時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

国会前デモの参加者は誰?-怪しい一般国民説

昨日、国会前でデモが催されましたが、参加人数も、120万人、12万人、3万人、数千人・・・諸説があり、昨日の出来事でありながら、70年前の”南京大虐殺”や”慰安婦問題”のように、正確な数字さえ分からない状況です。この数字の不確かさこそ、国会前デモの背…

泥沼のエンブレム問題

ネット投票の結果のようですが、2020年の五輪エンブレムの変更を求める声は、95%にも上っているそうです。こうした中、組織委員会側が白紙撤回拒否の姿勢を貫く一方で、ベルギー・デザイナー側も、スイスでの提訴を検討していると報道じられています。先日…

「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:‘自己意識’は脳機能とどのようなかかわりがあるのか

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。2015年6月9日附けの本ブログの記事にて、「人類の人類たる所以は脳の進化」というサブタイトルにて、すべての生物のなかで、脳の進化において、最も進んでいる、すなわち、最も知…

エンブレム原案公表-黒のパーツの謎

2020年の東京オリンピックのエンブレム問題は、原案が修正された事実が明るみに出たことから、佐野氏のデザインの原案も公表されることとなりました。原案から二度の修正を経て最終案へと至っておりますが、佐野氏の最初の説明とは食い違いもあり、疑惑はむ…

オリンピックの商業主義とボランティアの落差

東京都のボランティアの制服はデザインが不評であり、撤回を要求する声も高まる一方です。にも拘わらず、今のところ、撤回の動きは鈍いように思えます。 オリンピックがスポーツ興行と化し、商業主義に染まってしまったことは、常々、批判の的となってきまし…

五輪エンブレム審査員の擁護は逆効果では?

疑惑のエンブレムとして既に国民の間で知れわたってしまった佐野氏のデザイン。盗作嫌疑を払拭しようとしてか、審査員代表の永井一正・日本グラフィックデザイナー協会特別顧問が、当デザインが正式にエンブレムとして決定された経緯について新聞社のインタ…

朝鮮半島茶番劇のシナリオはあるのか?

朝鮮半島の南北対立は見せかけであり、実際には、両国によって演じられている茶番劇であるとする指摘があります。今回も、一触即発の事態と騒がれながら、結局は、双方ともが折れる形で緊張は緩和されました。 実際にシナリオがあったのかどうかは、知る由も…

五輪デザイン問題-”密室”が問題なのでは?

2020年の東京オリンピック・パラリンピックは、デザイン問題が噴出した大会として記憶されそうです。新国立競技場、案内ボランティアの制服、エンブレム…と、何れもデザインに関連する問題ばかりが持ち上がっているからです。 新国立競技場はコスト高、案内…

新国立競技場-デザイン性よりも機能性を重視しては

オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなりますと全世界から注目を浴びるわけですから、開催国は、自ずとデザイン性を重視してしまうものです。コンペティションが開かれる理由も、まさにデザイン性の追求にあります。 しかしながら、考えても見…

高槻中一殺人事件-犯人の属性と”ネトウヨ”批判

極めて惨たらしい姿で発見されることになった寝屋川市の二人の中学一年生。将来のある中学一年生を手にかけた犯人の非道さに、多くの国民が憤りを感じているはずです。犠牲になられたお二人の方には、心よりご冥福をお祈り申し上げます。 この事件につきまし…

武藤議員とLINE-情報管理意識の低さ

昨日の記事では、武藤議員の離党問題を、中国ファクターから読み解いて見ました。この事件でもう一つ問題点を挙げるとしますと、日本国の政治家の情報管理に対する意識の低さです。 ”情報を制する者は、世界を制す”とも称されますように、古来、情報網の掌握…

中国ファクターから読み説く武藤議員の離党

安保反対を旗印に活動する学生組織SEALDsに対して、利己的との批判を展開した武藤貴也議員が、自らの資金トラブルの責任をとって自民党を離党したと報じられております。SEALDsを支持してきた人々は、武藤議員に議員辞職を求めておりますが、本日の記事では…

不快感を与えてしまう五輪エンブレム

良いエンブレムとは、見る人に不快感を与えないものです。現在、パクリ疑惑で問題となっております2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムは、この点におきましても、問題があると思うのです。 本日、外出をしておりましたところ、企業の宣伝ポ…

五輪大会組織委員会は日本国の名誉を守るべき

オリンピック・パラリンピックは、開催地こそ地方自治体ですが、それでも、財政面をはじめ様々な形で国の支援を受けて開催されますので、国を挙げての行事といっても過言ではありません。国民も納税を通して費用を負担しておりますので、決して部外者ではな…

憲法改正の議論では第1条と第9条を切り離すべき

昨日の日経新聞社の社説を読んでおりましたところ、ある一文に思わず視線が吸い寄せられてしまいました。その一文とは、日本国憲法制定時にあって、第1条と第9条がセットになっていた、というものです。 戦争末期、日本国のポツダム宣言の受託に際して、連…

五輪エンブレム盗作問題-全てのデザイナーにチャンスを

先日、2020年に予定されている東京オリンピック・パラリンピックに際して使用されるエンブレムが決定されたところ、ベルギーの劇場で使用されているデザインの盗作ではないか、とする問題が持ち上がっております。この盗作問題、デザイナーの世界を蝕んでき…

特攻隊員とSEALDs

毎年、終戦の日がめぐってまいりますと、国民の多くは先の戦争に思いを馳せます。今年は、特に安保法案が審議されているため、共産党などの左翼勢力は、先の大戦を反対運動に絡めようと積極的に動いているようです。 ところで、SEALDsに参加している人々は、…

検証なき戦争証言は怪しい

終戦の日となる8月15日が近付きますと、毎年、マスメディアでは、戦争番組が特集されます。ところが、今年は、安保法案の影響か、殊更に戦争の悲惨さを強調する演出が増えているようにも思えます。 広島の原爆投下のあった8月6日には、NHKは、原爆投下…

検証できない世論調査は民主主義の脅威

マスメディア等の世論調査の結果によりますと、国民の大多数が安保法案や原発再稼働に反対する一方で、戦後70年談話には、”侵略”、”植民地支配”、”謝罪”を含めることに賛成しているそうです。ところが、誰でも投票できるより開かれたネット投票では逆の結果…

戦後70年談話がもたらす国内的な波紋

今月14日にも閣議決定される予定の戦後70年談話。中国や韓国に配慮した内容を期待する向きもありますが、日本国民に及ぼす影響についても考慮すべきではないかと思うのです。 仮に、中韓の要求通りに”侵略”、”植民地支配”そして”謝罪”を談話に明記するといた…

女性誌の政治化は危険な兆候

最近、これまで政治関連の記事を掲載することがなかった女性誌の多くが、安保関連の特集を組むようになったと報じられております。”読者の要望に応えて”とのことのようですが、この説明、文字通りに受け取ることはできないように思えるのです。 女性を含め、…

「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:「神様志向型人類」と「野獣型人類」の自己・他者診断法

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。「神様志向型人類god (goddess)-minded human」と「野獣型人類 beast human」を見分けるための自己診断、もしくは、他者の言動からその他者がいずれであるのかを判断する方法につきまし…

戦争に大義が二つあってはならないのか?

先日公表されました70年談話報告書では、戦時にあって日本国が掲げた植民地解放の大義は、頭から否定されてしまいました。しかしながら、たとえ最後の局面で勝敗が軍事力によって決せられたとしても、敵味方となって戦う両者の大義が、時にして並び立つこと…

70年談話-”侵略”を書かない理由

戦後70年談話をめぐっては、あくまでも中国や韓国は、”侵略”や”植民地支配”の文言に拘っているそうです。しかしながら、法、道徳・倫理、統治機能の間には、実のところ、しばしば不整合の問題が発生します。 第二次世界大戦においても、中国や韓国などは、国…

”侵略”明記-日本国民への謝罪を要するのでは?

本日の一面は、どの新聞社も、戦後70年談話に関する「21世紀構想懇談会」の報告書が飾ったようです。それほど、国民の関心は高いのですが、満州事変以来を”侵略”と明記されたことは、日本国民にとりましても、他人ごとではありません。日本軍の一員として闘…

「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:「神様志向型人類」と「野獣型人類」の定義

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。「神様志向型人類god (goddess)-minded human」と「野獣型人類 beast human」につきまして、混乱と誤解なきよう定義をはっきりとさせていただきますと、以下のように大別することができ…

生存権を軽視しているのはSEALDsでは?

本日の日経新聞一面の「春秋」に、SEALDs批判で一躍その名が知られることになった武藤議員のツィートについて、いささか気になる記事が掲載されておりました。 武藤議員が、どのような文脈でツィートしたのかは定かではなく、その表現も、確かに誤解を招きや…

疑わしい華人労務者と韓国人慰安婦の数字

戦時中に過酷な労働を強いられたとして三菱マテリアルに対して賠償金の支払いを訴えていた中国人元労働者。中国側が和解案を受け入れたとの報道もありますが、この問題と韓国人慰安婦問題、どちらも数字が疑わしいのです。 華人労務者については、外務省の報…

集団的自衛権違憲論への反論まとめ-解釈は法の目的に従って

本ブログでは、これまで、4回にわたって集団的自衛権違憲論に対する反論を試みてきました。本日は、シリーズのまとめとして、法解釈の原点に返って、昨年の政府による憲法解釈の変更を擁護したいと思います。 法の解釈には、拡張解釈、縮小解釈、反対解釈、…

集団的自衛権違憲論への反論その4

安保法案違憲論者の第4の論点は、「合憲論者は、最高裁砂川事件判決で、集団的自衛権の行使は合憲だと認められたと言う。しかし、この判決は、日本の自衛の措置として米軍駐留を認めることの合憲性を判断したものにすぎない。さらに、この判決は『憲法がい…