時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

女性宮家創設―宮内庁は充分な説明を

 本日、宮内庁が、皇族の減少を懸念して、女性宮家の創設を提案したと報じられています。二千年以上に及ぶ伝統を改変することには、それ相応の慎重さが必要なのですが、宮内庁の説明不足と皇室に関する情報の乏しさもも、国民の不安を高める原因です。

 ”宮家創設”という言葉には、宮家の数を増やすという意味が含まれています。国民の多くは、この言葉から、宮内庁は、宮家の新設を提案していると受け取るはずです。しかしながら、現実に直面しているのは、既存の宮家には男子継承者がいないことであり、この文脈からは、女性が継承することの是非が問題となるはずです。提案をするならば、宮内庁は、具体的な案を国民に示し、その上で、国民的な議論を喚起すべきなのではないでしょうか。このままでは、あやふやのままに、民主党政権による強行採決もあり得るのではないかと心配になります。

 東宮問題が懸念されているように、最近、とみに、天皇家を取り巻く空気が変化してきております。宮内庁の提案には、何らかの背景や事情があるならば、それを明らかにしませんと、国民の皇室に対する信頼も揺るぎかねないと思うのです。

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