時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

命名権売却は”植民地”への道?

 泉佐野市の命名権売買問題は、法の盲点を突いた事件とも言えます。何故ならば、あまりに当たり前のことについては、法文化されていないことが、多々あるからです。

 地方自治法でも、地方自治体の名称に関する規定はあっても、命名権の売却についての言及がありません。泉佐野市の市長は、この”ない”ということに着目して、売却”できる”と解釈したのでしょう。しかしながら、この解釈が許されれば、あらゆる権限が、売却の対象とすることができることになります。歴史的には、革命以前のフランスでは、国王が、財源を確保するために官職を売りに出していましたので、そのうち、公職もオークションにかけると言い出すかもしれません(この売官制度が、フランス革命の遠因ともなった…)。

 泉佐野市の市長のアイディアは、強固な堤をも壊す蟻の穴となるかもしれません。市長は、”内外の企業から応募を募る”と発言していますので、様々な権限が売却されることで、いつの間にか、日本国は、外国企業の”植民地”と化してしまうかもしれないのですから。

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