時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

宗教政党は政治に参加すべきか?

創価学会の公明党に続き、幸福の科学も幸福実現党を結成すると言うことで、日本国では、宗教政党がさらに増えることになりました。創価学会についてさえ、憲法20条違反の問題に決着がついていない状況で、宗教政党が増加してゆくことは、果たして日本国の…

危険な北朝鮮への友愛外交

民主党の鳩山代表は、北朝鮮に対しても”友愛”をもって外交に当たる方針と伝わっています。しかしながら、ヒトラーやスターリンへの”友愛”が空虚に響くように、北朝鮮への”友愛”もまた無理どころか、危険でさえあると思うのです ”友愛”をもって接する融和政策…

原油先物市場―投機の規制緩和の怪

本日の新聞報道によりますと、政府の規制緩和により、個人も国際商品市場に参加できるようになり、大手の証券会社も、原油先物を投資対象とした国内投資信託を始めるとのことです(本日付日経新聞朝刊)。昨年発生した金融危機の原因の一つとして投機行為が…

森前首相は国民より創価学会が大事?

総選挙を控えますと、通常は、各政党とも有権者へのアピールに熱心になるものです。しかしながら、森前首相の発言から伺える自民党の選挙対策とは、国民よりも創価学会の組織票だよりのようなのです。 比例代表制の180議席を削減するという案には、もちろ…

”宣戦布告する”とは絶対言わない北朝鮮

”宣戦布告と見なす”という言い方は、近年、北朝鮮の常套句となっており、事ある度にこの脅し文句を繰り返しています。本日も、韓国のPSI参加に対して、この言葉を用いたようです。しかしながら、自ら”宣戦布告する”とは、絶対に言わないところに、北朝鮮…

太陽政策の幕切れ

積極的な対北融和政策で知られてきた盧武鉉前大統領が自ら命を絶たれたというショッキングなニュースが韓国から伝わった矢先、今度は、北朝鮮から二回目の核実験と短中距離ミサイル実験を行ったという報が届きました。ふと、相次いで起きた事件には関連があ…

北朝鮮の核実験―NPT体制を覆う暗雲

北朝鮮は、1993年にNPTからの脱退を宣言し、それ以降、核を交渉のカードとした脅迫外交を続けてきました。本日、二度めの核実験を実施したと報じられており、もし、北朝鮮のこの行為を咎めることを怠れば、六カ国協議のみならず、NPT体制そのものを揺…

韓国のネポティズム―多文化共生論の落とし穴

多文化共生論は、”多様な意見や価値観がぶつかり合うことで活力が生まれ、イノヴェーションが起きる・・・”と説明されてきました。しかしながら、昨日、韓国で前大統領が自ら命を絶たれ、その原因が、韓国政治に特有のネポティズムによる利権のしがらみにあ…

新型インフルエンザに固執するNHK

新型インフルエンザが感染力は強いものの弱毒性であることが判明して以来、各国とも、この件に関するニュースはトーンダウンしているようです。にもかからわず、NHKのニュースを見ておりますと、番組放送時間の半分以上がこの話題で独占している状況がこ…

守秘義務を外せば社会の問題が見えてくる

昨日からスタートした裁判員制度では、裁判員には、裁判の公平性を保つために口外を禁じる守秘義務が課せられています。陪審制度の発祥の地であるイギリスでも厳格な守秘義務と報道規制がある一方で、アメリカでは、言論の自由を尊重して、こうした義務や規…

裁判員制度―今後の検証こそ大事

司法制度の制度設計は、人が人を裁かなければならない、という点において、他の分野よりも宿命的な難しさを背負っています。裁判員制度もそのひとつの試みなのでしょうが、裁判員制度を評価するには、今後の検証こそ大事と思うのです。 裁判員制度の導入が積…

裁判員の守秘義務―開かれた司法vs.裁判員の安全

昨日、テレビの報道番組でニュースキャスターを務める方々が連名で、開かれた司法の実現を求めるアピールを公表したと伝えられています。この中で特に強調されたのは、裁判員の守秘義務が、判決までのプロセスを隠す役割を果たしてしまう、ということのよう…

新型インフルエンザ―休校措置で感染経路が拡大?

関西で高校生を中心として新型インフルエンザの感染が拡大を続けていることから、4043校もの高等学校が休校措置を取ったと報じられています。この休校措置により、行き場を失った高校生が、外出して街で遊んでいる姿が多数目撃されているとのことですが…

大阪証券取引所は時代に逆行している?

本日の新聞報道によりますと、大阪証券取引所では、原油先物に連動する上場投資信託(ETF)の解禁に踏み切るそうです。金融危機の発生原因が”投機”行為にあったことを考えますと、この決定は、時代に逆行することになるかもしれません。 金融危機発生の直…

鳩山体制の成立―混迷する政界

昨日、民主党では小沢氏に代わって鳩山由紀夫氏が党代表に選ばれました。新代表のモットーは、二大政党制を意識した政権交代を目標に掲げているようですが、今回の代表交代は、日本国の政治に混迷をもたらしたようにも思えるのです。 昨今の両党の政策を見て…

公立中高一貫校論争―入試の工夫で解決?

学費の高い私立校の方が大学受験に有利となる状況が定着し、このままでは、所得の低い世帯の子弟が高いレベルの教育を受ける機会が失われるという危機感から、公立でも中高一貫校が設立されるようになりました。この措置については、公立学校にも裕福な家庭…

ピースボート―自分のできないことを他人に強いてはならない

ソマリア沖への海上自衛隊の派遣に反対してきたピースボートが、海自の護衛艦に守られていたことが発覚し、その見境ない言行不一致ぶりが非難されているようです。この事件からピースボートが学ぶべき教訓とは、自分のできないことを他人に強いてはならない…

ピースボートは無防備を体験すべきだった

ソマリア沖への自衛隊派遣に反対していたピースボートが、その主張とは裏腹に、海上自衛隊の護衛艦の護衛を受けていたことが非難されているようです。ピースボートは、自らの主張を検証するためにも、無防備でソマリア沖を航行すべきではなかったのかと思う…

郵政民営化には工夫が必要であった

「国家公務員共済組合連合会(KKR)」が保有する不動産物件のうち、「郵政物件」と呼ばれる日本郵政共済組合が保有していた施設を一括売却したところ、取得した企業グループによって転売が繰り返されていることが問題となっているようです。郵政民営化に…

北朝鮮に適用されない「強制的失踪条約」の不備

本日、衆議院で可決された「クラスター爆弾禁止条約」の承認案も、海岸線の長い日本国の防衛を考慮しますと、もろ手をあげて歓迎できるものではありません。加えて、同時に可決されたという「強制的失踪条約」の承認案もまた、拉致事件の解決にはあまり役に…

小沢代表―土建政治の落日か?

本日、民主党の小沢代表が、自ら身を引くとう形で、党首辞任を正式に表明されたと報じられています。しばしば、小沢氏は、田中派譲りの卓越した集金力で政党の主導権を握り、民主党の代表にまでのし上ったと評されてきました。その経歴を振り返りますと、小…

個性は生かし、才能は伸ばすでは?

昨日は、現代人のモンスター化の原因は、個性を”生かす”ではなく、良し悪し関係なく”伸ばす”に取り違えた教育が行われてきたからではないか、という記事を書きました。ところで、教育において本来伸ばすべきは、才能ではないかと思うのです。 個性と才能とは…

個性は”伸ばす”ではなくて良い方向に”生かす”では?

モンスター・チルドレンに始まり、モンスター・ペアレントやモンスター・ペイシェントまでも登場するようになり、日本列島津津浦浦を、怪獣たちが闊歩しているかのようです。この現象の根底には、戦後の教育の誤りが指摘されておりますが、そのひとつに、個…

「高速道路1000円」―景気対策としての効果は?

連休中の行楽地への足は、高速道路の料金を一律1000円とする政策のためにか、車の利用者が増加し、鉄道の利用者は減少したと報じられております。果たして、景気対策として、この政策は、どの程度評価できるのでしょうか。 連休中の状況を見る限り、高速…

日本国政府も歳出削減を

本日、発表が予定されているオバマ大統領の予算教書では、報道によりますと、2010会計年度で170億ドル(1兆6千7百億円)の歳出削減が求められるとのことです(日経新聞本日付夕刊)。 金融危機の発生を受けて、アメリカ政府の音頭取りの下で、これ…

同心円モデルは華夷秩序に変じる?

日経新聞の朝刊には”世界この先”という欄があり、本日の三面には、日本国際交流センター・シニア・フェローの田中均氏が、同心円モデルを提唱されておりました。この同心円モデルとは、日米欧が中心となって、オピニオン・リーダーとしての重い責任を担い、…

伸びやかな国柄を目指そう

今日は、5月5日のこどもの日です。男の子の成長を祝う日なのですが、昨年来の金融危機の影響もあってか、日本国内にはどこかしら閉塞感が漂い、子供達も大人達も、どことなく活力を失っているように見受けられます。この閉塞感の原因は、一体、どこにある…

”複眼思考”とは野蛮への道か?

本日、日経新聞の朝刊の一面に”複眼思考への試練”という記事が掲載されておりました。この記事の趣旨は、異質の者を排除する”単眼思考”の外交は時代遅れであり、多様性を包摂する”複眼思考”こそ、来るべき時代の外交のあり方であることを主張することにある…

憲法第九条を擁護する方々へ

憲法第九条を擁護する方々は、その道義的な責任として、第九条が存在していても、自国の安全が確実に保障されていることを国民に説明すべきであると思うのです。憲法は、あくまでも国内法ですので、自国の行動を抑制することができても、外国の軍事行動をと…

漢字検定―能力判定は公益事業?

公益法人は、その名の通り、公益性が認められているからこそ、税制上の優遇措置などを受けることができます。しかしながら、昨今、問題となっている日本漢字能力検定協会の事業を見てみますと、これは、収益性を目的としたビジネスではないかと思うのです。 …