時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

奇妙な通貨安戦争論-元凶は中韓では

 政権交代により、民主党政権下において日本経済を苦しめてきた超円高がようやく是正され、円相場は、90円代まで円安方向に動いてきました。本格的な日本経済復活の日が近づいてきたのですが、ドイツ、中国、韓国からは、早くも円安懸念が表明されているそうです。通貨安戦争反対を唱えて…。

 しかしながら、遠の昔から、通貨戦争は、開始されていたのではないでしょうか。中国の元安政策には、天文学的な額の”量的緩和”が伴いましたし、韓国政府もまた、日本国の民主党政権とタッグを組むように、ウォン安介入を実施してきました。この結果、世界市場は、あっという間に中国製品で溢れかえり(遂に、中国は貿易額世界一位に…)、韓国製品もまた、価格競争で日本製品を市場から追い出してきたのです。ドイツは、競合分野が多い日本製品の競争力アップを純粋に警戒しているのでしょうが、ギリシャの財政危機に端を発するECBの量的緩和策によるユーロ安の恩恵を受けてきたのですから、日本ばかりを批判はできないはずです。

 日本国の政策転換は、中韓から仕掛けられてきた通貨安戦争に、ようやく対抗するようになったに過ぎず、通貨安政策の首謀者とされるのでは心外です。中韓両国に対して、不当な為替操作を止めるように圧力をかけませんと、歪な競争と貿易不均衡の問題は、解決しないと思うのです。

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