時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国の民主化運動の第二波は非エリートから?

 日経ビジネスオンラインの記事によりますと、天安門事件の時代とはうって変り、近頃の北京大学生は、民主化運動に参加すると、当局に睨まれて”一生を棒に振る”ことを怖れて、素知らぬふりを決め込んでいるそうです。もしかしますと、第二の民主化運動が起こるとしますと、それは、エリートではない、一般の学生や市民が中心になるのではないかと思うのです。

 一昔前までは、どの国でも、民主化運動といった政治的な運動のリーダーは、トップクラスの大学の学生から登場してきたものです。知的エリートの使命感というものがあったからです。天安門事件に際しても、最高峰とされる北京大学の学生組織が中心的な役割を果たしていたといいます。しかしながら、急激な経済成長を遂げた今日にあっては、民主化運動への参加はマイナスにしか働かず、エリート大学では、自己の出世を優先する学生が大半となってしまったらしいのです。

 こうした状況と民主主義のマスな性質を考えますと、民主化運動の担い手となるのは、精華大学や北京大学といったエリート大学の学生ではなく、一般的な大学の学生たちや低賃金と物価高に苦しむ人々であるのかもしれません。ネット化社会は、むしろ、こうした一般の人々の民主化運動への参加を容易にしていると思うのです。

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