時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

行き先不明な民主党の年金改革案

 公的年金制度の改革については、様々な方面から試案が提示されており、民主党もまたマニフェストに独自の最低補償年金案を記載するようです。しかしながら、国民が、政党選択の判断基準とするには、あまりに説明不足であると思うのです。

 民間の保険契約でさえ、保険会社の側は、年金保険の加入を勧誘するに際して、丁寧にその内容やリスクを説明する義務を負っています。一生に関わることですし、契約内容に不明な点がありますと、消費者は、安心して加入することはできないからです。国のレベルでも同じことであり、年金改革案を国民に提示するに際しては、詳細を詰めた上で説明しませんと、判断ができません。民主党案は、骨子としては、全額税方式による月7万円の年金支給を決めているようですが、同様の案でも指摘されているように、制度移行の過渡期にあっては、これまでの積み立て分の扱いや支給資格など、難しい問題が山積しています。

 民主党は、制度設計は2010年末までに終えるとしていますが、具体的な改革案が固まっていないならば、むしろ、今回の選挙のマニフェストに記載するのは見送った方がよいのではないかと思うのです。

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