時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

常設仲裁裁判所の判決に従わない中華人民共和国に「最後の審判」は下るのか

 今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。去る7月12日、常設仲裁裁判所にて、フィリピンが中華人民共和国を訴える形で、南シナ海をめぐって中華人民共和国が、その領有権を主張していた「九段線」の違法性、ならびに、諸島・岩礁をめぐる国際法上の地位をめぐる判決が下されました。
 
前回の本ブログ(7月12日付)にて、中華人民共和国側は、明らかに、国際法に違反し、また、暴力主義を唱えており、善悪の判断といたしまして‘悪’であることから、「最後の審判の日」をめぐって、「仮に、中華人民共和国に有利な判決が下れば、人間による裁判機能が働いていないことになり、神様による審判が必要とされる「最後の審判の日」は近いことになります。仮に、中華人民共和国に不利な判決が下れば、人間による裁判機能は、まだ働いていることになり、「最後の審判の日」は、先のこととなるでしょう」と述べました。
 
「九段線」は、その形状から、「赤い舌the red tongue」と称されており、まさに、「赤い竜(the reddragon)」が、南シナ海を呑み込もうとしている状況を表現していることとなって興味深いのですが、はたして、裁判の結果は、中華人民共和国の主張する「九段線」を認めず、岩礁の定義の明確化によって、中華人民共和国南シナ海の領海化を認めない、という中華人民共和国に不利な判決となりました。

このことから、「最後の審判の日」は先のこととなり、‘悪’を裁くという人間による裁判機能が、まだ正常に働いていることとなり、よろこばしい限りなのですが、もう一つ、心配なことがあるといたしますと、それは、中華人民共和国が、判決を無視するという事態の発生です。
 
神様による「最後の審判」が必要とされる事態は、裁判所が、善悪の判断能力を備えていない「野獣型人類beast-human」に占拠、支配されてしまい、‘悪’を裁くことによって、法と正義による公平な社会を維持することが、人間によってはなし得なくなるケースの他に、「野獣型人類beast-human」が判決に従わない、という事態も、神様による「最後の審判」が必要とされるケースである、と言うことができます。
 
中華人民共和国側は、現在、常設仲裁裁判所の判決に従わない意向を示しており、油断を許さない状況にあります。このまま、常設仲裁裁判所の判決に従わない、ということになりますと、中華人民共和国に「最後の審判」が下る可能性は、各段に高まることになります。
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(続く)