時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

消費税率上げは消費行動の変化を聞いてみては?

メディアの世論調査では、消費税率を上げることに対して、反対か、賛成か、を聞く方式が一般的なようです。しかしながら、消費税率を上げることで心配されている点は、それが市場に与えるマイナス影響ですので、消費税率を上げることによって、国民が、消費…

飽食の時代にさようなら

昨今の相次ぐ食料品や原材料の値上げにより、消費者に加えて、食品会社や飲食店でも、収益の悪化に苦しんでいると伝えられています。当面の対策としては、1.製品やメニューの価格を上げること、2.より安価な材料に切り替えること、そうして、3.量を減…

呆れるアジア開発銀行

本日の産経新聞朝刊に、アジア開発銀行に関する記事が掲載されておりました。この記事を読んで驚いたことは、外務省でさえ控えるようになった中国内陸部のインフラ整備事業に対して、巨額の融資を続けているというのです。 中国内陸部のインフラ整備が、何故…

正義の味方が悪に加担する?

本日の産経新聞朝刊の一面に、作家の曽野綾子氏が「弱点を武器にする弱者たち」という一文を書いておられました。文章の内容を簡潔に纏めますと、心身を鍛えることを等閑にした戦後教育の結果、同情という高度な精神性は育つべくもなく、弱者の恫喝がまかり…

日本国の対北経済制裁は継続すべし

いよいよアメリカ政府は、北朝鮮による核の申告を受けて、テロ支援国家の指定解除手続きに入るようです。もし、議会上院の承認により、指定が解除されるとなりますと、少なくとも、アメリカによる経済制裁が解除され、北朝鮮に対する締め付けが緩むことは必…

裁判員制度―国民の選択なき民主主義

裁判員制度の導入には、司法への国民の参加、しかも、無作為の抽選制こそが民主的で先進的であるとする思い込みがあるようです。ところで、抽選制とは、言われるほど、合理的であり、また、民主的な制度なのでしょうか。 古代ギリシャのアテネでは、”抽選制…

医療費抑制に低コスト型の技術・システム開発を

年々増え続ける社会保障費の原因として、しばしば指摘されているのが、医療技術や機器の高度化による治療費の増加です。そこで、この医療費を抑制する方法として、低コスト型の技術やシステムの開発を促進してはどうでしょうか。 医療技術が発達しますと、そ…

二十五人の白雪姫は誤った教育

平等教育の結果、ついに、学芸会で25人全員を白雪姫にするという学校まで登場し、海外でもその異常さが報じられているようです。ところで、そもそも、全員を同じ役に振ることは、教育上、良いことなのでしょうか。 この教育方針は、いくつかの点で、悪しき…

身勝手な考えが公的年金制度を壊す

公的年金の改正案については、消費税による全額税方式など、数々の案が提起されています。そもそも、年金改革を要する最大の理由は、保険料の未納者問題にあるのですが、これまで、その要因についての詳しい調査や分析は行われてこなかったように思うのです。…

日本国にも国民投票制度を

先日、EUのリスボン条約の批准に関してアイルランドで国民投票がおこなわれ、国民のNOの意思が表示されました。ヨーロッパ諸国では、国民の自由や権利に関わる重要な決定に際し、国民投票を実施する国が少なくありまん。昨今の政治状況を見ますと、日本国も…

政策の”抱き合わせ販売”は困りもの

自民党の中川秀直氏は、自らの政策綱領として、「移民1000万人計画」を打ち出す一方で、財政政策については、増税ではなく歳出削減路線を主張しているようです。氏の頭の中では、この二つの政策は、新自由主義に基づく一貫性のある政策綱領なのでしょう…

誰かが中国にルールを教えなくては

東シナ海の日中共同開発案は、どこから読みましても中国有利の決着なのですが、それでも、中国の愛国主義者たちは、この案では日本への大幅な譲歩にあたると、ネットに怒りの書き込みを行っているようです。果たして、この怒りは正当な根拠を持つのでしょう…

宝くじ付き国債より財政赤字削減にアイディアを

新聞報道によりますと、財務省内で、個人向け国債として、「くじ付き国債」なる案が浮上していると言います(6月17日付日経夕刊)。これは、利息がつかない代わりに、毎月一度の抽選で賞金が当たるという制度で、イギリスの「プレミアム・ポンド」の模倣…

危険地帯の渡航にはルールづくりを

昨日、イランにて長らく人質となってきた青年がようやく解放されることになりました。イラクでの人質事件の際にも議論になりましたが、政府の邦人保護と個人の責任との関係は、未だに曖昧な部分を多々残しているようです。今後、同様の事件が起こるとも限り…

政府系ファンドの線引き問題

原油価格の高騰を受けてイスラム金融が投資の場を広げており、日本国政府も、優遇税制などを通して、イスラム諸国の政府系ファンドの資金導入を積極的に図ろうとしているようです。その一方で、中国の政府系ファンドの動きは、帝国石油の買収計画の指摘のよ…

日本国政府は北朝鮮の味方?

外交とは、常に、相手国の言い分を聞き、足して二で割る方式で解決することである、と考えている人々が多いように思われます。しかしながら、全ての問題について、この方式が通用するわけではなく、目的を忘れたり、手順を間違えますと、自国の国益がゼロ、…

国民に不安と恐怖心を与える政策

各政党とも、”国民のために”、という枕詞を並べながら、その実、国民に不安と恐怖心を与える政策を立案することが、あまりに多いように思うのです。昨日は、北朝鮮への経済制裁緩和がありましたし、その前日には、自民党から1000万人の移民計画が打ち上…

「よど号」犯人は加害者

テロ支援国家の指定解除を目的として、北朝鮮は、「よど号」犯人の引き渡しを条件に、日本国政府の経済制裁を緩和させ、ひいては、日朝国交正常化交渉に持ち込みたい様子です。しかしながら、「よど号」犯人は、日本国民を裏切って北朝鮮の拉致に協力した加…

皇室が国民の模範ならば

皇室は、国民の模範たるべき、と考えている国民は、決して少なくないはないはずです。皇室こそ、日本人の良心と高い倫理観を世に示す存在であり、そうであるからこそ、2千年以上の長きにわたって、国民の崇敬を集めてきたのだと・・・。しかしながら、最近…

自己中心主義が蝕む現代社会

秋葉原で起きた痛ましい無差別殺人事件をはじめ、近年に発生した残虐な事件は、図らずも、現代社会が抱える病の深さを語っているように思うのです。それは、自己中心主義という病です。 そもそも、人間とは、客観性と主観性の両者によって支えられている存在…

中国政府系ファンドによる帝国石油買収計画の恐怖

イギリスの『タイムス』の報道によりますと、中国の政府系ファンドであるソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)は、日本国の帝国石油を買収する計画を持っているそうです。帝国石油とは、東シナ界のガス田の試掘が許可された、日本国のエネルギー政策の一翼を…

投機志向の金融プログラミングを見直しては

原油や穀物といった商品市場に流れ込んでくる投機資金が、価格の高騰を招くという問題は、全世界の人々の生活を脅かしています。その原因の一つに、金融機関が、債権、株式、不動産、商品などの各種市場における値動きに合わせて、自動的に投資先を切り替え…

移民1000万人計画は日本国の破滅

少子化が進んだこともあって、将来の人口減少を補うために、海外からの移民を増やそうとする計画が、あろうことか、保守政党の自民党からあがっていると言います。この計画を作成された方は、長期的な日本国の将来像について、真剣に考え、国民が納得するよ…

多文化共存と移民問題

文化とは、人一人で作れるものではなく、歴史という長い年月をかけて集団の中で自然に醸成されてきたものです。もちろん、その時代の文化をリードしたり、刺激を与えた才能ある個人もおりましたけれども、それを深く理解し、呼応する多数の人々がいたからこ…

世界遺産制度は文化破壊?

我が国を始めとして、自国の文化や歴史的遺産を、世界遺産に登録しようと躍起になる国や地方自治体は珍しくはありません。しかしながら、その一方で、世界遺産に登録され、国際的な観光地となりますと、歴史の重みが醸し出す雰囲気が薄れ、本来の目的である…

国籍法改正と公的年金制度

昨日最高裁判所で下された違憲判決を受けて、鳩山法相は、国籍法の改正を検討する方針を打ち出したと言います。本来、国籍法に関しては、立法府の裁量に任されるべきなのでしょうが、もし、この法律が改正されるとしますと、それは、公的年金制度の改革問題…

首相は北京オリンピック開会式出席を見送るべき

四川大地震の被害者に対する我が国の救援活動が現地で評価を受けたこともあってか、日中友好が、予想を上回る急速なピッチで進展しているように見受けられます。しかも、それは、少なくとも日本側にあっては、政府レベルで加速しているようなのです。その兆…

NHKの国内より四川大地震優先の不思議

先月に発生した四川大地震は、その死傷された方々や倒壊家屋の数からしても第一級の災害であり、現在も堰き止め胡の決壊という二次災害の危機に晒されているなどニュース性が高く、マスコミが、注目し続けていることは理解に難くはありません。しかしながら…

農政は臨機応変に

1986年9月のウルグアイ・ランド妥結以来、日本国は、お米の全面禁輸を放棄して関税化を受け入れつつも、高率関税の代償として、一定量の米輸入を受け入れることに同意しました。この結果、我が国では、内外の需給状況にかかわらず、義務的にお米を輸入して…

憲法九条論争―どちらが天使でどちらが悪魔?

憲法9条論争に際しては、今日でも、改正反対派と賛成派が、お互いに一歩も譲らず対峙する構図が続いています。特に、平和主義者である改正反対派の人々は、賛成派の人々を”悪魔”呼ばわりしているあり様です。それでは、一体、どちらが天使で、どちらが悪魔…