時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

都知事選-一足早く敗北宣言した民進党?

本日、東京都のみならず、全国的な関心を集めてまいりました都知事選の投票日を、遂に迎えることとなりました。結果は、開票作業と集計を待たなければなりませんが、早くも民進党は、敗北宣言をしてしまったように思えるのです。 何故、民進党が事実上の敗北…

移民による受入国の伝統・慣習排斥問題

先日、イギリスでは、移民問題が軸となって国民投票が実施され、EUからの離脱を選択しました。この件については、経済的な理由からの説明が散見されますが、移民の増加に伴う社会・文化的変化にも関心を払うべきではないかと思うのです。 イギリスの公共放送…

不透明過ぎる”生前退位”問題

天皇陛下の生前退位問題につきましては、情報の出所もはっきりせず、宮内庁長官が否定するに至っては、国民の多くも訝しく感じていたのではないかと思います。こうした中、本日、陛下自身が、自ら「お気持ち」を表わすとの報道がありました。 この問題、その…

暴露合戦になった都知事選

今般の都知事選は、東京都知事を選出するという選挙本来の意義を越えて、番外編ともいうべき事態に発展しているように思えます。都知事選は、日本の闇が炙り出される一つの舞台を提供されているかのようなのです。 何故、番外編が登場したのかと申しますと、…

ヘイト殺人事件の頻発は偶然なのか?

昨日、相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」おいて起きた殺人事件は、深夜に無抵抗な障害者の人々を狙った極めて残忍で卑怯な手口による犯行でした。日本国内では大量殺人事件は稀であるため、海外でも大きく報じられたそうです。 ところが、因果関係の…

常設仲裁裁判所によって蘇ったニコライⅡ世の亡霊

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。「最後の審判の日」について扱う『聖書』「暴露録(黙示録)」に登場するサタンの化身、「赤い竜the red dragon」は、「赤」が「共産党」、「竜」が「中国」を意味することから、中華…

鳥越候補―野党統一候補の試金石?

東京都知事選は、自民党系候補として小池氏と増田氏が出馬する一方で、野党は、統一候補として鳥越氏を擁立しました。都知事選では、無党派層において既存政党離れも見られ、日本国でも、一種のトランプ現象が起きているようですが、この選挙は、野党にとり…

移民政策―イノベーション信仰の怪しさ

先月23日に実施されたEU離脱の是非を問うイギリスの国民投票では、移民問題が焦点ともなりました。年間30万人もの移民が押し寄せる現状を背景に、イギリス国民は、EUからの離脱を選択するのです。 こうした中、ドイツのミュンヘンでも、イラン系の人物による…

進むも地獄退くも地獄の中国

南シナ海問題に対する仲裁判決は、中国を、進も地獄退くも地獄の状況に追い込んでおります。 仮に、仲裁判決を無視し、南シナ海における人工島の建設や軍事拠点化を進めるとしますと、中国は、まずはロシアと同様に、国際社会から経済制裁を受けることは必至…

中華人民共和国によってもたらされる「裁判不能non liquet」の脅威

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。『聖書』「暴露録(黙示録)」のテーマが、神様による審判、すなわち、「最後の審判の日」であることは、今般の中華人民共和国の暴力主義による領土・領海拡張問題に対して、‘悪’の判…

イギリスのEU離脱-経済優先が理性的ならば奴隷制も理性的

先月23日にイギリスで実施された国民投票では、イギリス国民は、EUからの離脱を選択しました。この判断に対して、感情に任せた非理性的な判断とする酷評がありますが、経済的利益を優先した判断が、必ずしも理性的な判断とも言えないように思えます。 何故…

中国の原発大量増設のリスク

報道によりますと、「九段線」の主張を完全に否定した仲裁判決にも拘わらず、南シナ海において軍事拠点化を貫く構えの中国は、海上浮動式の原子力発電所を建設する予定なそうです。中国が、原発建設を急ぐ背景には、一体、何があるのでしょうか。 海上浮動式…

自ら”非文明国”認定している中華人民共和国

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。去る7月12日、7月15日付本ブログにて、南シナ海をめぐる常設仲裁裁判所による中華人民共和国に対する判決問題を扱い、人間による裁判が善悪の判断として機能しなくなる日が、『…

”法破りは偉い証拠”という中国の危険思想

常設仲裁裁判所の判決に対して、中国は、”逆切れ”状態にあり、何としても国際社会を屈服させようと必死です。それどころ、ネット上には、今般の一件は、中国を追い詰めるどころか、逆に、大国としての中国の地位を確立させたと嘯く意見も見られます。 常識的…

消えた中国の「九段線」の幻

先日12日に下された南シナ海問題に関する仲裁判決では、大方の予想に反して、中国が主張してきた「九段線」の違法性にまで踏み込みました。この判決により、中国は、南シナ海全域に対する領土や海洋権益の法的根拠を、全て失うことになったのです。 それでは…

中国を擁護する人々に倫理観はあるのか?

今月12日に常設仲裁裁判所で示された仲裁判決は、中国に対して極めて厳しい内容となりました。しかしながら、考えてもみますと、中国に厳しいというよりも、従来の対応が甘すぎたとも言えます。 何故ならば、中国の南シナ海での”領土拡張”は、武力による侵略…

常設仲裁裁判所の判決に従わない中華人民共和国に「最後の審判」は下るのか

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。去る7月12日、常設仲裁裁判所にて、フィリピンが中華人民共和国を訴える形で、南シナ海をめぐって中華人民共和国が、その領有権を主張していた「九段線」の違法性、ならびに、諸島…

”癌検診100%受診”とは検診強制受診政策のこと

東京都知事選への出馬を表明した鳥越俊太郎氏は、ようやく選挙公約として、”癌検診100%”を具体的な政策として挙げたそうです。しかしながら、この公約、よく考えてみますと、そら恐ろしい発想なのではないかと思うのです。 鳥越氏は、過去に幾度か癌を患っ…

残念な新人議員の”雑巾がけ”発言

今月10日に実施された参議院議員選挙では、44人の新人が当選したそうです。マスメディアからの取材も多いこともあり、特にタレント議員は注目されがちですが、首を捻らざるを得ない発言も少なくありません。 中でも驚かされたのは、”雑巾がけ”発言です。新…

常設国際仲裁裁判所の中華人民共和国への判決は『聖書』「暴露録(黙示録)」の観点からも興味深い

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。本日未明、常設国際仲裁裁判所にて、フィリピンの提訴の下、国連海洋法条約上の違法性が争われている中華人民共和国による南シナ海での行動についての判決が下されます。 本ブログに…

野党の敗因は思考倒錯

昨日実施された参議院選挙は、国会での改憲勢力が3分の2を占める結果をもたらしました。この選挙結果については、既に様々な角度から分析がなされておりますが、少なくとも、野党陣営の敗因は、憲法第9条に関する思考倒錯にあったのではないかと思うので…

野党の改憲反対は自信のなさの現れ?

本日が投票日となる参議院議員選挙では、野党陣営は、改憲の阻止を積極的に訴えております。しかしながら、もしかしますと、野党には、自信がないのかもしれません。 何に対する自信がないのか、と申しますと、”国民多数が憲法改正に反対している”という自ら…

迫り来る南シナ海の危機に野党は如何に対応するのか?

明日の参議院選挙では、野党はこぞって安保法の整備を争点とし、”戦争法反対”を訴えることで、有権者の心を掴もうとしたようです。しかしながら、この訴えは、有権者の心に響くのでしょうか。 南シナ海では、今月12日に予定されている常設国際裁判所での裁定…

英国のEU離脱問題が問う移民問題の人類史的脅威

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。英国のEU離脱問題と関連して、7月1日付、並びに、7月5日付本ブログにて、移民の流入問題は、『聖書』「暴露(黙示録)」を想起させるような深刻な問題であることを指摘させていただ…

参院選の立候補者は政治資金規正法改正を訴えるべき

本日の産經新聞の社説欄に、政治資金規正法についても「身を正す姿勢が見えない」とする記事が掲載されておりました。舛添前東京都知事の辞任が、全国レベルでの関心を集めたのも、政治資金規正法が”ザル法”であることが判明したからに他なりません。 政治家…

民主的選挙とは国民が人事の採用担当になること

今日の民主的選挙では、国民は、政権や政策など、政治に関する様々な事柄を選挙で決定しなければなりません。現代選挙の多面性も然ることながら、基本的には政治家選びであることを考えますと、民主的選挙とは、まずもって、国民が人事の採用担当になること…

英国のEU離脱問題が問う移民の流入は経済縮小か拡大か

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。前回7月1日付の本ブログにおきまして、『聖書』「暴露録」に登場し、人類を動物化させようとする「赤いドラゴンthe red dragon」の計画は、英国のEUからの離脱によって狂ってきてい…

正戦論-中国の暴力への対抗

日本国では、憲法第9条を背景に、戦争を無条件に絶対悪とする主張が声高に叫ばれてきましたが、国際法の歴史を振り返りますと、”正しい戦争とは何か”という正戦論は重要なテーマとして議論されてきました。今日、中国が、一方的に侵略戦争を仕掛ける構えを…

中国共産党と日本左翼の真逆の自己中心主義

今月1日に、北京で開催された中国共産党創設95周辺の祝賀大会において、習主席は、自国の利益のためには、如何なる譲歩もしない覚悟を示しました。この発言は、無法国家宣言であると同時に、侵略をも肯定する暴力主義宣言でもあります。 共産主義思想におけ…

中国の無法国家宣言-平和憲法の空文化

昨日、北京で開催された中国共産党創設95周年の祝賀大会で、習近平国家主席は、「我々は正統な権益を決して放棄しない」と述べ、改めて今月12日に予定されている仲裁裁判の決定に従わない意向を内外に示しました。この発言は、”中国無法国家宣言”と言って…