時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

個性は”伸ばす”ではなくて良い方向に”生かす”では?

 モンスター・チルドレンに始まり、モンスター・ペアレントやモンスター・ペイシェントまでも登場するようになり、日本列島津津浦浦を、怪獣たちが闊歩しているかのようです。この現象の根底には、戦後の教育の誤りが指摘されておりますが、そのひとつに、個性の捉え方があるように思えるのです。

 戦後一貫して、日教組をはじめとした教育界では、”個性を伸ばす”方針が主張され、個性とは何かの議論もなく、自己主張が奨励されるようになりました。しかしながら、個性とは、生まれながらに備わっているものであると考えますと、個性を伸ばすと言う表現はあまり意味がなく、むしろ、個性とは、それが良い方向に働くように生かすものではないか、と思うのです。個性には、良い面ばかりではなく、悪しき面はありますので、すべての個性を伸ばすとしますと、悪い面をさらに助長することになりかねません。悪しき面を抑制し、良い面を生かすように導くことが、教育の本来の役割なのではないか、と思うのです。

 戦後の思想の潮流として、相対主義の名の下で善悪の判断が曖昧になりましたが、個性を伸ばすには、その良し悪しの判断も避けて通れません。徒に個性を”伸ばし”ても、モンスターを増やすばかりになってしまうのではないでしょうか。

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