時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

韓国には挑発する理由がない

 北朝鮮は、韓国の延坪島に砲撃を加え、民間人を含む死傷者を出しながら、その責任は、挑発した韓国側にあると主張しているようです。しかしながら、韓国側には、北朝鮮を挑発する動機がないと思うのです。

 38度線付近で米韓が軍事演習を行う理由は、北朝鮮による侵攻や攻撃に備えるためであり、北朝鮮の領土に侵攻する意図はないはずです。軍事演習そのものは、自国の領域内で行われるのであれば、国際法には違反しませんし、もし、北朝鮮が、境界線としての38度線そのものを否定するならば、それこそ、休戦協定違反となります。北朝鮮を併合するには、莫大な資金を要するとする試算があり、東西ドイツの前例に照らしましても、韓国が、戦争を挑発してまで積極的に武力統一を目指す理由はないと考えられるのです。

 むしろ、今回の砲撃は、北朝鮮をこのまま放置することのリスクを明らかにしたと思うのです。暴力主義で残酷な指導者が君臨する国が、水爆まで保有するようになると、どのようなことが起きるのか、国際社会は、真剣に考える必要があるのです。

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