時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

経済

英離脱確定-市場混乱の原因の一つは”賭け”では?

23日にイギリスで実施された国民投票では、国民がEUからの離脱を選ぶという結果に終わりました。当初の予測とは逆の結果となったわけですが、離脱の報を受けて、市場は大混乱に見舞われています。 市場混乱の要因として、国民投票の不透明性や英銀行のポジ…

心配なSHARPと東芝-中国を信頼して大丈夫?

経営悪化から去就が注目されておりましたSHARPと東芝は、二転三転の末、中国系企業を売却先に選択しました。SHARPを買収した鴻海は、台湾企業とはいえ、中国との結びつきが強く、両者とも、産業の高度化とブランド獲得を目指す中国の”国策買収”に取り込まれ…

シャープが合意したとは思えない鴻海案

昨日、電撃的に、シャープが台湾の鴻海から巨額の支援融資を受け、鴻海傘下に入るとのニュースが報じられました。しかしながら、時間が経過するにつれて、雲行きが怪しくなっております。 鴻海の郭会長は、”優先交渉権”をシャープ側から取得したと述べていま…

派遣業者の発想は”奴隷商人”と同じ?

お正月の三が日を静かに過ごしている間に、ネット上では、人材派遣会社のパソナグループの取締役会長でもある竹中氏の発言が話題となっておりました。本年最初の記事は、新自由主義者が唱える派遣業の問題から論じてゆきたいと思います。 竹中氏の発言を要約…

日本郵政グループの大株主は中国の政府系ファンドに?

郵政民営化は、いよいよ日本郵政グループ三社の株式市場への上場の段階を迎えております。50%程度の株式が売却される予定ですが、全く不安がないわけではありません。 中韓の企業を観察しておりますと、その行動パターンは、どこか、東インド会社を彷彿とさ…

カジノ解禁よりパチンコ禁止の方が経済効果は高いのでは?

経済政策では、兎角に、何か新しい産業が登場すれば、その分、経済が拡大すると考えがちです。カジノ解禁も、これまで禁止されていた賭博が大手を振ってビジネス化されるのですから、無から有への移行が富を生むと説明されています。 しかしながら、少しばか…

東京ガスと韓国ガス公社提携への疑問

本日、東京ガスと韓国ガス公社が、LNGの相互融通や共同調達について提携を結んだとのニュースが報じられました。交渉力を強化することで価格の引き下げを狙うそうですが、この提携には、疑問を抱かざるを得ません。 ガス供給設備を要するガス事業は独占事業…

カジノ法はパチンコの失敗に学び成立断念を

カジノ法は、今国会では採決を見送るものの、年内にも成立の見通しと報じられています。日本国の経済戦略策の一環なそうですが、カジノでは、経済は成長しないのではないでしょうか。 カジノによる経済効果は、数兆円とも試算されていますが、カジノという博…

竹中氏の”規制緩和”は国への”寄生強化”?

小渕政権以来、政府の経済有識者会議に常々名を連ねていた竹中平蔵氏。現在も、日本経済再生本部の「産業競争力会議」、並びに、国家戦略特区の特区諮問会のメンバーに就任しておりますが、人材派遣会社パソナの取締役会長でもあります。 氏の主張の柱は、規…

国家戦略特区は日本企業に対する逆差別では?

昨日、2012年頃に民潭の会合に出席した際に、現東京都知事の舛添氏が、デフレ対策として在日韓国人対して融資の優遇を図るべきと発言している動画を発見いたしました。この発言、リップサービスかもしれませんが、水面下では、国家戦略特区構想と繋がってい…

カジノ解禁は”賭博場開帳”-刑法違反を問うべきでは

現在、国会では、カジノの解禁に向けて議連が結成され、法案の成立を目指して活発に活動しているそうです。具体的な制度作りも進んでいるようですが、カジノが、刑法で禁じられている”賭博場開帳”であることを忘れています。 本日の産経新聞でも、大阪商業大…

アベノミクス反対論者はカンノミクスに戻りたい?

先日、株価が大幅に下落したこともあって、マスコミでは、アベノミクスに対する冷ややかな論調も見られるようです。アベノミクスは、一時的な成功にすぎないとか、円安は日本経済にマイナスとか…。 世論調査によれば、安倍政権と自民党は、若干、支持率を下…

奇妙な通貨安戦争論-元凶は中韓では

政権交代により、民主党政権下において日本経済を苦しめてきた超円高がようやく是正され、円相場は、90円代まで円安方向に動いてきました。本格的な日本経済復活の日が近づいてきたのですが、ドイツ、中国、韓国からは、早くも円安懸念が表明されているそう…

野田首相の経済再生はマッチ・ポンプでは

ここ数年来、日本経済は、6重苦に苛まれていると、再三にわたって指摘されてきました。にも拘らず、民主党政権は、この状態を放置するどころか、日本経済の衰退を後押ししてきました。 こうした負の実績がありますと、今更ながらに経済再生の掛け声を聴いて…

生活保護と外国人研修制度

アメリカの国務省の発表によりますと、日本国で実施されている外国人研修制度は、”人身売買”、あるいは、”強制労働”の一種と見なされるそうです。さすがに言い過ぎの感がありますが、この問題、日本国の雇用問題をも提起していると思うのです。 現在、研修生…

政治家は必ずしも国民の豊かな生活を望まない

日本経済は6重苦にあるとの指摘がありながら、政府が打ち出す政策は、さらに7重苦、8重苦と、追い打ちをかけるようなものばかりです。最近、地方自治体も含めて、政府、あるいは、政治家というものは、豊かな国民生活など、望んでいないのかもしれないと…

橋下市長の”競争重視”とは

大阪維新の会を率いる橋下大阪市長は、国民の”財産没収政策”を打ち上げる一方で、”競争重視”をも強調しています。平等化政策と自由放任政策が組み合わさった奇異な”哲学”の持ち主のようなのですが、そもそも、橋下市長の言う”競争”とは、市場の競争とは異質…

政治家は目前の経済危機こそ救うべき

与党民主党や国民新党をはじめ、日本の政界は、党内対立や分裂騒ぎで混乱状態にあるようです。注目を集めている維新の会にしましても、大阪都構想や労組対策などの取り組みが話題にはなりますが、肝心の日本国の危機については、政策議論を避けているようで…

産業を育てられない橋下大阪市長

帝国データバンクの調査によりますと、大阪市からの企業転出超過は、全国ワースト1位なそうです。その理由として、コスト削減のために近隣に移転する企業が増加しているとのことですが、大阪市は、企業にとっては魅力的な都市ではないようです。 維新の会の…

増え続ける生活保護受給者数―産業を支える政策を

報道によりますと、生活保護の受給者数の増加が止まらず、またもや過去最多を記録したそうです。この問題、産業を支える政策を実施しない限り、解決しないと思うのです。 ようやく超円高が一服はしたものの、電力料金の値上がり、石油価格の高騰、安価な外国…

不安な橋下大阪市長の貯金税案

橋下大阪市長率いる「維新の会」では、定員400名の政治塾の塾員を募ったことろ、1000人を越える応募者が殺到したと報じられています。マスコミも、橋下市長を”期待の星”の如くに持ち上げているのですが、その政策を見ますと、首を傾げるものも少なくあり…

ソフトバンクの本性は独占志向なのでは

昨日、アップル社のアイフォーン5を、KDDIも販売することが報じられたことで、ソフトバンクからKDDIへの顧客の移動が予測されるところとなりました。アイフォーンの独占販売が崩れたことになりますが、ソフトバンクの基本的な経営方針とは、利権の独占にあ…

法人税率上げ―民主党政権の日本企業追い出し作戦か

野田政権の成立によって増税案が浮上することになりましたが、現在検討されている案によりますと、所得税と法人税が増税の対象になると報じられています。現在、産業の空洞化が懸念されている中で法人税率を上げますと、国内での企業活動はさらに困難となる…

真の野田内閣の支持率はこれからでは

世論調査によりますと、野田内閣の支持率は60%にものぼり、V字回復とも表現されています。しかしながら、政権発足直後の世論調査で注意を要する点は、この支持率には、首相交代に対する国民の賛意も含まれていることです。 前任者の菅首相は、国民の大半か…

大卒の2割が就職できない―大量失業の危機

政府は、大卒の2割に当たる約10万人が定職に就けない現状をどのように考えているのでしょうか。毎年、このペースで失業者が増えてゆくとしますと、やがて、大失業時代が到来することになります。 失業者増加の理由には、(1)大卒者の増加、(2)産業の…

政府は被災地の産業復興に全力を

被災地では、仮設住宅の建設が始まっているそうですが、被災された方々は、支援よりも、仕事を求めていると報じられています。安全である東京からの”がんばれ”の声も、家や仕事を失った状況では、正直、虚しく響くそうです。 住まいを用意し、生活物資を配給…

経済危機の回避―謎の円高は底値買いが原因か

本日は、昨日に続き、東京証券取引所では、リーマンショックを越えるとされる株価の下落がありました。その一方で、何故か円高も更新しており、この現象は謎とされています。 日本経済に対する悲観的な観測による”日本売り”であれば、株価も円も同時に下落す…

日本政府も中国の元安政策に圧力を

昨日、中国の胡主席がアメリカを訪問しましたが、米中首脳会談では、人民元の切り上げ問題も協議されるそうです。日本国政府も、より積極的に中国政府に対して、元安是正を求めるべきではないかと思うのです。 日本国政府が、中国に対して元安政策の是正を積…

法人税5%引き下げ効果は企業次第

法人税5%引き下げの効果については、プラス・マイナス両方の予測があるそうです。減税効果は、企業が、この5%分を何に振り向けるかによっても、違ってくると思うのです。 マイナスとなるシナリオは、減税で浮いた資金を、企業が、海外の工場移転などに振…

次世代半導体連合は大丈夫?

本日の日経新聞朝刊の一面に、東芝が、インテルとサムスンと次世代半導体の製造技術に関する連合を結成すると記事が大きく報じられていました。しかも、経産省が支援するとのことなのですが、この連合、どうも腑に落ちないのです。 そもそも、資金規模は10…