時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

実効支配優位は戦争への道

現在、国際情勢は、実効支配、つまり、力で占領した方が有利となる方向に動こうとしているように見受けられます。ロシアによるグルジア侵攻のみならず、韓国では、竹島の領有権主張に加えて、対馬の領有さえ主張していると言います。この過激な行動の背景に…

そら恐ろしい姫井議員の行動

姫井議員は、民主党からの離党と新党への参加を表明した日の翌日、あっさりと前言を翻してしましました。果たして、この行動は、政治家として妥当なのでしょうか。 自分自身の行動が、他者に影響を与える場合には、人は、それなりに慎重になるものです。先般…

納得できないロシアの言い分

本日、ロシアのプーチン首相は、グルジア紛争は、マケイン共和党候補を大統領選挙に勝たせるためのアメリカの陰謀である、とする説を唱えたとの報道がありました。しかしながら、この紛争の経緯を考えますと、やはり、ロシアの言い分には、納得できない部分…

ロシアに”どんでん返し”はあるのか

ロシアの南オセチアとアブハシアの独立承認は、かねてからの筋書き通りであったのかもしれません。そうして、次の一手は、ロシア連邦への加盟なのではないか、と疑うのですが、果たして、事態は、ロシアの思惑どおりに進むのでしょうか。 もし、最後の”どん…

タリバンは無慈悲

昨日伝えられたアフガニスタンにおける邦人拉致事件は、無事解放との報から一転し、まことに悲しい結果となってしまいました(まだ、NGOの方が確認した段階ですので、一縷の望みはあります・・・)。犠牲となられた方は、NGOに所属し、現地で農業の技…

地球温暖化は本当なのか

関東地方に住んでいますと、毎日、涼しいを通り越して、寒いと感じるぐらいの天候が続いています。今年は例年になく、8月下旬という早い時期に秋の訪れをむかえ、夏は既に遠くへ過ぎ去ってしまったかのようです。もちろん、この天候は、関東地方、あるいは…

大型補正予算は増税への道

本日の新聞の世論調査にも、半数以上の人々が、大型の補正予算を支持していると言います(本日付産経新聞朝刊)。しかしながら、これが、増税とイコールであるとしますと、どれ程の人が、この政策を支持するのでしょうか。 政府の財源は、政府の”おさいふ”、…

人を思いやる心が欠けている中国

北京オリンピックの開会式では、大々的に儒教が持ち上げられ、また、中国マスコミでは、四川大地震での救済を取り上げて、如何に、為政者たちに徳があるかを喧伝しているようです。しかしながら、開会式の口パク事件や年齢改竄事件に見られる中国政府の態度…

北京オリンピック後の中国を待つ茨の道

オリンピック開会式での誤魔化しのみならず、体操女子では、ついに、選手の年齢疑惑に対する調査が始まると言います。次々と発覚する中国の国家ぐるみの偽装・偽造事件は、北京オリンピック後の中国に、重く苦しい課題を残しそうです。 この重く苦しい課題と…

北京オリンピックは煙幕なのか

ダライ・ラマ14世の発言によりますと、中国政府は、今月の18日に、再度チベットにおいて弾圧行為を行い、チベット人の死者は140名ほどに上ったそうです。一般常識から考えますと、少なくとも”平和の祭典”と称される北京オリンピックの間だけは、中国政府も自…

裁判員制度反対は理解不足から?

昨日、裁判員制度について、弁護士会の方が、国民の反対理由を、制度に対する理解が足りないからである、と分析されていました。しかしながら、この分析は、当たっているのでしょうか。 人間とは、物事を、理解すればするほどに、それを支持するようになると…

本当に恐ろしいのは国債の利払い?

世論調査によりますと、国民の過半数が、景気対策を目的とした大型の財政出動を望んでいると言います。選挙が近づくにつれ、”ばらまき”政策への回帰が心配されるところですが、本当に恐ろしいのは、むしろ、国債の利払い問題なのではないか、とも思うのです。…

靖国神社―御霊は何処へ

靖国神社については、神道の流れにおいて異質であり、それ故に、当神社に御霊を祀るべきではない、という意見があることを、最近になって知りました。しかしながら、御霊の鎮まるところにあって、祭祀を行うべきことを考えますと、むやみに慰霊の行う所を変…

靖国神社と国家の責任

靖国神社については、国家の戦争責任の立場から非難されることが少なくありません。日本国の侵略行為の責任を問うというスタンスに立った近隣諸国からの非難に加えて、国内の責任論にも、国民を戦地に駆り立てるための舞台装置としての靖国神社の役割を糾弾…

A級戦犯と日本の精神文化

もし、A級戦犯の靖国神社への合祀が、日本の精神文化に根ざしたものであったとしたら、中国や韓国には、この文化の放棄を迫る権利はあるのでしょうか。 日本国の歴史を振り返ってみますと、たとえ、朝廷に弓引いた逆賊であっても、死してはその魂を神社に手…

無宗教の追悼施設も宗教施設では

無宗教の戦没者追悼施設の建設を求めている人々は、靖国神社への参拝が、政教分離の原則を定めた憲法第20条に違反することを根拠としているようです。しかしながら、戦没者を悼むという行為自体が、御霊の存在を前提としているため、如何なる施設を作ろう…

戦没者の方々を悼んで

8月15日は、不思議なことに、終戦の詔勅のあった63年前のあの日のように、毎年、晴れた暑い一日となります。 圧倒的な劣勢の中で、戦地で死力を尽くされて戦われた方々や、望郷の思いを抱きながら亡くなられた方々を思いますと、まことに心が痛みます。…

長期的な信用を考えない中国

北京オリンピックの開会式では、CGによる映像を使っていたり、革命歌を歌った少女が”口ばく”であったりしたため、”見かけ”重視の演出が批判されることとなりました。この事件で明らかとなったことは、中国政府、あるいは、開会式を演出した人は、一時の誤魔…

もし北朝鮮がゼロ回答であったら

日本国政府は、北朝鮮が拉致被害者の再調査に着手した時点で制裁の一部解除を行うという、極めて甘い妥協を北朝鮮に対して行ったようです。それでは、もし、秋頃と言われる調査結果の報告の結果、ゼロ回答であった場合、どのような結果が待っているのでしょ…

アメリカ大統領のオリンピック観戦の意図とは?

南オセチアにおいて、ロシア軍によるグルジア占領が深刻さを増している中、アメリカのブッシュ大統領は、北京オリンピックで観戦を続けているとの報道がありました。最初は、何とものんきなもの!と、呆れたのですが、もしかしますと、この観戦には、別の意…

教育から始まる財政削減?

かつて、小泉政権の時代、高田藩の”米百俵”の逸話が広く知られるようになり、財政が苦しくとも、将来を担う青少年の教育への支出を惜しまない、長期的な視点に立った藩の決断が称賛されたものです。財政状況の悪化から、どの政策分野の予算を減らすべきかと…

南オセチア侵攻と国連の限界

日本国では国連信仰が強く、あらゆる国際紛争は、国連によって解決されると信じる人々が多く存在しています。憲法第9条もまた、国連への依存が背景にあります。しかしながら、ロシア軍による南オセチア侵攻を見る限り、やはり、国連は、いざという時には機…

北京オリンピック開催の逆効果

チベット弾圧や軍拡を続ける中国が、”平和の祭典”としてのオリンピック開催国に相応しくないことは明らかなことです。しかしながら、昨日の開会式のように、あからさまに中国という国の体質を映し出す映像が全世界に向けて放映されたとしますと、これもまた…

福田政権の情報隠蔽体質

福田内閣は、事あるごとに”国民の目線”や”国民の安心”を連呼しています。しかしながら、昨今の様子を拝見しいますと、どうやら、言行が一致しておらず、それが、福田政権に対する国民の信頼を著しく低下させている原因ではないか、と思うのです。 例えば、毒…

たばこ税の論理で公序良俗を守る

たばこ税の論理とは、喫煙は、自己の健康を損ねるのみならず、他の人にも健康被害を及すものであり、いわば、加害的な商品である、ということにあるようです。ただし、たばこ税の増税を決める前に論じておかなくてはならないことは、他者や社会に対して悪影…

原爆投下の罪滅ぼしの道

昭和20年8月6日と9日、広島と長崎に投下された原子爆弾は、軍属の方々のみならず、多くの民間の方々の命を一瞬のうちに失わせることとなりました。この原爆投下の歴史的な評価については、日米の間には、埋めがたき隔たりがあり、しばしば反米感情が高…

福田総理は靖国神社に参拝できるはず

中国によるチベットや東トルキスタンに対する侵略が人々に広く知られるようになった今、日本国は、中国による首相の靖国神社公式参拝への抗議に対して、もはや、それを受け入れる必要はないのではないか、と思うのです。 中国は自らを、満州事変から日中戦争…

「30万人留学生計画」で日本の大学はウィンブルドン化?

保守党であるはずの自民党は、「30万人留学生計画」や「1000万人移民計画」など、およそ保守党とは思えない改造主義的な政策を次々と打ち出しています。本日は、「30万人留学生計画」が実行に移された場合の、大学の将来像を予測してみたいと思いま…

”安心”よりも苦難に立ち向かう姿勢を

福田政権の基本的なスタンスは、”五つの安心プラン”に見られますように、”安心”にあるようです。しかしながら、内外の情勢に鑑みれば、現在、国民が必要としているのは、迫りくる苦難に対して、国民とともに立ち向かい、果敢に乗り越えようと鼓舞する政治家…

多民族共生社会は無理な計画

新聞報道によりますと、文部科学省の調査の結果、外国人の児童生徒数が年率13%の勢いで増加し、日本語指導が足りていない状況が判明したと言います。この状況に対応するために、同省は、日本語教育の充実を急ぐそうですが、そもそも、多民族共生社会には…