時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

社会保障

永住外国人への生活保護支給は見直しを

昨日、最高裁判所において、永住資格を持つ外国人は、生活保護の対象とは認められない、とする判決が下されました。 本来、国民に対する第一義的な責任は、その属する国にありますので、社会保障や社会福祉に関しては、自国から給付やサービスを受けるべきは…

民主党の最低年金制度案が年金を不安定化する

民主党は、政権交代時のマニフェストに最低年金制度案を掲載し、現在でも、この主張を取り下げようとはしていませんが、この提案こそ、実は、今日、年金制度を揺るがしている思うのです。 仮に、将来的に、年金を納めなくても、国民年金に相当する最低年金が…

政府は外国人生活保護者に関する要請を

昨今、生活保護世帯数が140万世帯を越えたと報じられておりますが、2008年の時点では、108万世帯ほどでしたので、異常なほどの急激な増加傾向を見せています。外国人の生活保護者が増えているそうなのですが、日本国政府は、本国に対して帰国を促…

”生活保護の勧め”は小さな暴君を生む?

最近、生活保護を受けるためのハウツーものの書籍が売れているそうです。受給申請を無理やりに通すための”技”の伝授らしいのですが、生活保護からの脱却を指南する本が売れるならばいざしらず、財政破綻が懸念される中でのこの現象には問題があります。 ”生…

行き先不明な民主党の年金改革案

公的年金制度の改革については、様々な方面から試案が提示されており、民主党もまたマニフェストに独自の最低補償年金案を記載するようです。しかしながら、国民が、政党選択の判断基準とするには、あまりに説明不足であると思うのです。 民間の保険契約でさ…

悪質な生活保護ビジネスにストップを

昨晩、NHKで報道されたクローズアップ現代によりますと、最近、生活保護を利用した悪質なビジネスが蔓延しているようなのです。昨晩の放送では、高齢者を対象とした介護施設が取り上げられておりましたが、以前には、若年や壮年の生活保護者の問題も扱ってお…

”かんぽの宿”―払下げの歴史は繰り返す

全国の"かんぽの宿"70施設が一括してオリックス不動産に売却される件について、鳩山総務相は、この決定について疑問を呈し、反対しておられるようです。この問題、実は、古くて新しい”払下げ問題”であると思うのです。 政府が、何らかの事業を国営や公営と…

与野党でジョブ・バンク構想の検討を

本月5日に、民主党の管氏は、地方自治体が、雇用対策として直接に失業状態にある人々を雇い入れるという「ジョブ・バンク構想」を打ち上げたと言います。諸外国に先例があるそうですが、お仕事の内容は、介護や環境といった自治体の一般的な行政サービスと…

基礎年金は全額税方式しか選べない?

自民党総裁選挙の最有力候補である麻生氏が、公的年金制度については、消費税を財源とした全額税方式を主張していることはよく知られています。一方、民主党の代表に選出された小沢氏もまた、この問題については、基本政策として全額税方式を唱えているので…

医療費抑制に低コスト型の技術・システム開発を

年々増え続ける社会保障費の原因として、しばしば指摘されているのが、医療技術や機器の高度化による治療費の増加です。そこで、この医療費を抑制する方法として、低コスト型の技術やシステムの開発を促進してはどうでしょうか。 医療技術が発達しますと、そ…

年金制度の可能性

全額税方式も検討すべき提案なのですが、他にも、様々な工夫や改革が考えられます。路線を一つに絞り込む前に、まずは、アイディアを集めることが大事なように思うのです。 年金制度とは、勤労者が退職後の老後になって、生活費に困らないために設けられてい…

基礎年金の全額税方式の問題点

基礎年金の全額税方式については、民主党や経団連をはじめとして、自民党の麻生氏も消費税率10%を前提に賛成を表明したと言います。それでは、この全額税方式には、何らの問題や心配事もないのでしょうか。 予測される問題点として、第一に、財源が、安定…

地方の医師不足はピンポイント政策で

財政が危機的な状況にある中で、社会保障費の圧縮が強く求められていますが、地方の医師不足が主たる理由となって、診療報酬に関しては、例外的に「本体」が0.38%の引き上げとなるようです。もしも、本当に地方の医師不足が問題であるならば、ピンポイ…

万能細胞の研究は社会保障政策も救う

先日、京都大学とウィスコンシン大学の研究グループが、世界で初めて万能細胞「iPS」の作成に成功したという驚くべきニュースが世界を駆け巡ることになりました。この成功は、日本国のみならず、人類への朗報として世界各国に伝えられたのです。 ところで、…

社会主義路線をひた走る民主党

これまで矢継ぎ早に社会保障拡充政策を打ち出してきた民主党は、ついに、育児手当の一律月2万6千円の給付という大胆な案を提示するに至りました。こうした社会主義路線は、政策の表面だけを見ますと国民に”やさしい政策”のように見受けられますが、実際に…

年金の管理運営は民営化できる?

本日の日経新聞朝刊に、”国民年金と厚生年金の積立金を運営している年金積立金運営機構(GPIF)が、社債投資から国債投資へと運営方針を切り替える”、という記事がありました。理由は、社債市場を歪めるということのようですが、積立年金の運用は、果たして…

年金制度案に潜む哲学論争

公的年金の制度設計は、社会保障に関する哲学の相違によって大きく違ってきます。その最大の対立軸は、セーフティーネットvs.ナショナル・ミニマムです。 セーフティーネットの考え方は、経済力に欠けて自活できない人に限定して、公的な救いの手を差し伸べ…

民主党年金改革案は年金制度廃止案?

年金制度には、およそ3つの起源があると言われています。その一つは、(1)兵士や船員といった危険性の高い職業に就いている人々に対して、政府や会社が、万が一に備えた生活保障を行うというものです。19世紀に至りますと、(2)ビスマルクが、最初に一…

正直者に冷たい民主党の年金制度改革案?

民主党は、かねてより年金制度の改革案としまして、基礎年金部分を全額国庫負担とする案を主張してきました。しかしながら、この案の実施プロセスについては、党の公約や政策案には何ら詳細が説明されておらず、このままでは、国民は、この案の賛否を決める…