時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

国際会議の議長国は”ばらまき”の温床?

我が国が議長国となって開かれていた生物多様性条約の締約国会議は、ひとまず議定書が採択されたことで、成功裏に終わったと評価されているようです。しかしながら、途上国の賛成を得るために、政府が、3年間で1600億円もの提供を約束したとなりますと…

前原外相を更迭しては中国の思う壺

昨日の日中首脳会談”ドタキャン”劇について、民主党内では、前原外相の責任を問う声が強まっているそうです。もし、責任論から外相更迭へと進めば、それこそ、中国の思う壺ではないかと思うのです。 尖閣諸島沖の事件発生以来、中国政府は、前原外相を名指し…

次世代半導体連合は大丈夫?

本日の日経新聞朝刊の一面に、東芝が、インテルとサムスンと次世代半導体の製造技術に関する連合を結成すると記事が大きく報じられていました。しかも、経産省が支援するとのことなのですが、この連合、どうも腑に落ちないのです。 そもそも、資金規模は10…

6分間の尖閣ビデオ―自分を追い詰める民主党

政府は、6分間に編集されたビデオを公開することで、事態を収拾したいようです。しかしながら、こうした姑息な手段は、自らを追い詰めることになるのではないでしょうか。 何故ならば、たとえビデオを公開しても、6分間では、政府に対する国民の不信をさら…

対中外交目標―尖閣諸島の領有権主張を取り下げさせること

尖閣諸島沖の事件発生以来、政界やマスコミなどでは、日中間の関係改善にむけて、両国政府がどのような対応をとるのか、という問題に関心を向けてきました。しかしながら、安易な妥協は無意味であり、日本国政府が行うべきは、中国が、尖閣諸島の領有権主張…

千葉景子座長では検察の健全化は無理

民主党政権の人事は、常に国民の常識とは逆です。大阪地検特捜部での捜査資料改竄・隠蔽事件を受けて、「検察のあり方検討会議」が設けられるそうのですが、その座長に、千葉景子氏を据えるというのです。 学生時代に左翼過激派に属し、警察にむかって火炎瓶…

検察への攻撃は全共闘の残滓なのか

本日の日経新聞朝刊の”交友抄”に、元検事の方が、「”革命”時代の論敵」と題する文章を書かれておりました。この文章を読んで、検察が攻撃される理由の一端が分かり、これまでの謎の一部が氷解しました。 元検事の方によりますと、検事志望したことから、全共…

誰が検察の破壊を狙っているのか

小沢氏の不起訴処分にはじまり、尖閣諸島沖の事件での那覇地検の政治判断、郵政不正事件に関するデータ改竄事件、検察審査会による小沢氏の強制起訴…と、今年に入って、検察をめぐる事件が多発しています。一見、関連性がないようにも思われるのですが、これ…

”公判打ち切り申し立て”で郵政不正事件は迷宮入りか

郵政不正事件の全容の解明には、シャーロック・ホームズの如き、名探偵の登場を俟たなければならないのかもしれません。村木元局長の部下で、単独犯行であったことを認めた部下の上村被告側が、公判打ち切りを申し立てたというニュースが報じられたことで、…

イクメン知事―私優先は無責任では

最近、子育てへの父親の参加が奨励され、”イクメン”なる言葉も流行っているようです。マスコミ総出の”イクメン礼賛”からしますと、何やら、背景がありそうな気配も感じられるのですが、さてはて、知事の育児休暇取得は、妥当なのでしょうか。 おそらく、知事…

中国監視船の派遣は”棚上げ論”の圧力か

先日一旦帰港した中国の漁船監視船が、尖閣諸島沖に再び派遣されたと報じられています。この派遣、もしかしますと、日本国政府に”棚上げ論”を呑ませるための圧力なのではないかと思うのです。 近年、1978年の鄧小平発言が独り歩きし、棚上げ論が、既に両国の…

司法の独立を踏みにじる閣議決定

本日の朝刊に、政府が、那覇地検の判断に関して「国際関係への影響についても犯罪後の状況として考慮することができる」とする答弁書を閣議決定したという記事を読み、驚きを禁じ得ません。この答弁、司法の独立を真っ向から否定するものだからです。 明治2…

政治家とマスコミが国民を裏切っている

仙谷官房長官の”属国発言”、この発言もまた、自他共に自らが売国奴であることを認めたようなものです。官房長官自身が、属国化を意味する売国行為を行っていると認識しているのですから、もはや救いようもありません。 本来、自国の官房長官が、外国の利益の…

尖閣沖ビデオの非公開が悪循環を招く

中国では、激しい反日デモが各地で発生し、トヨタなど、日本企業も襲撃を受けたと報じられいます。そもそも、こうした事態は、早期に尖閣沖のビデオを国内外に向けて公開していれば、ある程度、防げたのではないかと思うのです。 何故ならば、中国国民の多く…

どこまで日本国は中国に利用されるのか

昨日、東京都内で大規模な中国に対する抗議デモが行われたにも拘わらず、日本国のマスコミは、産経新聞社を除いて、無視を決め込んでいるようです。 日本国では情報封鎖が続いている一方で、中国国内では、日本国内の反中抗議デモが報じられたそうで、これに…

仙谷官房長官は自国に強面で中国にだけ柳腰

仙谷官房長官の”柳腰発言”、どう考えましても、媚中外交を自他共に認めた発言なのではないかと思うのです。しかも、柳腰なのは、中国に対してだけであり、肝心の自国に対しては態度が豹変し、強面の無頼漢のようなのです。 このことは、仙谷官房長官の言葉使…

議院のビデオ公開請求と菅内閣の政治責任

昨日、衆議院の予算委員会で、那覇地検に対してビデオ公開を求める決議が採択されたそうです。この決議により、ビデオ公開を阻んでいるのは誰かが、はっきりすることになります。 憲法第63条には、議院の国政調査権を定めており、「両議院は、各々国政に関…

日本国が拒み中国が要求するビデオ公開の不可解

衆議院予算委員会では、尖閣諸島沖事件のビデオの公開を那覇地検に求める決議が全会一致で成立したそうです。この要求に対して、政府?は、なおも重い腰を上げないようなのですが、その一方で、中国側は、ビデオの公開を求めているというのです。 関係者から…

B型肝炎訴訟―原告の要求と国民負担

本日の新聞の紙面に、B型肝炎訴訟についての記事が掲載されており、その和解金の額の高さにいささか驚きを禁じ得ませんでした。政府案で2兆円、原告案では8兆円を超えると言うのです。8兆円ともなれば、国家予算の5分の1ともなり、これは、どう考えま…

劉氏の釈放を要求しない情けない民主党政権

最近、テレビの画面に映る仙谷官房長官の姿が、中国共産党の幹部に見えてきました。真っ黒に染めた髪をアップにし、無表情で原稿を読む姿に・・・。 劉暁波氏に対する政治的な弾圧や、ノーベル平和賞受賞で見せた過激な対応は、中国という国が、言論の自由が…

国際社会は対中政策上の重大岐路に立っている

尖閣諸島沖での事件やノーベル平和賞をきっかけとして、国際社会は、現在、対中政策について、重大な岐路に立っています。それは、”新冷戦”の下で中国との関係を断ち、完全に封じ込めるか、あるいは、中国の変化を前提に、これまでどおりの協調路線を歩むの…

劉暁波氏こそ中国の名誉を守っている

劉暁波氏のノーベル平和賞に対する中国政府のヒステリックな反応は、、外国の放送局の画面が真っ黒になったことによく現れています。都合の悪い情報は消してしまえ!が、かの国の基本方針のようです。 尖閣諸島事件以来、国際社会における中国に対する評価は…

外交方針を決めるのが国民であるならばビデオの公開を

菅首相は、昨日の国会の答弁において、外交の方針を決めるのは、主権者である国民と述べたと伝わります。首相が、本心からこのように考えているならば、国民に、尖閣諸島沖の事件の一部始終を撮影したビデオを公開すべきなのではないでしょうか。 何故ならば…

ビデオ非公開―中国を庇う日本国政府の怪

案の定、日本国政府は、当面の?ビデオの非公開を決定したようです。非公開の理由は、日中両国民の対立感情を刺激しないためなそうですので、検察の判断と言いながらも、政治決定であることは明らかです。 この非公開の措置は、どちらに有利かと言えば、それ…

ノーベル賞受賞―科学技術予算の増額を

昨日、二人の日本人の方がノーベル化学賞を受賞したというニュースが飛び込み、我が国の科学技術力の高さをあらためて内外に示すことになりました。はやぶさの帰還でも話題となりましたが、政府は、未来を拓くための予算こそ、優先すべきと思うのです。 民主…

小沢氏は魔女ではなく魔王では

小沢氏に対して起訴相当の議決を行った検察審査会に対して、小沢氏もその支持者も、あたかも冤罪事件のような口ぶりで非難しています。しかしながら、この非難、説得力が薄いと思うのです。 小沢氏自身は、”これは、権力闘争である”と述べて、暗に、仙谷官房…

仙谷官房長官は中国を見誤っている

昨日、仙谷官房長官は、枝野氏の悪しき隣人発言に反論するためか、歴史を持ち出して、中国を擁護したと報じられています。 文化的な優位を強調する一方で、仙谷氏の歴史観は、中国が被害者ということで一貫しています。しかしながら、4000年とも言われる…

小沢氏強制起訴―頼りになるのは国民のみ

ついに東京第5検察審査会では、小沢氏に対する強制起訴が決定されたようです。検察も政治家もあてにはならず、結局、頼りになるのは国民のみ、ということになりそうです。 小沢氏サイドは、フロッピーの改竄事件といった検察の不祥事を、自らの有利な方向に…

良き隣人は暴力を振るわない

枝野氏の”悪しき隣人”発言をフォローしたかったのか、前原外相は、中国は”良き隣人”になるべきと述べたそうです。現状が、”悪しき隣人”状態にある限り、希望的な観測に基づく発言は、悪者を利するだけです。 常々怪訝に思うことは、民主党政権は、悪いことは…

日本国政府は中国に代わって国民を脅している

中国当局によるフジタ社員4名の拘束の一報が入った時から、誰の脳裏にも”人質”という言葉が浮かんだに違いありません。未だ1名が釈放されていない状況にあって、日本国政府は、この事件を、ビデオ公開拒否に利用しているとしますと、それは、”共犯”に当た…