時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

”人類の敵”には軍艦の派遣も可能

 先日、「イスラム国(ISIL)」は、”人類の敵”ではないか、とする記事を掲載いたしました。無法地帯で我が物顔で暴れる様は、さながら”陸の海賊”であるからです。

 「イスラム国(ISIL)」による人質事件をきっかけとして、日本国内では、自衛隊の派遣も議論されるようになりました。「イスラム国(ISIL)」は、国家ではないため、自衛隊の派遣は困難であるとする見解もあります。国家ではないならば、犯罪として警察の特殊部隊を派遣するといった方法もありますが、”陸の海賊”であるならば、自衛隊派遣も不可能なことではありません。何故ならば、海賊は、国際法において、軍艦や軍用機による拿捕が許されているからです(海洋法に関する国際連合条約第107条)。実際に、ソマリア沖の海賊については、各国の駆逐艦も活動しており、日本国も海上警備行動であれ、海上自衛隊護衛艦を派遣しております。

 自衛隊の海外派遣には、国内法の整備や国連決議の成立も望ましいのでしょうが、「イスラム国(ISIL)」が”人類の敵”と認定されれば、自衛隊派遣のハードルはそれほど高くはないのではないかと思うのです。

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