時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

在外邦人に国民審査の投票権を

 昨日、在外邦人の最高裁裁判官の国民審査について、東京地裁は、権利の確認を求めた原告に対して、請求を却下したそうです。この判決、当然違憲となるべきと思うのです。

 2005年には、在外邦人の選挙権をめぐって、最高裁判所は、違憲の判断を下しています。憲法第15条1項には、「公務員を選定し、および、これを罷免することは、国民固有の権利である」と記されていますので、選挙権が、選定する権利であるとすると、国民審査権は、罷免する権利として理解することができます。両者とも、憲法で定められている国民固有の権利なのですから、在外邦人に対しては、選挙権だけを認め、審査権を認めないとする判断は、整合性を欠いているのです。

 おそらく、控訴されることになるのでしょうが、地裁の裁判官が、何故、このような判断を示したのか、不思議でなりません。技術的な問題も、在外邦人の選挙制度で既に解決しているのですから。

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