時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

紅白歌合戦出場歌手―国民による投票で選んでは

NHKは、大晦日に放映される紅白歌合戦を、”国民的な行事”として自負してきました。しかしながら、最近は、視聴率が低下傾向にあるようで、この番組を見ないという国民も増えてきました(実は、私も見ていない…)。この低下傾向の原因が、国民とNHKとの意識や…

中国の海洋汚染調査―日本国政府も対応策を

中国政府は、福島第一原発事故による汚染を調査するために、西太平洋海域に、二度目となる調査船を派遣したと報じられています。中国側の説明によりますと、調査隊員30名以上、期間35日、全航程約9300キロに及ぶ大規模な調査なそうです。 表向きの調査目的は…

大阪ダブル選挙に見る政治の行き詰まり

昨日実施された大阪の”ダブル選挙”で、維新の会の橋下氏と松井氏が”ダブル当選”したことで、本日のブログ版は、この話題でもちきりのようです。そこで、本ブログでも、この選挙から見える、日本政治の問題点を挙げてみることにします。 第1に、維新の会の勝…

捏造情報問題―NHKは国民に説明を

最近のNHKは、全てにおいてレベル低下が著しのではないかと思います。画面の色使いの汚さは目に余りますし、大河ドラマも、子供向けドラマか学芸会と化しているようです。昨日は、ネット上で、NHKが、若い世代に韓国語によるメールが流行っているとする、捏…

女性宮家―配偶者と外戚問題こそ重大

マスコミ等では、宮内庁は、皇位継承の安定化を理由として、女性宮家の創設を提案したと報じています。一方、藤村官房長官は、この問題は、女性天皇や女系天皇とは切り離して議論すると述べていますので、両者の見解には相違があります。 藤村長官の見解に従…

女性宮家創設―宮内庁は充分な説明を

本日、宮内庁が、皇族の減少を懸念して、女性宮家の創設を提案したと報じられています。二千年以上に及ぶ伝統を改変することには、それ相応の慎重さが必要なのですが、宮内庁の説明不足と皇室に関する情報の乏しさもも、国民の不安を高める原因です。 ”宮家…

仕分け会議の意義とは―公開か隠蔽か

民主党政権から始まった仕分け会議。昨日、NHKのアナウンサーが、仕分け会議の結論は、必ずしも予算に反映されるとは限らないものの、財政削減の対象を国民に明らかにしたことにおいて意義があった、という旨の説明をしていました。しかしながら、その反対で…

大王製紙事件―ギャンブルの”麻薬性”の研究を

ここ数日、大王製紙の創業者一族の前会長が、カジノでの負けによる借金を支払うために、会社のお金を使い込んでいた事件がマスコミ等で大きく取り上げられています。この事件を契機に、ギャンブルの”麻薬性”について研究し、対策を考えるべきではないかと思…

経団連会長の孫氏批判―経団連は悪者か

経団連の米倉会長が、原発再稼働の提案に対して孫氏が反対したことを批判したと報じられています。この批判について、経団連の側を”悪者”する見解もあるようですが、実際のところは、どうなのでしょうか。 孫氏を支持する人々は、氏が、日本国民の安全のため…

もんじゅ擁護論

昨日の仕分け会議では、高速増殖炉”もんじゅ”が集中攻撃を受けており、文科省さえ、及び腰の発言をしていました。しかしながら、40年以上もかけて、もんじゅを開発してきた理由を考えますと、無碍に批難ばかりはできないと思うのです。 第1に、軽水炉から…

日中韓FTAの恐怖―投資協定

昨日、野田首相は、中韓の首脳と日中韓FTAに向けて交渉を開始することで合意したと報じられています。それも、投資協定の締結を優先する考えを示したそうなのですが、この投資協定、内容次第では、悲惨な結末が待っていそうです。 仮に、投資協定の内容が、…

日中韓FTAの危険度

本日、野田首相は、日中韓FTAについて、交渉の開始に合意したとも、検討の推進を確認したとも報じられています。TPPには、反対論もあるのですが、この日中韓FTAの方が、はるかに危険度が高いのではないかと思うのです。 第1に、TPPとは逆に、中韓は、投資家…

九電問題―枝野経産相は6重苦脱却のために仕事を

”やらせ問題”をめぐって、枝野経産相は、第三者委員会の報告を取り入れなかった九州電力に対して、再稼働の許可を与えないという方法で、圧力をかけていると報じられています。ところでこの態度、経産相の使命から逸脱していると思うのです。 経産相の使命と…

裁判官は国籍条項を撤廃できるのか

先日、福岡高裁で下された判決は、国民の多くを驚かせることになりました。生活保護法では、”国民”と明記してありながら、永住資格を持つ外国人にも生活保護を受給する法的な根拠があると述べたのですから。 この判決において驚愕すべきことは、法的根拠の理…

国会版仕分け―スパコンが標的となる不思議

民主党政権の下で行われた仕分け作業では、連舫氏の発言が物議を醸しましたが、国会版の仕分けでも、何故か、スパコンが対象に選ばれ、縮減の意見が多数を占めたというのです。 そもそも、仕分け作業については、対象の絞り込みに段階において既に振り分けが…

TPPに制度の議論を

TPPに関しては、日本国内では、農業や医療関係者を中心に不安の声が聞かれます。ところで、TPPの合意形成とは、どのような仕組みで行われているのでしょうか。 実は、この部分が、謎であるからこそ、国内では不安が広がる原因の一つではないかと思うのです。…

TPP-経済協定は進化するのか

野田首相が、APECの首脳会談でTPP交渉への参加を表明したことから、日本国内でも、賛否両論が渦巻いています。反対の根拠としては、NAFTAで発生したマイナス面が挙げられているようです。 まず、投資家を保護するために設けられたISD条項が、国家主権の侵害…

TPP問題―政治家がすべき仕事は山積

昨日からホノルルにてAPECの首脳会議が開かれたことから、我が国でも、TPP問題は、国論を二分する政治課題として急浮上することになりました。この問題に際して、政治家のすべき仕事は山積していると思うのです。 TPPに参加するとしますと、農業のみならず、…

日本国政府はTPP交渉の場で徹底議論を

昨日、野田首相は、事実上、TPP交渉への参加を表明しました。TPPについては、様々な不安や懸念が渦巻いていますが、交渉の場こそ、こうした疑問点を解消し、共通ルールに反映させるチャンスであると思うのです。 通商交渉とは、国家レベルの国益に基づいた戦…

野田内閣―第4次補正予算の不安

昨日、野田政権では、第4次補正予算案の提出を検討しているとするニュースが流されていました。この補正予算案、将来的な見通しの下で作成されているとは思えないのです。 第4次補正予算案の内容としては、被災地における二重ローン問題の解決、TPPへの参…

TPP問題―遅すぎる分析と決定

ここ数日、TPPの問題は、国を挙げての大議論と化しています。しかしながらこの問題、少なくとも1年前から、政治課題として既に持ち上がっていたはずなのです。 野田首相は、TPPへの参加交渉の是非の決定を、明日に延期したと報じられています。東日本大震災…

生活保護の増加―施設保護へのシフトを

今年の7月の生活保護者の数は、205万人を越え、過去最高を記録したそうです。リーマンショック以来の景気低迷、東日本大震災、電力不安、超円高…と、失業要因が相次いで襲ってきた結果とも言えそうです。 生活保護者の生活については、最近、批難の声が…

民主党によるTPP提言案―コメの例外化を提案するのか

TPPに関する議論が高まっている中、政権与党である民主党が、提言案の取りまとめに着手したと報じられています。提言案で、まず焦点となるのは、コメの例外化なのではないかと思うのです。 TPPに対する反対意見の根拠として、しばしば、米韓のFTAが持ち出さ…

ダライ・ラマ14世の記者会見に思う

来日しておりましたチベットのダライ・ラマ14世は、東日本大震災で深く傷ついた被災地を訪問され、犠牲になられた方々の慰霊のために法要をなさってくださったそうです。この訪問により、東北の方々の心は、どれほど、慰められたことでしょうか。 ところで…

民主党政権は独裁志向

民主党政権が成立して以来、首相をはじめ、閣僚の口から、しばしば、”私が指示します”という言葉を聞くようになりました。この言葉、どこか、独裁体制を彷彿させるのです。 日本国憲法では、国会を国権の最高機関と定めているためにか、これまで、首相や閣僚…

大阪都構想とダブル選挙の謎

橋下前大阪知事は、財政赤字の原因となってきた府と市との二重行政を解消するために、大阪都構想を打ち上げているそうです。知事を辞職して、市長選に立候補するのも、この構想を実現させるためなそうですが、どこか、説得力がありません。 その理由は、もし…

村木氏が冤罪ではないとすると

本日、野田内閣は、郵便不正事件で起訴された村木厚生労働省元局長について、冤罪ではないとする見解を示したそうです。ところで、冤罪ではないとすると、先の地裁による損害賠償の支払い判決は、妥当であったのでしょうか。 そもそも、この事件には、謎が多…

除染に40兆円―過去の核実験と半減期の考慮を

政府の試算によりますと、福島第一原発の事故によって汚染された土壌などの除染に、今後、40兆円の費用が必要とのことです。その一方で、中国が大気圏中での核実験を行っていた時期の方が、現在よりもはるかに放射能の測定値が高かったとも報じられています。…

玄海原発4号機再稼働―経済活動は生活のため

本日、事故で停止していた玄海原発の4号機が再稼働を開始したことを受けて、脱・反原発派の人々は、命よりも経済を優先させるのか、と批難の声を上げているようです。しかしながら、その命も、経済活動があってのことなのではないでしょうか。 脱・反原発派…

橋元前知事の市長選出馬―脱原発への執念か

大阪府の知事であった橋元氏は、今度は、市長選に鞍替えして立候補する予定と報じられています。知事を辞職して市長を目指す意図がよく分からなかったのですが、もしかしますと、その理由の一つは、脱原発への執念なのではないかと思うのです。 先日の記者会…