という制度があり、独裁者となる怖れのある人物の名前を記し、多数となるとその人物は、アテネを去らねばならないことになっていました。この制度は、後に政敵追放の手段に変質することにより、本来の意味を失い…

皇室の政治利用は日本国を揺るがす

民主党の小沢幹事長が大訪中団を結成して北京を訪問したことがきっかけとなり、天皇陛下と中国の習副主席との会見がルールを曲げて強要されたと報じられています。この事件、日本国を揺るがす大問題に発展する可能性があると思うのです。何故ならば・・・ (…

民主党は大訪中団の情報公開を

先日、民主党の小沢幹事長が団長となって大訪中団を結成し、中国を訪問して大歓迎を受けたことが、内外に大きな波紋を広げることになりました。この訪中団に眉をひそめ、民主党政権に対して警戒心を持つようになった国民も少なくないはずです。これほどにも…

定住外国人参政権法案は”後出しじゃんけん”

恥知らずな中国訪問に次いで、民主党の小沢幹事長は、韓国の大学での講演で、来年度の通常国会において定住外国人に参政権を与える法案を提出すると述べたと報じられています。誰からみましても、これは、国民を騙す行為であり、”後出しじゃんけん”に当たる…

民主党の訪中団―聖徳太子の外交方針を忘れるなかれ

聖徳太子の実在が議論されつつも、倭国の”多利思比孤”が隋の煬帝に対して、”日のいずるところの天子、日の没するところの天子に書をいたす。つつがなきや”と記した書簡を送り、隋との対等な外交関係を宣言したことは、誰もが知るお話です。この精神は、その…

北朝鮮―ゼロ回答でも制裁緩和?

本日の新聞の朝刊に、岡田外相が、拉致被害者家族会の方々に、北朝鮮に対して拉致被害者の再調査を求める用意があることを伝えたとの報道がありました。確かに、再調査を求めることは政府がなすべきことですが、北朝鮮が再調査に着手した時点で、”見返り”と…

国債の利払いリスクに要注意

昨日、追加経済対策費として、7.2兆円の財政出動が報じられていました。その財源の内訳として、1兆円分は、低金利のため国債の利払いが予測以下の額となったため、と説明されていたのですが、このお話、もろ手を挙げて喜べないと思うのです。 と申します…

民主党政権の巨額国債発行に唖然

行政刷新会議の仕分け作業では、民主党政権は、”一円一銭でも行政のむだを省く”という態度で、国民に歳出削減をアピールしていたはずです。ところが、本日の朝刊の一面で、まず、目に飛び込んできたのが、”追加経済対策、7.2兆円で最終調整”という文字で…

日米合意の一方的破棄は禍根を残す

普天間基地の移設問題については、既に日米で合意済みであったことは誰もが知るところです。もし、民主党政権が、アメリカ側の合意を得ることなく、一方的に合意を白紙に戻すとの決断を下すとしますと、これは、日米関係の将来に修復しがたい禍根を残すこと…

円安のために日銀はゼロ金利に?

最近の円高傾向の背景には、各国中央銀行の政策金利差があるとしますと、日銀が、FRBと同じく0金利にすれば、相場の流れは円安に向かう可能性があるのではないかと思うのです。 そもそも、日本経済の現状に鑑みますと、円高となる要素には乏しく、昨今の…

似て非なる”地方分権”と”地方主権”

民主党政権では、地方自治体の権限拡大を促進することを目的として、”地方主権”なるスローガンを唱えるようになりました。これまでは、”地方分権”という用語が一般的には用いられてきたのですが、”地方主権”と”地方分権”、この両者は、似ているようで全く違…

密約批判は核の傘撤去のための三段論法?

昨日も、新聞等で、日米間に核持ち込みの確約があったことが、関係者の証言で明らかとなったことが大々的に報じられていました。この一連の政府と報道のスタンスから判断しますと、密約そのものを追求することよりも、核の傘を撤去するための三段論法として…

友愛より対立を見据えよう

鳩山首相の対外政策の基本方針が”友愛”であることは、既に内外に広く知られています。しかしながら、防衛、安全保障、外交、通商といった相手国の存在する政策領域こそ、国家間、あるいは、国際社会の対立点を見据えるべき分野なのではないかと思うのです。 …

民主党政権は国家ヴィジョンを語らないのではなく語れないのでは

行政刷新会議の仕分けに際して、判断の基準があいまいであったことから、マスコミを始め多くの方面から、民主党の国家ヴィジョンや国家戦略が見えないとの批判の声が上がりました。国家戦略局というもっともらしい機関が設けられながら、民主党政権が目指し…