時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

戦争

日中「海空連絡メカニズム」は無意味?

本日、産経新聞の一面に、東シナ海等での日中間の不測の事態を回避するために、日中間において「海空連絡メカニズム」の設置が合意される方向で最終調整に入ったとする記事が掲載されておりました。しかしながら、このメカニズム、結局は機能しないのではな…

”侵略”明記-日本国民への謝罪を要するのでは?

本日の一面は、どの新聞社も、戦後70年談話に関する「21世紀構想懇談会」の報告書が飾ったようです。それほど、国民の関心は高いのですが、満州事変以来を”侵略”と明記されたことは、日本国民にとりましても、他人ごとではありません。日本軍の一員として闘…

左翼は中国の対日「人民戦争」第三段階への移行に耐えられるのか?

昨日の産経新聞の「正論」欄に、東京国際大学教授の村井友秀氏が、”最終段階に入る対日「人民戦争」”と題して、大変興味深い記事を寄稿されておられました。 氏によりますと、中国の対日「人民戦争」は、戦略的防御、戦略的対峙、そして、戦略的反攻の三つの…

戦後70年は全人類反省の年に

第二次世界大戦から70年を数える今年、世界各国では、様々な記念行事などが催されると共に、先の大戦を省みる機会ともなっております。日本国でも、首相の70年談話をめぐる議論も、中韓等からの圧力もあって、諸説紛々しているように見受けられます。 中韓等…

”沖縄にいらない基地”とは何なのか?

”基地はいらない”は、沖縄県の世論ということにされています。先日、県知事に当選した沖縄県の翁長県知事も、普天間基地の辺野古の移設を阻止する構えを見せています。 県知事は、移転阻止を訴えて当選したのですから、公約を実行しようとしているのでしょう…

”戦争しない国”とは防衛放棄?

新聞やネットのブログ記事などでは、最近、”戦争しない国”を貫こう、とするスローガンを見かけます。”戦争しない国”とは、一体、どのような国なのでしょうか。 国際法では、国連憲章の51条において個別的、並びに、集団的自衛権を認めており、戦争が、全面的…

石破氏発言-敵前逃亡が最高死刑となる理由

本日は、参議院選挙の投票日ですが、選挙に先立って、自民党の石破幹事長の発言がバッシングを受けていました。”徴兵を拒否したら死刑”と曲解されて…。 実際の発言内容は、”軍隊組織では、命令を拒否して敵前逃亡をした場合、最高で死刑となる…”といった趣旨…

沖縄県民に知ってほしい戦艦大和沖縄戦特攻

昨日は、日米開戦の日であったためか、NHKでは、戦艦大和の沖縄戦特攻について、特別番組を放送していました。NHKの思惑は掴みかねるのですが、沖縄県民の方々には、ぜひ、この事実を知っていただきたいと思うのです。 当時、世界最大規模を誇った戦艦大和の…

沖縄”捨て石説”は反日工作では

本日、我が国は、沖縄での組織的な戦闘が終結してから67年目を迎えました。沖縄の地上戦で亡くなられた方々の魂を慰める慰霊の日なのですが、反戦運動化にとりましては、日本国政府を断罪する日なのかもしれません。 戦争が終結した後も、地政学上の理由から…

日教組は平和教育の基本方針を転換すべき

日本国憲法の第九条では、国内法として戦争の放棄を定めています。このため、平和とは、自国が平和を望めば実現するものと考える人々が少なくなく、テレビなどの戦争に関するインタビューでも、”平和を実現するためには、戦争をしてはいけない”という発言が…

終戦の日を迎えて

今年は、終戦の日から66年目に当たるそうです。民主党政権では、首相をはじめ、全閣僚が、靖国神社には参拝しませんでした。若かりしとき、菅首相は、学生運動の戦線に参加し、常に、何時でも逃げられる四列目に位置取りをしていたと報じられています。戦…

終戦記念日によせて

毎年、8月15日という日は、どこか厳かな静けさに包まれるものです。後の世の人々により良き未来を残すために、自らの尊い命をお国に捧げられた方々を悼みて うつせみの 尽きせぬおもいを たちきりて 旅たつ空の 青ぞ哀しき

安全保障政策―一国主義への傾斜は安全か

我が国の歴史を振り返りますと、他国と同盟を結成したことはあっても、”同盟軍”という形態で戦争を行ったことは殆どありませんでした。第二次世界大戦も、独伊と三国同盟を締結しながら、結局は、単独で戦争を遂行しました。こうした経験が、普天間基地問題…

田母神発言は事実調査から

田母神前空幕長が、広島平和記念式典は左翼運動と発言したことが、非難を浴びているようです。しかしながら、この問題、まずは、広島平和記念式典の参加者やそれを取り巻く状況の実態調査から始めるべきなのではないかと思うのです。 反核運動の担い手が、特…

国立追悼施設をめぐる大問題

近年、侍従の方の日記を根拠として新聞でしばしば報じられたように、昭和天皇が参拝をおやめになった理由は、東京裁判において”A級戦犯”の判決を受けた人々が祀られているからとする説があります。民主党は、誰もがわだかまりなく戦没者の方々を追悼できる…

終戦記念日に寄せて

今年で、国民に終戦を伝える玉音放送が流れた日から、64年を数えました。今日という日は、静かに戦没者の方々の御霊が、永久にやすらかであることを祈りたいと思うのです。 みいくさの ほむらにいのちの 消えゆきて み空の果てに 祈りよ 届かむ

海自派遣反対者は戦争と治安維持の区別を

ソマリア沖への海上自衛隊の派遣については、憲法第9条を盾にした反対論も根強いようです。しかしながら、海賊退治という行為は、国権の発動としての戦争ではなく、治安維持行為であり、むしろ、日本国が、国際的な責任の一端を担う行為と考えられるのです。…

自衛隊は国際法上の軍隊か

すべての国家には自国を自衛する権利があり、これは、国際法においても認められている揺るぎなき原則です。自衛権が承認されているということは、当然に、この自衛権を発動する主体となる軍隊が存在せねばならず、自衛権⇒軍隊という構図は、憲法第9条におけ…

A級戦犯のみ分祀する理由とは

靖国神社につきましては、A級戦犯の分祀論が唱えられており、分祀に賛成の意見も少なくありません。しかしながら、「平和に対する罪」であるA級戦犯を切り離す根拠は、実のところ、明確ではないと思うのです。 何故ならば、もし、「平和に対する罪」を問うな…

靖国神社と国家の責任

靖国神社については、国家の戦争責任の立場から非難されることが少なくありません。日本国の侵略行為の責任を問うというスタンスに立った近隣諸国からの非難に加えて、国内の責任論にも、国民を戦地に駆り立てるための舞台装置としての靖国神社の役割を糾弾…

独立戦争の非暴力主義は防衛戦争には通用しない

インド独立に際して、独立運動の指導者であったガンジー氏が貫いた非暴力・不服従主義は、平和主義の理想として、今日でも高く評価されています。しかしながら、この非暴力主義は、植民地が宗主国から独立するに当たって、戦争ではなく両者の交渉によって解…

人類の平和への道は国境確定から始まった?

人類の歴史を振り返りますと、戦争の最大の原因が、土地争いにあったことは容易に見て取ることができます。人間の集団が未だ一定の地域に定住せず、どこへでも行くことができた時代には、戦争は、必ずしも倫理的に非難される行為ではありませんでした。むし…

戦没者の方々を心から悼んで

本日8月15日は、昭和天皇の詔勅により第二次世界大戦の終結が動かぬものとなった、運命の日として日本国の歴史に深く刻まれています。毎年、蒸し暑い夏の一日でありながら、この日ばかりは、何か、厳粛な空気がこの国を覆っているように思えるのです。 先の…

国に殉じた方々との約束

本日、今年の8月15日は、日本国の全閣僚が靖国神社への参拝を控える、との報道がありました。中国、あるいは、公明党への配慮との見方も示されていますが、この記事は、何か大切なことを置き忘れてしまったような、一抹のさびしさを感じざせるのです。 そ…

反戦と母性の論理

戦争反対運動において、最も強く女性層に訴えるのは、”あなたの息子さんを戦地に送らせてはなりません”というスローガンです。手塩にかけて育てた自分の子供を、戦地で失ってもよいと思う母親はおりません。ですから、この訴えは、母性本能を刺激し、女性層…

敗戦を克服した日本

昭和20年8月15日、この暑い夏の一日は、日本人にとりまして忘れることのできない特別の日となりました。この日、日本国民は、第二次世界大戦を枢軸国側で戦った日本が、終にポツダム宣言を受け入れ、降伏を決意したことを知ることになったのです。こう…

ヤヌスの顔を持つ核兵器

日本国は、世界唯一の被爆国であり、無辜の国民の命が一瞬の閃光とともに失われたという悲惨な経験を持ちます。かくも悲しく無残な記憶として、8月のあの日の被爆体験は、日本国民の心に深い傷を残すことになりました。今でも、被爆地を訪れますと、空が、…

講和条約には相互恩赦を

第二次世界大戦から半世紀以上を過ぎた今日にあっても、米下院の慰安婦問題決議や久間前防衛庁長官の発言は、同盟関係にある両国関係をぎくしゃくさせる要因となっています。戦争状態にあって、交戦国が、敵愾心のエスカレートや戦略上の判断から、相互に戦…

心の終戦への遠い道

”戦争は、始めるよりも、終わらせることの方が難しい”としばしば言われますように、いずれの時代にありましても、戦いを終わらさせることは至難のわざです。 国際法におきましては、戦争は、一方の降伏後、程なくして、双方の間で講和条約が結ばれることによ…