時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

海自派遣反対者は戦争と治安維持の区別を

 ソマリア沖への海上自衛隊の派遣については、憲法第9条を盾にした反対論も根強いようです。しかしながら、海賊退治という行為は、国権の発動としての戦争ではなく、治安維持行為であり、むしろ、日本国が、国際的な責任の一端を担う行為と考えられるのです。

 ソマリア沖の海賊退治は、闘う相手が”海賊”という犯罪行為(人質など・・・)を行う私的集団であり、国家ではありません。国際法においても、海賊の取り締まりは公海警察権として扱われており、”戦争”には分類されていないのです。何れの国も、公海の安全が脅かされますと、船舶の航行に支障をきたしますので、海賊退治は、国際社会の協力の下で行われる必要があります。否、すべての国々が、公海の安全を守る義務を負っているとも言えます。ですから、日本国政府も、当然に、ソマリア沖の海賊退治には、協力すべきであり、もし、”何もしない”ということになりますと、安全の”ただ乗り論”が再び頭をもたげてくることになりましょう。

 なお、派遣すべきは、海自か、海保かとの議論がありますが、ソマリア沖の海賊は、インドの艦隊に攻撃を加えようとしたとの情報もあり、攻撃力を備えた重武装とのことです。この点を考慮しますと、海保での対応には限界があり、海自の方が適切と考えられます。武力の行使は、治安の維持には不可欠であり、憲法9条の擁護論者は、この点を見落としているのではないかと思うのです。

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