時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

狂気の支配は国民の不幸

独裁者とは、えてして自己陶酔を国民に押し付け、それを体制として固定化するものです。リビアのカダフィ氏は、”中東の狂犬”と呼ばれたそうですが、狂気の支配は、国民を不幸にします。 リビアでの国民の独裁者に対する反発と抵抗は、痛く自然なことであり、…

民主化運動の報道が少ない

中東諸国で始まった一連の民主化運動は、人類が、歴史的な転換期を迎えつつあることを示しています。中国でも、本日、複数の都市でのデモの呼びかけがなされているはずなのですが、何故か、我が国では民主化運動の情報が少ないのです。 近年、マスコミでは、…

郵便不正事件の晴れない闇

本日の報道によりますと、郵便不正事件において偽造有印公文書作成罪に問われていた倉沢「元凛の会」会長に対して、二審も無罪を言い渡したそうです。郵便法違反では有罪なのですが、これでもまだこの事件には、闇が残されているように思えるのです。 この事…

”生活保護の勧め”は小さな暴君を生む?

最近、生活保護を受けるためのハウツーものの書籍が売れているそうです。受給申請を無理やりに通すための”技”の伝授らしいのですが、生活保護からの脱却を指南する本が売れるならばいざしらず、財政破綻が懸念される中でのこの現象には問題があります。 ”生…

中国の民主化運動の第二波は非エリートから?

日経ビジネスオンラインの記事によりますと、天安門事件の時代とはうって変り、近頃の北京大学生は、民主化運動に参加すると、当局に睨まれて”一生を棒に振る”ことを怖れて、素知らぬふりを決め込んでいるそうです。もしかしますと、第二の民主化運動が起こ…

中東の民主化懐疑論への懐疑

中東諸国の民主化運動に対して、我が国の政権交代を事例に挙げて、国民の一時的な熱狂は、より悪い状況に至るものとして、懐疑的に見る向きもあるようです。しかしながら、両者の間には、決定的な違いがあると思うのです。 それは、我が国の場合には、政権交…

日本国政府もリビア国民のために行動を

リビア情勢は、首都トリポリおけるデモ隊に対する政府側の空爆により、一刻の猶予も許されないほど、危機的な状況にあるようです。日本国政府は、非人道的な行為が繰り広げられているにも拘わらず、またもや”注意深く見守る”だけなのでしょうか。 空爆による…

中国の”ジャスミン革命”には第二幕があるのでは

昨日、中国の”ジャスミン革命”は不発に終わり、中国当局が民主化運動の押さえ込みに成功したかのごとくに報じられています。しかしながら、これで民主化運動の幕は、完全に降りたのでしょうか。 インターネットの世界では、情報統制側の当局と、ユーザーとの…

中国国民も民主化運動を

中東一帯に広がった民主化運動は、中国には波及しないという説があります。その根拠として、中国の急速な経済成長が挙げられているのですが、むしろ、一党独裁体制を崩壊させて民主化しなければ、中国国民には、経済成長の恩恵が及ばないのではないでしょう…

奇妙な都知事選

4月に予定されている都知事選。知名度の高い候補者の名は挙がっているのですが、何故か、争点のない奇妙な選挙の様相を呈しています。 都の財政規模を考慮すれば、名古屋市以上に活発な議論があってもよさそうです。名古屋市長に当選した河村氏の背景につい…

政府の移民政策に対する国民の不満

中東諸国で発生している民主化運動がバーレーンにも連鎖し、政権側と反政府デモとの間で流血の事態に発展しているそうです。バーレーンの国内事情が知られるようになるにつれ、バーレーンの問題は、他人事ではないように思えるのです。何故ならば、バーレー…

東京都知事選の問題点

今年の4月に予定されている東京都知事選では、石原現知事の去就が関心を集めながらも、居酒屋経営者の渡辺美樹氏と共産党の小池晃氏が立候補を表明したことに加えて、前宮崎県知事の東国原英夫氏や民主党の連坊氏の名前が挙がっているそうです。知名度の高…

ロシアは連合国の不拡大方針を無視している

ロシアは、北方領土について、日本国政府に、第二次世界大戦の結果として、ロシア併合を承認するよう迫っていると報じられています。しかしながら、戦争の結果として領土を拡張しないことは、連合国の共通方針であり、かつ、第二次世界大戦の大義が”侵略国”…

独裁体制消滅は歴史の自然な流れ

つい数年前まで、中東における民主化は無理なのではないかとする見解が、多数を占めていました。しかしながら、チュニジアで始まった反政府運動が中東一帯に連鎖し、エジプトでムバラク政権が倒されたように、民主主義の拡大は否定のしようもありません。 そ…

ムバラク氏の小沢氏の共通点

報じられるところによりますと、小沢氏は、”働けるだけ頑張る”と述べて、政界引退を否定したと言います。この台詞、エジプトにおいて国民によって辞任に追い込まれたムバラク氏の言葉と共通していると思うのです。 ムバラク氏も、最後の最後まで、大統領職に…

中国で反政府運動が起きたら

エジプトでは、終に国民が、30年の長きにわたったムバラク独裁体制を倒しました。一方、中国政府は、エジプト情勢に敏感に反応しているようであり、情報統制を強化するなど、自国への飛び火を警戒しているようです。 中国において、一党独裁体制の打倒を掲…

エジプトと共通する無党派層のリーダー不在

エジプト動乱とも表現されている国民の独裁体制に対する抵抗運動は、終に、ムバラク大統領辞任というフィナーレを迎えました。息をのむような展開であったわけですが、この騒乱から、我が国も抱えている共通の問題を垣間見ることができます。 それは、ごく普…

小沢問題の核心は”蓄財”なのでは

小沢元幹事長の強制起訴が決定し、マスコミやブロガーの一部にも、何故か、小沢擁護論が散見されます。国民多数が小沢氏に対して抱いている不信感の根底には、小沢氏の”蓄財”体質にあるのではないでしょうか。 裁判に焦点が当てられますと、小沢氏は、有罪な…

参議院不要論―藤井氏の陳謝こそ不要

先日、民主党の藤井官房副長官が、講演で「今のままなら二院制はいらない」と発言したことについて、参院議員運営理事会で陳謝したと報じられています。しかしながら、この陳謝こそ、不要だったのではないでしょうか。 何故ならば、制度改革の提案や議論の提…

大相撲は真剣勝負で生き残りを

野球賭博に続き、八百長事件で揺れる大相撲。実のことろは、随分と以前から八百長が行われており、今回、携帯の通話記録という動かぬ証拠が見つかって、否定すべくもなくなった、ということのようです。この場に至っては、大相撲が生き残るには、二つに一つ…

鳩山前首相は外交の撹乱者か

鳩山前首相の発言が、我が国の立場を危機に陥れたことは、一度や二度のことではありません。尖閣沖事件についても、中国首脳に対して”両国間の話し合いで解決する”と氏が話したことが、遠因として指摘されてもいます。 先日も、北方領土問題について、”二島…

センター試験の韓国語は不要なのでは

大学入試であれ、何であれ、試験というものは、公平性こそ尊重すべです。本日の新聞記事では、センター入試の外国語の平均点には、英語と韓国語との間に、10点以上の開きがあるとの記事が掲載されていました。10点と言いますと、ボーダーラインでは合否を確…

エジプト情報の統制―革命国家中国の矛盾

エジプトで発生した大規模な反政府デモに対して、中国政府は、ことの他、神経を尖らせているようです。いつ、自国に飛び火するのか、わからないのですから。 中国は、情報統制を非難されますと、常に、体制の安定を言いだします。国民社会を不安定化する情報…

TPP反対論の弱点

今年、6月に参加か否か、結論を出す予定のTPP。農業団体の反対の他にも、自由貿易体制への参加そのものを、我が国の経済を衰退に向かわせるものとして反対する意見も聞かれます。 しかしながら、戦後、自由貿易から最大の恩恵を受けてきたのが我が国である…

エジプト国民の憤慨は人類共通

エジプト情勢が混迷を深める中、ムバラク大統領は、即時の退陣を拒否したそうです。その理由が、”安定”ということなのでしょうが、国民を弾圧する中国政府の言い分と同じです。 そもそも、エジプト国民の怒りは、誰もが理解できるものです。長期独裁体制によ…

独禁法という新たなチャイナ・リスク

昨日、本ブログで、パナソニックの電池事業の中国企業への売却事件の背後に、中国の競争当局の関与が指摘されている事件に関する記事を掲載しました。もし、事実であるならば、独禁法の適用は、新たなチャイナ・リスクとなる可能性が高いのではないかと思う…

パナソニック電池事業売却―中国独禁法の戦慄

本日の新聞に、パナソニックが車用ニッケル水素電池事業を中国社に売却するとの記事が掲載されてきました。その理由は、中国の独禁法当局による分割命令に従ったらしいのですが、この売却、大問題なのではないかと思うのです。 中国で独禁法が施行されたのは…

地方外国人投票権を合憲とする政府答弁の傲慢

伝えられるところによりますと、菅首相は、最近、地方自治体レベルで制定されている常設住民投票条例に関連してか、地方レベルでの外国人の投票権を合憲とする答弁を行ったようです。民主党政権は、どこまで傲慢なのでしょうか。 何故ならば、地方自治体の条…