時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

農業

ソフトバンクに日本の農地市場が掌握される?

本日、日経新聞を読んでおりましたところ、ソフトバンクが”農地支援”に参入するとの記事が目に入りました。この記事から読み取れるのは、日本国の農地市場が、一民間企業に掌握されてしまうリスクです。 ソフトバンクが、マイファームと共同出資で8月に開始…

TPPは農業を救う?

TPPの締結に対する最大の反対理由は、競争力のない国内農業への打撃です。しかしながら、長期的に見れば、TPPが農業を救うというシナリオも、考えられるのではないかと思うのです。 産業界からの後押しがあるように、TPPへの参加は、日本国の企業の輸出競争…

”国家的危機”を招いた責任は

宮崎県を訪問した管首相は、口蹄疫の拡大を”国家的危機”と述べ、終息へ努力してゆく姿勢を示したそうです。政府としての積極的な取り組みは評価すべきことなのですが、こうした事態を招いた責任のほうは、うやむやにされてしまいそうです。 赤松農相の留任を…

赤松農相は政治責任をとるべき

宮崎県で発生し、多大な被害をもたらした口蹄疫について、野党は、赤松農相に対して不信任動議を提出するそうです。疫病の発生と拡大は、自然災害とは性質が異なり、事前に防止し、かつ、拡大を防ぐことができる性質のものですので、やはり、赤松農相の政治…

農家の所得補償と問われる自由化への覚悟

民主党がマニフェストに掲載を予定している農家の直接保障制度は、農村票を獲得するための”ばらまき”政策と非難されているようです。しかしながら、この政策は、農家にとって利益となるのでしょうか。 この政策に疑問を持つのは、農家への所得補償政策とは、…

実は大問題の農政改革

1993年12月に決着したウルウアイ・ラウンド農業合意以来、日本国では、遅ればせながらも食管制度の制度改革が着手されることになりました。しかしながら、近年、農業や食品を取り巻く状況が急激に変化する中で、これまでの小手先の改革では、日本国の農業が…

飽食の時代にさようなら

昨今の相次ぐ食料品や原材料の値上げにより、消費者に加えて、食品会社や飲食店でも、収益の悪化に苦しんでいると伝えられています。当面の対策としては、1.製品やメニューの価格を上げること、2.より安価な材料に切り替えること、そうして、3.量を減…

農政は臨機応変に

1986年9月のウルグアイ・ランド妥結以来、日本国は、お米の全面禁輸を放棄して関税化を受け入れつつも、高率関税の代償として、一定量の米輸入を受け入れることに同意しました。この結果、我が国では、内外の需給状況にかかわらず、義務的にお米を輸入して…

今こそ日本農業の転換点

昨晩、NHKの衛星第1チャンネルで、「穀物高騰の衝撃」というドキュメンタリーが放映されていました。この番組を見ますと、日本の農業が、戦後最大の転換期を迎えていることは確かなようです。 それは、アメリカのエネルギー政策の転換に伴い、穀物生産の目…

小麦値上げは政府のため?

農林水産省は、穀物市場における国際価格の値上がりを受けて、今年の4月より、小麦の国内製粉会社への売り渡し価格を30%値上げするそうです(日経朝刊)。この値上げは、昨年10月に続く二度目のようですが、もし、政府が、単純に値上がり分を上乗せし…

穀物価格上昇は休耕地活用のチャンス

長引く減反政策の影響もあって、日本国の水田の多くが休耕地として放置されている言います。地方と都市との経済格差も政策課題として挙がっていますが、休耕地の有効利用も、地方経済の活性化策に繋がるのではないか、と思うのです。 しかも、現在、石油価格…