時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

政府もまたバブリーなのでは?

いわゆる”新自由主義”と称される”レッセ・フェール”、つまり、ルールなき市場主義はいただけませんが、その一方で、政府が大規模な財政出動をすれば、必ず景気は回復するという主張にも、怪しさがあります。何故ならば、そこには、金融バブルに踊った人々と…

不法在留のフィリピン人一家が提起する問題

不法滞在で日本国からの退去を求められているフィリピン人一家の行方は、日本国においても多くの国民の関心を集めているようです。法務省は、中学生のお子さんを一人残すのか、それとも、一家全員で帰国するかの選択を迫る方針とのことですが、このケースに…

北朝鮮系商社が日本国の信頼を低下させる

ニュースによりますと、神奈川県警は、26日、大量破壊兵器に転用可能な磁気測定装置をビルマへ不正輸出しようとした疑いがあるとして、外為法違反容疑で北朝鮮系の貿易商社「東興貿易」など数か所の捜索を始めた、と報じられています。(読売新聞)この事件…

経済モデルの過信は禁物

何故、いわゆるケインズ主義に基づく財政拡大策は失敗したのか。もし、経済モデルが100%絶対に正しいとするならば、どのような酷い不況に陥ろうとも、どの国も、労せずして景気を回復させることができるはずです。しかしながら、実際には、そう簡単には…

日本国はアメリカとIMFのどちらに貸すべきであったのか

中川前財務大臣は、保守派の政治家としても知られており、日頃より日本国の国益を守ることを基本に据えて行動されてこられた政治家でした。ところが、今回の辞任事件を切欠として、中川前財務大臣が、アメリカからの救済依頼を断って、IMFへの1000億ドル(約…

マスコミのレベル・アップが政治を救う?

日本国の政治の現状を見てみますと、目下の不況も手伝って様々な問題が山積しております。それにもかかわらず、マスコミが報じる政治報道は、権力争いか、スキャンダル、あるいは汚職といった内容がほとんどです。この状況から思いますに、日本国の政治を救…

中国がアジア単一通貨圏に消極的な理由

近年、将来におけるアジア単一通貨圏の形成が、議論されてきました。昨日発表された「チェンマイ・イニシアチヴ」の外貨融通枠の拡大もその一環なのでしょうが、この構想には、いささか無理があるように思えるのです。 数ある理由のうち、最大の根拠は中国の…

日本国は何処に行く

金融危機が発生して以来、立て続けに日本国政府は、IMFへの融資拡大や「チェンマイ・イニシアチブ」の融通枠拡大を打ち出してきています。ところで、財政に関する十分な公開がないままに政策が決定されますと、国民は、行く先不明の列車に乗せられることにな…

無期懲役判決が後押しする裁判員制度?

昨日、前代未聞の残酷な犯罪として報道された”ばらばら殺人事件”の判決が、東京地裁において言い渡されました。求刑は死刑でしたが、大方の予想に反して無期懲役というものでした。 被告自身も死刑を望んでおり、伝えられる行為には目を覆うばかりの残虐さが…

北方領土・南樺太相互承認の提案

昨日、麻生首相が樺太を訪問されました。麻生首相は、かつて、三島返還論を唱えたとの報道もあり、この路線が交渉のたたき台となりますと、第二次世界大戦におけるソ連邦の”侵略”を認めることになりかねず、心配されるところです。 ところで、現在の国際法上…

中川財務相の辞任―閣僚辞任の基準とは?

昨日、G7財務相・中央銀行総裁会議の記者会見における失態を理由に、中川財務相が辞任されました。中山前国交相を始めとして、閣僚の辞任が相次ぐことになりましたが、一連の閣僚辞任劇の共通点は、マスコミの批難報道が先行するということです。 この現実…

中川財務相の辞任は行き過ぎ?

G7財務相・中央銀行総裁会議における記者会見において、醜態を晒したことを理由として、中川大臣は、辞表を提出されたと伝えられています。ブログ記事もこの話題一色ですが、ふと、冷静になって考えてみますと、閣僚の辞任理由としては、考えもののように…

内需拡大とODAの不思議

本日、日経新聞の社説「アジア経済再生への日本の役割は重い」を読んでおりましたところ、いささか疑問な点がありました。それは、日本国の内需拡大策として、ODAによる貢献を薦めていることです。 それでは具体的に、どのような点が疑問であるかと申します…

クリントン国務長官は北朝鮮のシナリオを狂わすのか?

つい数週間前までは、北朝鮮は、オバマ政権の誕生に大いなる期待を抱いていたはずです。何故ならば、大統領の選挙戦にあって、オバマ候補は、北朝鮮との直接対話の実現に前向きな姿勢を示していたのですから。 北朝鮮が予定していたシナリオは、六カ国協議を…

偽装認知事件―国籍法改正の事後報告を

昨年の国籍法改正案により、偽装認知に対する罰則規定が設けられ、一先ずは、認知の申請に対するチェックが厳格化されました。昨日、中国人夫婦による偽装認知が発覚し、容疑者が逮捕されたとの報道がありましたが、実際に、偽装認知の摘発は強化されている…

政府紙幣は巨大な利権か?

自民党の議連も、25兆円規模の政府紙幣の発行案について、提唱者である高橋教授から意見聴取を行ったと伝えられております。しかしながら、もし、中央銀行のように民間の金融機関を通すのではなく、政府が直接に政策予算としてこれを使うとなりますと、強…

建国記念日に反対する不思議

今年の建国記念日にも、恒例の如く、祝賀行事が催されるとともに、反対集会も開かれたと報じられています。ところで、建国記念日に反対する方々とは、いったい、建国のどこに反対しているのでしょうか。 反対集会での演説の内容が、ソマリア沖への自衛隊派遣…

時を超えて伝わる日本国建国の理念

すべての国には建国に至る歴史があり、また、建国神話が語り伝えられているものです。えてしてそれらは、武力で国を打ち立てた英雄や、強大な権力を握った征服王として描かれることが少なくなく、国の創始者の偉大さが強調されています。それでは、日本国の…

”検定”という不可解なビジネス

財団法人・日本漢字能力検定協会が文部省の立ち入り調査を受けたことで、これまで、何の疑問も抱いてこなかった検定という制度には、おかしな部分があることに多くの国民が気付くようになりました。最近、様々な分野で”検定ブーム”が起きていますが、ここで…

名誉棄損罪は人権擁護法に変身する?

ブログ炎上について、ここ数日記事を書いてきましたが、最後に、名誉棄損罪が、人権擁護法に姿を変える可能性について考えてみようと思います。 世論調査によりますと、ブログ炎上事件で18人が摘発された事件では、47%の人々が評価すると回答したようで…

名誉棄損罪の判決はダブル・スタンダード?

最近、インターネットなどをめぐり、名誉棄損罪が注目を集めるようになりました。ところで、この名誉棄損罪については、裁判所の示す判断がダブル・スタンダードのように思えるのです。 例えば、南京虐殺事件や従軍慰安婦問題については、中国や韓国などの周…

ブログ書き込みで名誉棄損なら基準を

昨日に続き、ブログ炎上により18人の人々が名誉棄損罪で摘発された事件について、書いてみようと思います。今日のテーマは、ブログ書き込みによる名誉棄損罪の基準です。 名誉棄損罪とは、判決も迷走しているように、極めて判断が難しい罪の一つです。まし…

ブログ中傷摘発事件の不思議

犯罪を疑われた芸能人の方の訴えにより、ブログに書き込みを行った18人の人々が、書類送検されると言います。しかしながら、この事件には腑に落ちないところがあるのです。 それは、最初に噂を流布したのは誰なのか、ということです。書類送検をされた人々…

宗教は自己浄化力を持つべきでは

宗教ほど道を外れると害をなすものはないかもしれません。カルトや邪教の発生は、古今東西どこの国にも見られる現象であり、社会秩序を破壊するのみならず、時には、道徳を否定し、悪を容認しさえします。それでは、何故、宗教は堕落するのでしょうか。 その…

悪質な生活保護ビジネスにストップを

昨晩、NHKで報道されたクローズアップ現代によりますと、最近、生活保護を利用した悪質なビジネスが蔓延しているようなのです。昨晩の放送では、高齢者を対象とした介護施設が取り上げられておりましたが、以前には、若年や壮年の生活保護者の問題も扱ってお…

不正選挙を防止する方法を

本月1日に行われた北九州市の市議会選挙において、偽の投票用紙が多数発見されたそうです。市の選管によりますと、不正を働いた人物は、自らの選挙区では、偽の投票用紙を用いて投票を済ませ、別の選挙区に赴いて残していた本物の用紙で投票を行った、とそ…

地球温暖化説は現代の天動説?

本日の新聞報道によりますと、地球の気候は、IPCCの予測に反して寒冷化に向かっているそうです(本日付日経新聞朝刊)。 昨年開かれた国連のCOP4でも、地球温暖化の原因は二酸化炭素の排出増加で間違いなし、と結論付けたはずです。いわば、国連お墨付きの…

謎が深まるばかりの大分県教員不正採用事件

昨日、NHKの夜7時のニュースを見ておりましたところ、大分県で起きた教員の不正採用事件について、成績が改竄されたとして採用を取り消された方が、これを不服として裁判に訴えるという事件を報道していました。もし、この提訴が事実ならば、大分県の事件の…