時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

友愛より対立を見据えよう

 鳩山首相の対外政策の基本方針が”友愛”であることは、既に内外に広く知られています。しかしながら、防衛、安全保障、外交、通商といった相手国の存在する政策領域こそ、国家間、あるいは、国際社会の対立点を見据えるべき分野なのではないかと思うのです。

 ”友愛”という言葉の響きは、対立点から人々の目をそむけさせ、それをナイーブな自己満足の感情でで覆い隠してしまいがちです。この世には対立など存在せず、国も人も全てが仲良く手を取り合っていると。しかしながら、現実が理想とはかけ離れていることは、国際社会を舞台としたあらゆる交渉が、なかなか合意に達しないことからもよく理解できます。むしろ、合意を形成するためには、国家間や国際社会において、どのような利益や意見が対立しているのか見極める必要があり、これを欠きますと、いつまでたっても合意には至らないのです。

 あらゆる問題の解決は、対立の認識から始まるのではないか、と思うのです。そうして、対立の内容を吟味してこそ、解決への道も開かれるのではないでしょうか。

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