時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

尖閣諸島を狙う中国には”所有権”の概念がない

 国家の領有権もまた、土地に関する”所有権”の一種として理解することができます。しかしながら、共産主義国家である中国は、”所有権は保障されるべき”、とする一般社会の常識が欠如しているのではないかと思うのです。

 言うまでもなく、中国の共産党政権は、公有のイデオロギーを掲げて私的所有権を否定し、暴力で国民からそれらの権利を奪い取りました。所有権は、暴力で奪えるものとする感覚は、建国の時から染みついているのです。このことは、中国と言う国が、主権平等と相互の領土保全を原則とした現在の国民国家体系とは相いれず、異質な原則に基づいて行動する国であることを意味しています。尖閣諸島に対する武力行使の示唆もまた、所有権制度を打ち壊した暴力主義の延長線上にあるのです。

 しかも、中国は、国内では私的所有を建前として否定しながら、尖閣諸島や周辺領域に関しては、決して鳩山前首相のように”公有”とは言わず、あくまでも”自国の領土”と主張しています。これもまた矛盾した態度なのですが、法秩序なき軍事大国は、いつ牙をむくか分からないことを、日本国政府は、肝に銘じるべきと思うのです。

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