時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

対中外交目標―尖閣諸島の領有権主張を取り下げさせること

 尖閣諸島沖の事件発生以来、政界やマスコミなどでは、日中間の関係改善にむけて、両国政府がどのような対応をとるのか、という問題に関心を向けてきました。しかしながら、安易な妥協は無意味であり、日本国政府が行うべきは、中国が、尖閣諸島の領有権主張を取り下げるよう、あらゆる手段を尽くすことであると思うのです。

 来月に横浜で開催されるAPECの場を借りて、日中両国の首脳が、秘密裏に妥協を図るのではないかとする憶測もあります。最も怖れるべきは、APECの成功と引き換えに、中国の提案する”棚上げ論”や”共同開発案”に日本側が乗ることです。そうなりますと、中国の言い分を認めたことになり、日本側の旗色は著しく悪くなります。中国が尖閣諸島の領有権を主張し始めた時から、日本国政府は、一貫して自国の領有の国際法上の合法性と歴史的な正当性を主張してきたのですから、APECは、日本国の主張を参加国に訴える好機とすべきなのです。

 APECに先だって、尖閣諸島沖の事件を撮影したビデオを公開しておけば、我が国の主張はより説得力を持ちます。日本国政府は、対中外交の最終目標に向けて、努力を惜しんではならないと思うのです。

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