時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中韓が主張する”日本の野望”とは何なのか?

 日中関係、並びに、日韓関係の悪化原因は、中韓の主張によれば、全面的に日本国側に責任があるそうです。戦前の軍国主義を復活させ、再び、悪しき野望を持ち始めていると…。
 
 しかしながら、今日における”日本国の野望”とは、一体、何なのでしょうか。中韓が、単純に現在の状況を戦前の繰り返しと捉えているとしますと、両国の分析能力を疑わざるを得ません。戦前には、条約に基づいて日本軍が中国大陸に駐留し、鉄道等に関する権益も有していましたが、第二次世界大戦後において、こうした関係は完全に解消されております。また、中国大陸は、1949年以降は、共産主義国家による統一が成されたため、現在は、戦前のような政権が各地で分立する内乱状態でもありません。現在の日中関係にあっては、少なくとも中国大陸においては対立要因がほとんどなく(反日教育による日本人や日本製品に対する迫害はありますが…)、今日、対立が先鋭化するとしますと、それは、尖閣諸島に対する領土要求を含む中国の拡張主義が原因です。韓国についても、戦前の併合の歴史は、日本国にとりましては、背負い込んでしまった重荷の記憶でしかありません。今では、頼まれても朝鮮半島を併合しようとは思わないことでしょう。現在の日本国には、距離を置く動機こそあれ、朝鮮半島に対して”野望”など持ちえないのです。
 
 中韓の”日本の軍国主義化”の主張は、国際情勢を見れば、言いがかりとしか言いようがありません。中国の軍事的対応、並びに、中韓の政治的反日に対するリアクションなのですから。
 
 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。