時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

何故、放射線量の影響が分からないのか

21世紀に入り、目覚ましい科学技術の進歩により、人類は、宇宙のあらゆる現象を解明しつつあります。しかしながら、人類がその存在を知ってから半世紀を過ぎているにも拘わらず、放射線量の人体に与える影響については、学者の意見は一致していません。 昨…

ボランティア担当大臣は何も仕事をしていないのでは

本日の新聞記事に、東日本大震災での被災地でのボランティア活動が、現地での受入体制の問題から、制限せざるを得ない状況に至っているとの記事が掲載されていました。 菅内閣では、震災の発生後即座にボランティア担当大臣を新設し、初期段階からボランティ…

小沢氏側への1億円証言―検察審査会のお手柄

昨年、検察審査会が小沢氏を強制起訴とした際には、検察審査会を、”しろうとの集まり”とか、”民主う裁判による冤罪”といった、非難の声が聞かれたものです。しかしながら、水谷建設元社長の証言は、検察審査会の存在意義を高めたのではないかと思うのです。 …

在外邦人に国民審査の投票権を

昨日、在外邦人の最高裁裁判官の国民審査について、東京地裁は、権利の確認を求めた原告に対して、請求を却下したそうです。この判決、当然違憲となるべきと思うのです。 2005年には、在外邦人の選挙権をめぐって、最高裁判所は、違憲の判断を下しています。…

世田谷区長選のちぐはぐな争点

今月24日に行われた世田谷区長選挙では、元社民党の衆議院議員であった保坂展人氏が当選しました。この選挙に当たって、保坂氏は、積極的に”脱原発”を主張したそうなのですが、区長選の争点としては、相応しくないと思うのです。 何故ならば、世田谷区長に…

敗因を的確に把握することができない菅首相の不安

昨日行われた地方統一選挙の結果、先々週に続いて、またもや民主党は大敗を喫したそうです。菅首相は、敗因について、”震災の対応はしっかりやっている”と発言したそうですが、それでは、一体、何が原因で敗北したと考えているのでしょうか。 政治家のみなら…

避難所での栄養不足―調理資格の特別緩和や調理器具の調達を

東北地方の被災地の避難所では、被害が広範囲に及んだことから、周辺地域からの調理された食事の調達が困難な状況にあり、避難されている方々の栄養不足が深刻化しているそうです。この状態が続きますと、栄養失調などによって健康が蝕まれてしまいます。 現…

日独友好関係増進決議の意義とは

昨日、1861年にプロイセンとの間に締結された修好通商条約から150年を記念して、「日独友好関係増進決議」が衆議院で採択されたそうです。自民党の議員の中には、この決議の文章に事実誤認があるとして、退席した方もおられるようですが、この決議、どの…

竹島と対馬―日韓図書協定の採択中止を

韓国政府は、竹島の実効支配を強化するために、周辺海域における海洋調査施設の建設や艦艇の派遣を検討しているそうです。こうした場合、対抗措置を採りませんと、こうした行動を止めることはできないのですが、最も手近な手段としては、日韓図書協定の採択…

民間中国大使も民主党政権の中国化か

民主党政権発足当時、人事の目玉として、在中国大使に伊藤忠商事出身の丹羽氏が任命されたことは、民主党らしい”新しさ”として受け止められました。しかしながら、よく考えてみますと、この人事は、民主党政権の中国化の現れの一端であったと思うのです。 本…

中国人船長釈放・起訴猶予―政府の中国化による混乱

一昨日、那覇検察審査会は、中国人船長に対する起訴猶予処分に対して、「起訴相当」の議決を下しました。そもそも、この事件、政府が、迂闊にも、中国の土壌に足を踏み入れてしまったことに原因があると思うのです。 我が国は、民主的な権力分立の制度の下で…

那覇検察審査会―国民の良識こそ我が国の砦

昨日、那覇検察審査会において、尖閣諸島沖の衝突事件に際して那覇地検が判断した起訴猶予処分に対し、那覇検察審査会は、「起訴相当」の議決を出したと報じられております。「強制起訴」に至るには、まだステップがありますが、検察審査会の「起訴相当」は…

政府は被災地の産業復興に全力を

被災地では、仮設住宅の建設が始まっているそうですが、被災された方々は、支援よりも、仕事を求めていると報じられています。安全である東京からの”がんばれ”の声も、家や仕事を失った状況では、正直、虚しく響くそうです。 住まいを用意し、生活物資を配給…

韓国のモラルを問う―混乱に乗じた侵害のパターン

東日本大震災により、甚大な被害を受けた我が国に対して、世界各国から暖かい支援が寄せられております。反日感情の強い韓国でも義援金活動が行われたそうですが、ここにきて、韓国政府が、竹島に海洋基地を造る方針を示したため、両国間には険悪な空気が流…

行きすぎた原発反対論―電気なき生活の行く先は

先日、大規模な原発反対のデモが、全国各地で行われたそうです。中には、代替エネルギーへの転換の主張を越えて、電気なき生活を奨励する人々も見受けられるようです。 それでは、電気のない生活とは、どのようなものなのでしょうか。電力不足に対応するため…

復興構想会議―復興プランより先の増税案の驚愕

有識者会議の設置という方法の問題は別としても、誰もが、復興構想会議の役割は、復興プランの策定であると考えたはずです。しかしながら、蓋を開けてみますと、まっさきに飛び出したのが、増税案であったのです。 復興構想会議で、復興に必要な費用を見積も…

竹島―韓国は自国領でないことを認識していた

我が国の領土である竹島に対して、韓国は、教科書掲載を理由として、実効支配を強める気配を見せています。竹島について、韓国側は、”歴史的にも、法的にも、韓国領であることは疑いない”、として、日本側の要求をはねつけてきました。 しかしながら、竹島が…

韓国は竹島で戦争を仕掛けるのか

韓国の李大統領の側近が、教科書に竹島が日本国の固有の領土であると記載されたことに抗議して、竹島への韓国軍駐留を検討すると述べたと報じられています。韓国は、軍事行動の重大な意味を理解しているのでしょうか。 侵略に関する定義は未だに定まってはい…

福島原発レベル7-政府は放射性物質回収策を

福島第1原発の事故は、ついに、チェルノブイリと同じレベル7と認定されたそうです。このレベル認定、放射性物質の外部への拡散量によって決まるそうなのですが、日本国政府、および東電は、国内外からの信頼を回復するために、放射性物質吸収策の策定を急…

民主党は選挙結果をどのように自己分析するのか

昨日実施された統一地方選挙では、有権者の多くが、民主党の候補者への投票を避けたようです。素直に見れば、この結果は、民主党政権に対する国民の不満と不信の現れとして理解できるのですが、当の民主党からは、選挙の敗因についての自己分析は聞こえてき…

復興の優先順位付には根拠を

本日、菅首相は、大津波に襲われた石巻市を視察し、”石巻漁港の整備を最優先に”と発言したことが、波紋を広げているようです。もちろん、石巻市の復興は重要な課題なのですが、優先順位を付けるには、国民や被災地に対して充分な根拠を示す必要があると思う…

統治能力なき民主党政権を支えたのは韓国では

昨日、韓国の李大統領が、自らの統治能力を問われた際に、”統治能力がないのは日本である”と返答したことが、我が国でも、マスコミ等を通じて報じられました。しかしながら、統治能力なき民主党政権を支えたのは、当の韓国ではなかったかと思うのです。 政権…

ロシアにはチェルノブイリの回避と説明を

福島第1原発の事故の対策として、日本国政府の承認の下で、先日、東電は、低濃度の放射能汚染水を海洋に放出しました。この措置については、ロシア政府から、放出を停止するように要請を受けているようです。 ロシアは、チェルノブイリ事故の当事国なのです…

被災地住民の声が届く開かれた復興構想会議を

昨日、政府は、復興構想会議の議長として、防衛大学校校長の五百旗頭氏を任命する意向を固めたそうです。五百旗頭氏の他にも、被災地の県知事や有識者の方々が、この会議のメンバーに選任されるようですが、この方式では、被災地の住民の声が届かないのでは…

自粛問題―服喪期間の目安を設けては

東日本大震災の発生により、被災地では、多くの方々が亡くなられました。国民もまた、亡き人々を悼み、祭事や歓楽を慎んでおります。その一方で、過度の自粛は、経済の停滞のみならず、復興をも遅らせるとする指摘もあります。 この問題について、本日の日経…

政府は韓国の動きに注意を

本日の新聞によりますと、韓国は、我が国が大災害による混乱にあることに乗じてか、竹島に近接した科学調査施設を建設する方針を示すとともに、昨日の福島第一原発での低濃度汚染水の放出についても、国際法違反ではないかと、クレームをつけてきたそうです。…

国民の自己解決能力も問われている

東日本大震災における政府の対応に対して、国民の多くが不満と不甲斐なさを感じています。しかしながら、政府に頼ってばかりいては、経済も国民生活も先行きが怪しくなりますので、ここは、国民自身もまた、自己解決能力を発揮すべきなのかもしれません。 福…

政府の政策は安全対策ではなく安心対策

東日本大震災の発生以来、政府の安全対策の基本に、”安全対策をしないことが安心を与える”という本末転倒の方針があるように思えるのです。本日の新聞記事にも、作業員の方々の心理的な負担を考慮して、造血幹細胞の採取を原子力安全委員会が見送ったとする…

大震災による客足の減少―サービス業は癒しをテーマにしては

東日本大震災の経済への影響は、製造業のみならず、スポーツ、レジャー、観光といったサービス業にも及んでいるそうです。特に、外国人観光客が途絶えてしまった観光地では、閑古鳥が鳴いており、倒産の懸念さえあります。 国民の多くが、被災された方々に思…

被災地の事業再開に積極的な金融支援を

連日、被災地の様子がテレビの画面を通して報じられていますが、多くの方々が、工場、事務所、漁船、養殖施設、店舗、運送トラック…といった生計の基盤の一切を失い、事業再開のめどが立たず、途方に暮れているようです。各方面からの義援金や支援金だけでは…