時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本国の尖閣諸島の領有の正当性のアピールを

 本日の新聞に、尖閣諸島に関する中国側の主張を覆す清代の史料が発見されたと報じられました。尖閣沖ビデオと同様に、証拠を持っているだけでは外交効果はゼロですので、日本国政府は、これらの証拠を公表して、自らの正当性を内外に向けて積極的にアピールすべきと思うのです。

 明治時代に、尖閣諸島の領有権を明確にし、沖縄県編入するに際して、明治政府は慎重な調査を行い、清の支配が及んでいたかったことを確認しています。地図を見ればわかるように、尖閣諸島は、中国本土からは相当の距離があり、当時の漁船の技術レベルを考えますと、尖閣諸島の周辺海域が中国の伝統的な漁場のはずはありません。中国の領有権主張の根拠は、あくまでも”尖閣諸島は台湾の付属島嶼”という見解に依拠しており、この見解は、日中関係の外交文書にも文章で残されています。台湾でさえ、中国の領土ではありませんので、ましてや尖閣諸島の領有権を主張する権利が中国にあるのか、怪しいものなのです。

 今回発見された史料では、尖閣諸島は、台湾の付属島嶼ではなかったことを明らかにしたわけですから、中国の根拠は二重の意味で崩れたことになります。日本国政府は、即刻、全面的なビデオの公開と史料の公表に踏み切るべきと思うのです。

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