時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

国家と国民―自己との闘いという課題

政治が悪いのは誰の責任か、という問いに対して、”政府や政治家が悪い”という意見もあれば、”政治家を選ぶ国民が悪い”、という意見もあります。政治が混迷を深めるほど、醜い責任の擦り付け合いが始まるものです。しかしながら、本当は、両者がともに、自己…

”多民族共生社会”の行く末

グローバル化の掛け声とともに、”多民族共生社会”のスローガンが、政府の中からも聞かれるようになりました。しかしながら、多様な民族集団を外国から受け入れることには、何らの問題もないのでしょうか? 移民政策には、一つの素朴な疑問があります。それは…

「○○万人○○計画」は社会主義的

近年に至り、政界では、しきりに「○○万人○○計画」と呼ばれる政策が掲げるようになりました。例えば、「50万人留学生計画」や「1000万人移民計画」などです。ところが、よくよく考えてみますと、これらの政策は、社会主義や共産主義国で見られた政策に…

海自派遣反対者は戦争と治安維持の区別を

ソマリア沖への海上自衛隊の派遣については、憲法第9条を盾にした反対論も根強いようです。しかしながら、海賊退治という行為は、国権の発動としての戦争ではなく、治安維持行為であり、むしろ、日本国が、国際的な責任の一端を担う行為と考えられるのです。…

自衛隊は国際法上の軍隊か

すべての国家には自国を自衛する権利があり、これは、国際法においても認められている揺るぎなき原則です。自衛権が承認されているということは、当然に、この自衛権を発動する主体となる軍隊が存在せねばならず、自衛権⇒軍隊という構図は、憲法第9条におけ…

政府見解と政府解釈が国家に混乱を巻き起こす

近年、政府見解や政府解釈なるものが問題となる出来事が多く見られるようになりました。例えば、田母神氏の更迭は、「村山談話」や「河野談話」に述べられた政府見解が問題となりましたし、つい先日も、政教分離の問題をめぐり、内閣法制局の答弁が撤回され…

宗教団体が支持する政党は合憲なのか?

特定の宗教団体が国家権力を用いて布教活動をすることを違憲とした内閣法制局の答弁が、昨日、閣議決定で撤回されたと報じられています。加えて、この答弁では、”宗教団体が支援する政党に属する者が国政を担当しても、団体が政治権力を行使することにならな…

公民で学ぶべきは裁判員制度ではなく法学では?

先日、文部省が公表した高校の新学習指導要領案には、英語授業の英語化の他にも、様々な議論すべき問題点があります。その一つとして挙げられるのは、公民において裁判員制度を教えるというものです。 そもそも、裁判員制度については国民世論からの強い反発…

英語による英語授業の無謀

文部省が発表した学習指導要領では、高校の英語の授業では、コミュニケーション能力の向上を重視し、英語による授業の実施を目標として掲げていると言います。しかしながら、この方法は無謀なのではないでしょうか。 このことは、反対の立場になって考えてみ…

”日本開国論”のはき違え

最近、新聞の紙面等で、”日本開国論”なる主張を目にするようになりました。それは、江戸時代に鎖国体制を敷いていた日本国が開国したことにより、明治時代に急激な躍進を見たように、現代にあってもまた、閉鎖的な状況を打破して世界に開かれた日本国をつく…

”定額給付金”の心理的わだかまり

定額給付金は、国民からも専門家からも、痛く評判のよろしくない政策のようです。エコノミストは、経済効果に懐疑的ですし、国民の多くもまた、この政策に心理的なわだかまりを感じています。それでは、この”心理的なわだかまり”は、どこから来るのでしょう…

国民ではなく創価学会を選んだ自民党

先日、自民党の選挙対策委員長の古賀氏が、公明党との連立解消を示唆したことが、大いに話題となりました。ところが、この発言は手の裏を返すように取り消され、古賀氏は、公明党を礼賛する歯の浮くような言葉を連ねて謝罪したと言います。はたして、この一…

東宮職と外務省との分離を

宮内庁と東宮職との対立が表面化したことにより、東宮職が外務省の出身者によって固められていることが、問題の一端として明らかとなってきました。このことが、皇室を揺さぶっているとしますと、先ずは、東宮職と外務省との分離をはかるべきなのではないで…

国会に”総体革命問題調査会”の設置を

公明党が、創価学会を支持母体とする政党であることは、組織を利用した選挙運動によっても明らかであり、調査を行えば、その証明は難しいことではありません。教団による政治介入に加えて、国民が心配していることは、この教団が、”総体革命”と呼ばれる”国家…

自民党の創価依存は亡国への道

創価学会の会員以外の日本国民は、誰もが、この教団に対して懐疑のまなざしを向けております。政教分離問題のみならず、総体革命という一種の”クーデタ計画”を公然と掲げ、実際に、皇室、立法、行政、司法、マスコミ、教育、ビジネスといった各分野に学会員…

自民党の岐路―国民に賭けるのか、創価に賭けるのか

自民党の古賀誠選挙対策委員長が、公明党との選挙協力の見直しに言及したことが、インターネットなどで話題となっているようです。 公明党支持者からは、創価学会の組織票である800万票を失う気なのか、といった批判の声も上がっているようですが、自民党…

各国の財政出動は協調か、狂気か?

次期アメリカ大統領のオバマ氏が、90兆円に上る財政出動計画を公表したことが話題となったアメリカのみならず、日本国でも23兆円、中国でも4兆元の景気対策が発表され、欧州でもEUが加盟各国に対して積極的な財政出動を促しています。果たして、”バスに…

外国人参政権―民主党は憲法を超えるのか

民主党は、結党以来、党是として外国人への地方参政権付与を掲げております。しかしながら、この法案を認めますと、ナチスと同様に、政党が、憲法を超える前例をつくることになるのではないでしょうか。 国籍法の改正に際しては、各政党とも、越権問題があり…

与野党でジョブ・バンク構想の検討を

本月5日に、民主党の管氏は、地方自治体が、雇用対策として直接に失業状態にある人々を雇い入れるという「ジョブ・バンク構想」を打ち上げたと言います。諸外国に先例があるそうですが、お仕事の内容は、介護や環境といった自治体の一般的な行政サービスと…

皇室が国民とともに歩むために

昨日の会見で、羽毛田宮内庁長官は、天皇陛下が体調を損なわれたのは、皇位継承など問題を憂いてのことであったと述べておりました。最近の皇室をめぐる状況を見ておりますと、皇室内の不協和音は、東宮家に端を発しているように思えるのです。何故ならば、…

日教組問題解決への第一歩か

報道によりますと、反日教組議連の顧問に、日教組批判発言で国交相を辞任された中山成彬氏が就任すると言います。ようやく、日教組問題解決に向けての第一歩が踏み出されたようですが、考えても見ますと、戦後、60年もの間、日教組問題に対して何らの対策…

賃上げよりも雇用の確保を

先日の報道によりますと、連合などの労働組合は、雇用の確保よりも賃金引上げを今後の運動の方針に据えると言います。その一方で、解雇の告知を受ける派遣などの労働者の人々は、雇用の継続を求めて街頭をデモ行進する姿も見られます。労働組合の幹部と一般…

民主党の”民主度”を測る外国人参政権

国民多数の反対を押し切って、本月5日に国籍法改正案が国会で成立しましたが、同じく国民の反対の声が強い法案に、外国人に地方参政権を付与をする法案があります。反対意見が多数を占める中で、民主党は、この法案をどのように扱うのでしょうか。 国民多数…

”イマジン”-もし、結果が逆になったら?

今日は、ビートルズのメンバーであったジョン・レノン氏が銃弾に倒れた命日ということで、日経新聞の春秋にも、氏が作曲した”イマジン”が取り上げられていました。この曲のテーマは、国境なき世界のパラダイスであり、平和運動の象徴としても歌われている言…

少数派が支配する日本国の民主主義

民主主義国家では、通常、決定の原則として、多数決制が採用されています。ところが、現状を見ますと、どうやら、日本国では、少数派の意見が政治を左右しているようなのです。 国籍法改正案については、どの世論調査を見ましても、80%から90%という高…

国会は国政調査権で国籍法の悪用を防ぐ義務がある

認知ビジネスや人身売買といった組織犯罪が蔓延ることが心配されながらも、国会は、国民からの反対意見を押し切る形で、国籍法改正法案を成立させました。法務委員会における公明党の沢委員長の態度をはじめとして、国会の非民主的な対応に、失望した国民は…

国籍法改正案の可決は国会の汚点

数え切れないほどの危険性が指摘されていながら、国籍法改正案は、参議院の本会議において可決されたと言います。もしかしますと、日本国という国家の存亡にかかわる法改正でありながら・・・。本法案の可決は、日本国の民主主義に、そうして、日本国の国会…

国籍法改正案―在外邦人が国政を左右?

真偽のほどはわかりませんが、国籍法法案が可決されますと、1000万人以上の中国人の無国籍児が認知され、将来的には日本国の国政に参加するという噂があります。創価学会が準備しているとのお話ですが、中国と当学会がトップ会談の場を設けたり、日頃の…

国籍法改正案採択の危機

報道によりますと、欠陥法案として危険性が指摘されている国籍法改正案が、本月5日の参議院本会議で成立する見込みとなったと言います。犯罪防止のための十分な手段が整えられたわけでもなく、また、国民の多くが不安が解消されたわけでもない状況で、本当…

重国籍は”分身の術”?

国籍法改正案については、既に多くの問題点が指摘されていますが、その付帯決議に記されたという重国籍の検討にも、大きな問題が潜んでいると思うのです。それは、一人の人間が複数の人間に化ける”分身の術”の問題です。 もし、一人の人が、複数の国の国籍を…