時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

財政

豊洲移転・オリンピック予算の膨張問題-都民の”騙された感”

就任早々、小池百合子知事は、懸案であった豊洲移転問題に積極的に取り組まれておられるようです。この問題で都民や国民を唖然とさせているのは、事業やイベント決定後における急激なる予算の自動的膨張現象です。 豊洲移転の件もオリンピックの件も、その根…

増税延期2年半は税制の見直し期間に

安倍首相は、予定されていた消費税率10%への引き上げ時期を2年半延期する方針なそうです。一先ずは、”延期”ということですが、この2年半は、税制の抜本的な見直し期間とすべきではないかと思うのです。 その理由は、『パナマ文書』にあります。第1に、過…

『パナマ文書』-ソフトバンクへの風当たりが強い理由

昨日公表された『パナマ文書』には、案の定、日本国の企業や個人名も多数記載されておりました。タックスヘイブンの利用は必ずしも違法ではないものの、企業の租税回避行動が対策を講じるべき課題であることは明らかです。 リストに名前の挙がった企業も、マ…

新国立競技場-デザイン性よりも機能性を重視しては

オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなりますと全世界から注目を浴びるわけですから、開催国は、自ずとデザイン性を重視してしまうものです。コンペティションが開かれる理由も、まさにデザイン性の追求にあります。 しかしながら、考えても見…

”景気条項”の代わりに”逆景気条項”を付けては?

遂に解散総選挙が決定され、消費増税は1年半延期するものの、今般の判断の根拠となった景気条項は削除されることとなりました。金融危機に際しては、立法措置を以って再延期もあり得るそうですが、景気条項の削除は、10%への増税が凡そ確定することを意味…

外国人の生活保護-国籍国の責任では

ネット上には、外国人に対する差別であると主張して、外国人の生活保護受給を擁護する意見を見受けます。しかしながら、生活困窮者の保護責任は、国籍国にあるのではないでしょうか。 確かに、国際人権規約では、”締約国は、全ての人の社会保障を受ける権利……

生活保護でのパチンコ禁止は当然

生活保護のうち、生活扶助部分が切り下げられることについて、生活保護受給者や福祉関係者の間から反対の声が上がっているようです。弱者切り捨てであると…。しかしながら、反対する人々は、生活保護費にパチンコ等のギャンブルで遊ぶ余裕があることを、どの…

財政出動肯定論は国民の味方?

景気低迷期には、財政出動で、景気浮上のための刺激策を実施すべき、という意見をよく耳にします。もちろん、経済効果、つまり、投資以上のリターンがが期待できるのであれば、先行投資としての意義があるのですが、民主党政権のように、単なる”ばらまき政策…

消費増税―シミュレーションなき政治決定

昨日、消費税増税法案が衆議院で可決されました、消費税が経済に与える影響を考慮しますと、純粋な経済現象としての客観的な増税予測があってもよかったのではないかとも思うのです。 政界では、増税に対する支持派対反対派の対立構図が、すっかり、主流派対…

日本も財政のスリム化を―ギリシャの良識に学ぶ

本日、昨日実施されたギリシャの議会選挙の結果が判明しました。ギリシャ国民は、ユーロ残留と緊縮反対という両立困難な政策を訴えて急速に支持を拡大した急進左派連合ではなく、緊縮賛成派を選択したようです。 当初は、緊縮策への感情的な反発から、緊縮反…

消費増税は税収増加を約束しない

以前にも本ブログで書いたことなのですが、消費増税は、必ずしも税収増加を約束しないのではないでしょうか。昨日の民・自・公の3党合意により、増税法案の成立は、既定路線化したかのようですが、この点を、政治家の方々は、どのように考えているのでしょ…

増え続ける生活保護―産業政策の失敗では

近年、生活保護受給者の増加傾向に歯止めがかからず、毎月、受給者数は最高値を更新しているそうです。東日本大震災の被災者が加わることから、さらに増加することが予測されていますが、これは、産業政策の失敗も原因していると思うのです。 社会・共産主義…

財政悪化を招く日中韓の国債持ち合い

財政問題が、ヨーロッパを揺るがしている矢先、アジアでは、日中韓が、国債の持ち合いを進めるそうです。経済関係の協力強化を目的として掲げていますが、財政のモラルハザードを引き起こす可能性もあるのではないかと思うのです。 政府は、国債を発行するた…

自民党は歳出削減案を

報道によりますと、自民党は、民主党の増税法案の対案として、段階的な消費税率の引き上げではなく、一度に10%とする案を提出するそうです。 消費が冷え込めば、元の木阿弥になりますので、増税の効果のほどには疑問がありますが、せめて自民党は、歳出削減…

消費増税―財政と経済の二律背反

ギリシャに端を発する財政危機は、巨額の財政赤字を抱える日本国にも影響を与えています。野田政権の増税案とは、国際社会から、危惧されている日本国の財政の信任を得ることを目的としているようです。 これ以上に日本国の財政が悪化しますと、日本国債の暴…

小沢氏の増税反対論は無責任

野田政権は、増税法案の可決に向けて、邁進しているようです。方や、小沢氏は、増税路線に対して反対を表明しているのですが、この態度、無責任なのではないかと思うのです。 そもそも、増税論の根拠は、一向に止まらない財政悪化にあります。民主党は、政権…

命名権売却は”植民地”への道?

泉佐野市の命名権売買問題は、法の盲点を突いた事件とも言えます。何故ならば、あまりに当たり前のことについては、法文化されていないことが、多々あるからです。 地方自治法でも、地方自治体の名称に関する規定はあっても、命名権の売却についての言及があ…

外国人生活保護問題―”永遠の賠償”か?

自民党の片山さつき議員によりますと、生活保護費の3.3兆円の内、外国人に支払われている額は1200億円であり、その3分の2の受給者が在日韓国・朝鮮人とのことです。計算しますと、およそ900億円が費やされていることになります。 韓国政府は、事あるご…

日本のギリシャ化は地方から?

本日の新聞記事によりますと、神奈川県の債務残高は、3.5兆円と過去最高を記録するそうです。予算規模も、1.7兆円と歴代2位であり、財政の悪化は止まりそうにありません。 現在までのところ、財政問題への関心は、主に国債に集中していますが、地方もまた、…

日本企業赤字ラッシュ―財政危機への道

パナソニックの7000億円の赤字決算は、驚きをもって報じられていますが、日本企業の業績を見てみますと、赤字ラッシュの状態のようです。その意味するところを考えますと、恐ろしくもなります。 企業の赤字決算が続出しますと、法人税を納める企業が減り、当…

増税でも赤字―歳出削減が急務では

内閣府の試算によりますと、消費税を10%に上げても、日本の財政は、9~16兆円の赤字となるそうです。しかも、この試算、経済成長率を1~2%として計算しているようですが、ゼロ成長ともなりますと、さらに赤字幅が拡大してゆくことになります。 実際に…

民主党マニフェスト総崩れの教訓

政府の作成した来年度予算案は、民主党マニフェストの総崩れと評されているようです。この顛末は、今後の選挙に貴重な教訓を残したと思うのです。 その教訓とは、たとえ、マニフェストに掲載されていたとしても、財源の裏付けがなければ、それを実現すること…

民主党政権の財政再建は増税頼み

本日、政府は、来年度の予算案を発表したそうですが、実質的には、過去最高の予算規模とのことです。東日本大震災の復興費は別としても、この様子ですと、民主党政権の財政再建案は、将来の増税頼みのようです。 財政については、仙谷由人政調会長代行が、消…

頭脳流出―事業仕分けの裏

本日の新聞に、ゲノム解析の一人者である中村祐輔東大医科学研究所教授が、内閣官房医療イノベーション推進室長を退任し、アメリカの大学に移籍するとの記事が掲載されていました。 詳しい事情につきましては報じられていないのですが、医療分野のみならず、…

はやぶさ2の危機―民主党政権の”いじめ”か

幾多の苦難を乗り越えて地球に帰還したはやぶさの偉業は、多くの国民に自信と希望を与えるものでした。ところが、はやぶさ2のプロジェクトは、財政削減の前に風前の灯となっているというのです。 その最大の理由は、予算のカットなのですが、文科省は、震災…

子ども手当と科学技術どちらが大事?

1000兆円もの財政赤字を抱えた日本国が危機的状況にあることは、政府も国民もよく分かっているはずです。ところが、野田首相は、増税を公言する一方で、今度は、第4次補正予算案の指示を出したというのです。 増税する傍から”ばらまき”をしたのでは、財政再…

仕分け会議の意義とは―公開か隠蔽か

民主党政権から始まった仕分け会議。昨日、NHKのアナウンサーが、仕分け会議の結論は、必ずしも予算に反映されるとは限らないものの、財政削減の対象を国民に明らかにしたことにおいて意義があった、という旨の説明をしていました。しかしながら、その反対で…

国会版仕分け―スパコンが標的となる不思議

民主党政権の下で行われた仕分け作業では、連舫氏の発言が物議を醸しましたが、国会版の仕分けでも、何故か、スパコンが対象に選ばれ、縮減の意見が多数を占めたというのです。 そもそも、仕分け作業については、対象の絞り込みに段階において既に振り分けが…

野田内閣―第4次補正予算の不安

昨日、野田政権では、第4次補正予算案の提出を検討しているとするニュースが流されていました。この補正予算案、将来的な見通しの下で作成されているとは思えないのです。 第4次補正予算案の内容としては、被災地における二重ローン問題の解決、TPPへの参…

除染に40兆円―過去の核実験と半減期の考慮を

政府の試算によりますと、福島第一原発の事故によって汚染された土壌などの除染に、今後、40兆円の費用が必要とのことです。その一方で、中国が大気圏中での核実験を行っていた時期の方が、現在よりもはるかに放射能の測定値が高かったとも報じられています。…