時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ウィキリークス―外交公電の率直な表現は仕方がない

”外交的表現”と言いますと、一般的にはオブラートで包みこんだような、婉曲な言い方を意味しています。このため、ウィキリークスが公表した機密外交公電を読んだ人々は、そのあまりにストレートな表現に驚いたかもしれません。 しかしながら、これらの文書が…

中国の六カ国協議提案―油断は禁物

昨日、中国政府が、5時半から北朝鮮に関する重大情報を発表すると通知したことで、一時、東アジアの緊張が高まりました。蓋を開けてみますと、重大情報とは、六カ国協議の開催提案であり、拍子抜けした方も少なくなかったはずです。 それでは、何故、中国は…

中国の重要情報の発表―北朝鮮は中国の管理下に?

本日午後5時半より、中国政府が、北朝鮮問題について重要情報の発表を行うそうです。そもそも、当事国ではなく、他の国の政府が重要な情報を発表すること自体が、異常なことです。 中国が、北朝鮮のスポークスマンの役割を果たしているとしますと、北朝鮮は…

北朝鮮の核施設のピンポイント爆撃を

明日、米韓の軍事演習が予定通りに行われるそうですが、北朝鮮の出方によりましては、両国が交戦状態に陥る可能性も否定はできません。北朝鮮が、かくも強気で暴挙を繰り返す理由が、核開発にあるとしますと、まずは、北朝鮮の核施設をピンポイント爆撃して…

北朝鮮に見る外交の限界

今月23日に起きた北朝鮮による延坪島砲撃事件の一報が伝わると、外交努力が足りない、とする批判が寄せられるものです。しかしながら、相手が北朝鮮となりますと、外交力には限界があると思うのです。 外交とは、相互の信頼と合意事項の相互順守の確信があ…

韓国には挑発する理由がない

北朝鮮は、韓国の延坪島に砲撃を加え、民間人を含む死傷者を出しながら、その責任は、挑発した韓国側にあると主張しているようです。しかしながら、韓国側には、北朝鮮を挑発する動機がないと思うのです。 38度線付近で米韓が軍事演習を行う理由は、北朝鮮…

北朝鮮による武力攻撃―国連軍は動くのか

1953年7月以来、朝鮮戦争は休戦状態にあります。昨日、北朝鮮が休戦協定を破って韓国側に砲撃を加えたことで、朝鮮戦争の火ぶたが再び切られるシナリオが、俄かに現実味を帯びてきました。 両国が交戦状態に至った場合、韓国側において闘う軍隊には、幾つか…

日本国も防衛体制の強化を

本日、北朝鮮が韓国の延坪島を砲撃し、韓国側も北朝鮮側の海岸砲基地に対して応射したと報じられています。休戦協定が破棄されたことになりますので、第二次朝鮮戦争に発展してもおかしくはない状況に至っているようです。 この時期を選んで砲撃を開始した北…

民主党政権―極端な少数者支配の構図

民主主義の国では、多数決を原則としながらも、少数者の意見も尊重されるものです。しかしながら、少数者の意見を聞くことと、少数者が政治権力を行使することでは、似て非なうものであると思うのです。 民主党は、極端な思想や経歴を持つ人々の集まりです。…

千葉前法相の方がはるかに危険であった

柳田法相の辞任をめぐって、政界は紛糾しているようです。しかしながら、はるかに悪質であり、国家にとって危険であったのは、千葉前法相の方ではなかったのかと思うのです。 千葉前法相は、就任直後から、首相や幹事長に司直の手が及ぶのを回避するために指…

前原外相の擁護発言が明らかにした仙谷官房長官の思想

自衛隊を「暴力装置」と発言した仙谷官房長官は、厳しい非難に晒されることになりましたが、この発言に対して、前原外相が、官房長官をフォローしたと報じらています。”昔よく、共産党系の本を読まれていたのであろう”と。 その後に、前原外相は、”本音では…

政治責任より発言責任が重い不思議

大臣の国会答弁を揶揄した発言は軽率として、柳田法相に辞任を求める声が上がっているようです。確かに、この発言には、法務大臣としての無責任さと不誠実さが感じられるのですが、民主党政権の閣僚が、尽く政治責任を取らないことも問題です。 尖閣諸島沖の…

海保同僚のひき逃げ事件は政治的テロなのでは

尖閣ビデオを公開された海上保安官の同僚であり、巡視艇「うらなみ」の乗組員であった方が、一昨日、ひき逃げされたという事件がありました。この事件、政治的な意図によるテロなのではないかと思うのです。 誰もが、このひき逃げ事件が、尖閣沖の事件と無関…

尖閣ビデオ公開―公務員の職務規定絶対主義の落とし穴

海上保安官の方が尖閣ビデオを公開したことについて、公務員の職務規定違反は怪しからんとして、厳罰を求める意見もあります。公務員の規律の弛緩は、国家の崩壊を招くと。しかしながら、その一方で、政治サイドによる厳格な公務員規律の徹底は、公務員から…

日中他虐政権の不幸

民主党政権の手法は、日に日に中国共産党政権に似通ってきているようです。自らの失敗を棚に上げて、他者に罪や責任を押し付けようとする態度は、そっくりです。 尖閣諸島沖での事件が発生した時も、中国は、自らに非があるにも拘わらず、日本国側を犯罪者に…

海保保安官の方の実名が報道されない不思議

先日、尖閣ビデオを公開した海保保安官の方の自筆の文章が公表されました。そこで不思議に感じることは、実名が伏せられていることです。 公開されている自筆の文章を読みますと、「私、○○は、この度、世間をお騒がせしたこと・・・」と書かれており、文末に…

終に日本国も政治犯のいる”収容所国家”になるのか

政府は、沖縄地検の判断ということで責任を押し付けて、犯罪者を保釈してしまいました。地検の方も、政治的判断があったことを明言したわけですが、もし、外国との関係を考慮して犯罪者を無罪放免できるならば、逆に、無実の人を犯罪者にすることも、論理上…

日中密約―仙谷内閣官房長官に権限はない

民主党政権が、尖閣沖のビデオの公開を拒んできた理由として、仙谷官房長官と中国政府との間の密約が指摘されています。もしこれが事実であるとすれば、官房長官の密約は、内閣法の規定に違反する越権行為なのではないでしょうか。 内閣法の第13条は、内閣…

尖閣沖事件の真相究明は多方面戦略で

尖閣沖事件の真相は、衝突から逮捕までの経緯が明らかにされない限り、充分に解明されたとは言えません。逮捕時に際して、海保の職員に殉職された方がおられるとの発言もあり、国民の多くは、この情報に半信半疑です。 後半部分を含めた尖閣ビデオの全面公開…

国家反逆罪は民主党では

民主党内では、尖閣ビデオの流出は、国家反逆罪に当たるとする見解があるようです。この見解、民主党=国家という等式が頭の中にあるからとしか考えられません。一党独裁体制を敷いたナチスや共産党と同じように。 そもそも、政治家とは、国家と国民の安全を…

船長を逮捕した海保職員全員の記者会見を開いては

尖閣沖ビデオを流出したことを申し出た海保の職員の方が逮捕されるそうです。義憤に駆られてのこととも推測されますが、特に、逮捕に際して海保の職員の方に危害が加えられ、二名の方が殉職されたとの噂については、政府は、積極的に否定しようとはしていま…

海保職員の身の安全を確認しなければ国民は納得しない

真偽のほどは、まったく分かりません。しかしながら、石原知事や佐々淳之氏が言及し、ネットにも未確認情報が多数投稿されていることを考えますと、尖閣諸島沖の事件で、海上保安庁の職員の方が殉職されたのか否かを確認できない限り、国民は、納得しないの…

菅首相は中国に陳謝している

報道によりますと、尖閣沖ビデオの流出について、菅首相が陳謝したそうです。首相は、一体、誰に対して陳謝しているのでしょうか。 少なくとも、国民に対してではないようです。何故ならば、国民の多数は、たとえ、それが”流出”であっても、尖閣ビデオが公開…

尖閣諸島を国際社会の監視の下に

新聞等では、尖閣諸島沖の事件に日本国政府が反応すればするほど、国際社会に”領土問題”と認識され、日本国にとって不利になるとする見解が、しばしば掲載されています。しかしながら、むしろ、尖閣諸島に対する中国の動きを封じるためにも、ビデオを含めた…

尖閣ビデオ流出―公益通報者保護法の適用になる可能性

尖閣ビデオの流出の真相は、まだ藪の中です(昨日の記事では、裏読みにも触れたのですが・・・)。そのため、あくまでも仮説なのですが、もし、義侠心にかられた正義の内部告発であるならば、「公益通報保護法」によって、保護を受けることができるのではな…

尖閣諸島沖ビデオ流出―民主党の情報隠蔽が招いた事件

尖閣諸島沖で撮影されたビデオが公開されたことを受けて、ネット上では、賛否両論の意見が飛び交っているようです。あるいは、人権擁護法案を成立させるための目暗ましであるとか、海上保安庁を潰すための陰謀であるといった、裏読みもあるようです。 ただ一…

日本国の尖閣諸島の領有の正当性のアピールを

本日の新聞に、尖閣諸島に関する中国側の主張を覆す清代の史料が発見されたと報じられました。尖閣沖ビデオと同様に、証拠を持っているだけでは外交効果はゼロですので、日本国政府は、これらの証拠を公表して、自らの正当性を内外に向けて積極的にアピール…

尖閣諸島を狙う中国には”所有権”の概念がない

国家の領有権もまた、土地に関する”所有権”の一種として理解することができます。しかしながら、共産主義国家である中国は、”所有権は保障されるべき”、とする一般社会の常識が欠如しているのではないかと思うのです。 言うまでもなく、中国の共産党政権は、…

読み切れない中国の前原外相非難

中国では、前原外相の更迭を求めるなど、連日のように、新聞に非難記事が掲載されているようです。一方、日本国の新聞の世論調査の結果を見ますと、前原外相が、次期首相に最もふさわしい人物として、トップの支持率を集めているようです。 このことは、中国…

尖閣ビデオ公開―中国に対する議会制民主主義の宣伝材料に

もし、我が国が、中国と同様の一党独裁であったならば、体制が崩壊しない限り、おそらく尖閣ビデオは永遠に公開されることはなかったでしょう。国会において、公開を渋る民主党政権に対して、野党側が圧力をかけたからこそ、本日、一部の議員に対してであれ…