時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

皇室典範改正案よりも秋篠宮家問題が国会の最優先課題

 本日は、倉西裕子研究員が、歴史家として皇室問題について記事を書かせていただきます。

 

 歴史的にみまして、天皇の存在意義は、天照大御神を皇祖神とするがゆえに、日本国をその神霊の力をもって敵国から守ることにありました。

 

 7世紀後半、唐朝の南下が始まりますと、滅亡の危機に瀕した百済を救援するために、斉明女帝、そして天智天皇が、数万の兵を自ら率いて、百済救援に向かいます。百済は滅びましたが、結果的には、隋の南進を食い止めることはできました。

 

 9世紀に新羅との関係が悪化しますと、新羅の来襲が重大な安全保障上の問題となります。朝廷は、健児(防人)を徴するとともに、新羅人の入国拒否、本国送還という措置をとります。これらに加え、天皇のみが行うことができる「太元帥法」という護国・敵国調伏の秘法を天皇が執り行うこととなります。

 

 また、13世紀の蒙古襲来に際しまして、亀山上皇が、護国・敵国調伏の祈祷を行いますと、いわゆる「神風」が吹き、十数万モンゴル軍が壊滅したということは、殊に有名なお話です。戦国時代以降、アジア諸国が植民地化してゆく中で、日本国は独立を保ち、天皇もまた京都の御所にて、年中行事や神事を続けてゆくことになりました。

 

 こうした日本国と天皇との関係が、「現人神であられる天皇がおわしまし、天皇によって守られているがゆえに、日本国は滅びない」とする「不敗神話」を徐々に形成するようになります。外敵の侵略による殺戮や略奪に遭わないで済むということにおいて、天皇は、日本人、日本国にとりましてありがたい存在として、国民からの崇敬と尊敬を受けるようになったと言えましょう。不敗神話は、第二次世界大戦におきましても、多大な影響力を持ちました。

 

 このように考えますと、天皇の存在意義がその神力による護国にあってこそ、天皇は、国民の側からの尊敬を得ることができると言えます。しかしながら、戦後、天皇は、「象徴」という意味不明な存在となり、数世代にわたる婚姻によって天皇家の血が薄まり、その求心力が急速に失われていることに加え、今般の皇室典範改正案は、婚姻、養子、托卵によって仮想敵国出身者が、皇族や天皇になる可能性を広げております。すなわち、本末転倒の事態が予測されるのです。

 

 そして、昨年の秋頃より、秋篠宮が、上皇の血を継いでおらず、美智子さんの妹夫妻、すなわち、安西 孝之(あんざい たかゆき)夫妻のお子さんであるという報道がありました。国会で審議すべきは、皇室典範改正案ではなく、むしろこの問題であるように思えます。それは、現在でも、日本人は、「皇統」、すなわち、天皇家において先祖代々受け継がれてきた遺伝子の有無が、天皇にとりまして、神力を発揮するための最低限の条件であると、あたかも「暗黙の了解」のごとくに認識しているからです(品位や人柄など他にも多くの条件がある…)。

 

 インターネット上に公開されている安西氏と秋篠宮は、否定し難いほど確かによく似ております。真子さんにいたっては、安西氏の外祖父の森 矗昶(もり のぶてる)氏とそっくりであることには驚かされます。森家も安西家も先祖は千葉県勝浦市の漁師とのことですので、天皇家とは、まったく無関係の家が、「天皇家・皇族」になってしまうことになり、「秘かなるクーデター」的要素があります。皇室典範の改正を強引に進めている衆議院議長の森 英介(もり えいすけ)氏が矗昶氏の孫である点も疑惑を深めております。

 

 秋篠宮家を通しての「御家乗っ取り」問題を置き去りにして、皇室典範を改正いたしますと、混乱が混乱を呼ぶことになります。天皇の根幹にかかわる問題でありますので、国会において最優先に審議すべき議案は、まずもって「御家乗っ取り」問題であるのではないでしょうか。

 

 

聴く人が美しいと感じる音楽づくりは演奏者のお仕事

 楽譜には、音符の他にも作曲者自身や編纂者などによる様々な指示が書き込まれています。様々なレベルのピアノとフォルテ、様々なテンポ、クレッシェンド記号、スタッカートなどなど。その通りに弾きますと、模範演奏ということになるのでしょうが、作品としての完成度や良し悪しは、むしろ演奏者が、その曲をどのように理解し、表現するのかに掛かっているように思われます。

 

 例えば、ショパン先生は、弟子がショパン先生の作品を弾くのを聞いて、「別の解釈もありますよ」と全く異なる表現で弾いてみたそうです。すなわち、自ら作曲したにもかかわらず、その曲に2通りの解釈を持っていたことになります(もしくは2通り以上。ショパン先生は、いつも迷いに迷っていたようです)。演奏者は、たとえフォルテ記号がついていても、その個所をピアノで弾いてもよいということになるのでしょう。言い換えますと、演奏者が、「このように弾けば、その曲は最も美しい」と思えば、そのように自由に弾けばよいということになるのです。

 

 ただし、聴く人も「最も美しい」と感じるか、否かは別問題であり、「名ピアニスト」と評されるピアニストは、技術的に優れているだけではなく、曲の解釈や表現力においても秀でているのではないでしょうか。

 

 さて、美しい曲のご紹介として、倉西研究所音楽室にての二回目の演奏は、ショパン先生のプレリュード作品9にいたしました。独創性があり、かつ、完璧なまでの和音の美しさを誇るショパン先生ならではの一曲です。私倉西裕子研究員による解釈、演奏です(今回も、お恥ずかしいかぎり・・・)。ショパン先生は、曲の最後の最後まで神経を使って仕上げていることには、いつも驚かされます。テンポは速めとし、最後はピアニッシモにしてみました。

 

 ちなみに、前回の演奏の録音は、2頁ほどの長さであるにもかかわらず、大変でしたので(何故か、間違える!)、今度は1頁にたしましたところ見通が甘く、さすがはショパン先生、そう簡単には弾かせてくださいませんでした・・・。

 

 

ピアノ曲テンポ変更の試み

 歴史研究家として、執筆活動を続けながら、毎日ピアノを弾いております。物心のついた3歳から始めており、ピアノは、私の人生にとりまして、趣味以上の大事な存在です。特にショパン、モーツアルト、ブラームス、シューマン、ベートーベンの曲を好んで弾いております。

 

 クラシック音楽が大好きである理由は、美しいからにほかはありません。名曲と言われる曲は、なぜ皆が美しいと感じるのか、そして、名演奏と評される演奏は、感動するほどすばらしいと、皆が感じるのか、その謎は、人類存在の謎でもあります。歴史と音楽、まったく関係がないようで、密接に関連していることは、その音楽家が生きた時代の出来事や、その時代の人々の世界観、人生観、共通の問題も、曲や曲風に反映されているからであるとも言えましょう。

 

 昨日開設いたしかした倉西研究所音楽室にて、せめても「アマチュアピアニスト」を目指している私の拙い演奏をアップしてまいります(倉西雅子研究員の演奏も)。音楽作品の美しさにつきまして、私はテンポも重要であると考えており、あえて美しいと感じるテンポに速めたり、遅くしたりして演奏しております。面白い試みであると考えているのですが、いかがでしょうか。

 

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

倉西研究所音楽室のお知らせ

本日、倉西研究所音楽室を開設いたしました。私倉西裕子研究員と倉西雅子研究員のピアノ演奏による綺麗で、心温まるピアノの小曲を紹介してまいります。第一回目は、私の演奏によるモーツアルトのピアノ協奏曲第21番第2楽章アンダンテとなります。ピアニストほどには、上手はありませんので、ご容赦くださいませ。

謹んで 新年のご挨拶を申し上げます。

 本年も、独自の視点や独自の仮説などから、歴史の謎を解く、そして、世界情勢を説明するような記事を、僅かながらでも認めてまいりたいと考えております。どうぞよろ


しくお願い申し上げます。

米国大統領選挙はEV車大量在庫問題を争点とすべきでは?

 米国大統領選挙は、民主党バイデン現大統領の選挙戦からの撤退をもって、共和党トランプ前大統領の優勢のもとに進展するのではないかという大方の予測に反し、カマラ現副大統領の善戦が報じられ、混迷を深めるに至っております。7月に発生した暗殺未遂事件における奇跡的生還を以って、さらに支持者を増やしたはずのトランプ候補は、なぜ、失速するようになったのでしょうか。

 

 トランプ候補の支持率低下のターニングポイントは、マスコミに強い影響力を持つ民主党側による“カマラ候補の支持率拡大キャンペーン”の成果にあるのではなく、むしろトランプ陣営におけるEV車問題への対応の変化にある可能性を指摘することができます。

 

 これまでトランプ大統領を支持してきた層は、副大統領候補のバンス氏が「ラストベルト地帯」の選挙民の代表とも言える背景を持っていることに明示されますように、自動車産業を中心とした鉄鋼産業の労働者層の人々であったようです。トランプ氏を支持していた理由は、雇用の確保にあり、特に、トランプ陣営が、自動車産業におけるEV車製造への転換に反対していた点に求めることができます。
 
 EV車は、有害ガスを排出しないためクリーンな移動手段とされておりますが、EV車の製造も温暖化ガスが大量に排出されることに加え、EV車の普及は、“廉価な電力の量的安定供給”を前提としています。高い電力料金(高い燃費)や、電力供給が逼迫する事態の発生(燃料切れ)が想定される現状において、消費者のEV車への購入意欲が低いことは当然のことです(走行距離の長い米国では、充電施設不足と冬場における使用不能が大きな問題)。“廉価な電力の量的安定供給”問題の解決には、原子力発電が最も適しておりますが、原発事故への不安から、総電力供給量における原子力発電の割合は大きいわけではなく、米国でも18.9%ほどです。さらに、再生エネ推進問題が、この問題に大きな影響を与えております。

 

 太陽光や風力といった自然エネルギーに依拠して発電する再生エネは、原子力発電所における放射能漏れや爆発事故、水力発電所における土砂堆積、並びに、火力発電所における化石・鉱物燃料の高騰や枯渇による供給不足や二酸化炭素の排出などの様々な環境汚染問題を解決するための新たなクリーンなエネルギーとして注目され、各国ともに再生エネへの転換が進められております。しかしながら、再生エネは、発電に費用が掛かることに加えて、量的にも安定的にも供給することが難しいエネルギーです。すなわち、再生エネは、クリーンなエネルギーではあるけれども、“高価な電力の少量不安定供給”を齎しているのです(もっとも、取り換えが必要とされる太陽光パネルが製造過程で有害物質を発生させ、その廃棄も環境汚染となるとされていますように、再生エネは、必ずしも「クリーンエネルギー」であるとも言えません)。

 

 このことから、現在、世界各国が邁進している“EV車への転換”と“再生エネへの転換”という2つの大きな目標は、逆方向を向いた二律背反状態となっております。すなわち、“再生エネへの転換”を進めれば進めるほど、EV車の在庫が積みあがるという構図になるのです。現状から見ますと、電力料金の高さが、各国政府の課題となっておりますように、“再生エネへの転換”による“高価な電力の少量不安定供給”の方向が優っているようです。

 

 従いまして、既にEV車の大量在庫問題が生じておりますように、売れないEV車をいくら生産しても、自動車企業の利益に繋がらず、労働者の解雇に繋がってしまうことになるのです。この点に気づいていた米国自動車産業の労働者層は、現民主党政権が親EV車派であることを憂慮して、EV車に反対していた共和党トランプ候補を支持したということになります。

 

 ところが、EV車に反対してきたはずのトランプ陣営が、共和党における大統領候補の指名を確実にした7月末に、突然、EV車推進派のイーロン・マスク氏から巨額の献金と支持を受けるという奇妙な事態が発生することとなりました。マスク氏の献金の目的は、マスク氏が反EV車派に鞍替えしたのではなく、トランプ陣営を親EV車派に取り込むことにあったと考えることができます。このことによって、これまでトランプ陣営を支持していた層にも変化が見られ、カマラ候補の支持者を増やす結果となったのではないか、と推測することができます。現に、全米自動車労働組合UAW)は7月31日にカマラ候補への支持を表明しております。

 

 こうした現状に鑑みますと、トランプ候補とカマラ候補は、両者ともに反EV車派なのか、それとも、親EV車派なのであるのか、その態度を明確にする必要があり、9月開催予定のトランプ候補とカマラ候補との公開討論会におきましては、EV車問題は、ぜひ、争点とすべきテーマとなるのではないでしょうか。気が付いてみますと、両候補者ともに、親EV車派となっており、反EV車派の米国の有権者には、「投票する大統領候補者がいない」という状態となっていないとも限りません。さらに、どちらが大統領となっても、親EV車派政権となり、EV車の在庫が積みあがるとともに、失業者が増大することにもなりかねません。自動車産業は、世界経済をリードする巨大産業であり、EV車への転換によるEV車大量在庫問題は、連鎖的に経済を破綻させかねない危険をはらんでいる以上、米国のみならず、世界が注目すべき問題であると言えるのです。