時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

閣僚の発言には寛容に

何時の頃からか、閣僚の発言が大きく失言として報じられ、辞任に追い込まれるという事件が頻繁に起きるようになりました。マスコミに取り上げられる中山氏に対する非難の論調と逆の主張のようですが、政治家という職業を考えますと、閣僚の発言の自由は広く…

日教組を封じる一手?

中山前国交相の日教組発言がかくも国民の関心を集めたのも、少なくない数の国民が日教組の弊害を実体験していたからではないか、と思うのです。それでは、どのようにしたら日教組による教育権の私物化をやめさせ、教育を健全化することができるのでしょうか。…

単一民族を形成するにも苦労があった

国交省の大臣職を辞すことになった中山大臣の発言の中で、”単一民族”という言葉も非難の対象となりました。そこで、今日は、”単一民族”という言葉について、考えてみたいと思います。 しばしば、日本人は、単一民族ではない証拠として、縄文人や弥生人の違い…

成田闘争はやはりおかしい

成田闘争を大臣が”ゴネ得”と表現したため、ようやく解決に向かっている矢先の発言として、千葉県の堂本知事は、苦情を申し入れたそうです。それでは、左翼団体による成田闘争が正しい行為であったのか、と言いますと、決してそうとは言い切れないと思うので…

日教組はずるい

中山国土交通大臣が、日教組の活発なところの学力は低い、との発言したところ、即座に日教組の代表者からの苦情が寄せられたと言います。しかしながら、日教組のこの批判は、どこかずるいように思うのです。 常識的に考えましても、教職員組合の活動が活発で…

学力テストの公表論争は論より証拠で

大阪府では、学力テストの公表をめぐって、公表を求める府知事とこれに反対する教育委員会が対立していると言います。茨木市では、既に非公開を決定したそうですが、どちらの方法が教育にとってプラスとなるのかという判断は、論より証拠で、双方の結果を比…

危ない金融商品の見分け方

起きてしまったことを元に戻すことはできませんが、失敗を、今後の教訓とすることはできます。アメリカ発の金融不安は、金融商品の検査が甘かったために発生してしまったのではないか、と思うのです。 今回のバブルの発生と崩壊の特徴は、”証券化”という手法…

金融リスクの移転先は政府?

日本国の財政赤字は今年も増え続け、政府の累積赤字は、今年度末には553兆円に達する見込みと言います。何故このような巨額の財政赤字が発生したのか、と言いますと、バブル崩壊で失った”富”を財政で補填しようとしたからなのではないか、と思うのです。 戦…

麻生政権におけるインド洋給油活動継続法案の行方

本日、自民党の総裁選挙が行われ、麻生太郎氏が、第23代の総裁に選出されました。このことにより、麻生政権が発足することになるのですが、インド洋での海自による給油作業の行方は、どうなるのでしょうか。 昨年の期限切れにあっては、連立与党は、衆議院…

死刑廃止と靖国問題のシンメトリー

死刑廃止と靖国神社の分祀問題、一見、全く関係のないテーマのように見えますが、この両者は、シンメトリーを構成しているのではないか、と思うのです。 なぜならば、死刑廃止論者は、生きている人々に最大限の寛容を求める一方で、A級戦犯の分祀論に反対す…

閣僚人事を能力テストのチャンス

新たな政権が誕生するたびに、政界では、閣僚人事に注目が集まります。従来の感覚ですと、閣僚就任とは、政治家人生の花道であり、いわば、最後に辿りつくべき名誉職であり、派閥力学の産物であったのかもしれません。しかしながら、のんびりした時代は遠に…

日本国はMDの開発・配備強化を

今年8月に起きたロシア軍のグルジア侵攻により、冷戦が崩壊したにもかかわらず、ロシアがソ連時代と変わらず覇権主義国家であることが明らかになりました。もう一つの隣国である中国もまた、改革開放路線を内外に宣伝しながらも、軍事拡張路線を放棄したよ…

伝統文化を破壊するNHKの不思議

7時のニュースの前に、NHKでは、わずかながらも自局の番組を宣伝する時間を設けています。二日ほど前にもこの時間帯に、俳句についての新番組を紹介していました。そこで驚いたことは、そこに映し出されたスタジオが、俳句の世界とは全く別世界であったこと…

金融市場改革には慎重に

つい最近まで、国際競争力を強化するために、証券市場、商品市場、外国為替市場の垣根をなくし(将来的には排出権取引市場も?)、総合市場を造ろうとする改革案が提案されていました。しかしながら、経済を取り巻く状況が大きく変化した現状にあって、はた…

止める勇気を歴史から学ぼう

本日、リーマン・ブラザーズの破綻のニュースが駆け巡り、世界同時株安の様相を呈しているようです。経済においても、90年代のわが国のバブルに際しても、誰もが、この状態は続く続くわけがない、と思いながらも、誰も止めることができませんでした。何故…

A級戦犯のみ分祀する理由とは

靖国神社につきましては、A級戦犯の分祀論が唱えられており、分祀に賛成の意見も少なくありません。しかしながら、「平和に対する罪」であるA級戦犯を切り離す根拠は、実のところ、明確ではないと思うのです。 何故ならば、もし、「平和に対する罪」を問うな…

実は大問題の農政改革

1993年12月に決着したウルウアイ・ラウンド農業合意以来、日本国では、遅ればせながらも食管制度の制度改革が着手されることになりました。しかしながら、近年、農業や食品を取り巻く状況が急激に変化する中で、これまでの小手先の改革では、日本国の農業が…

学力テスト公表に反対する教育委員会の根拠とは

全国学力テストの結果の公表については、特に、市町村の教育委員会からの反対が強いようです。しかしながら、もし、国民の多数が公表を望んでいるとしたならば、教育委員会には、公表に反対する理由がないのではないか、と思うのです。 教育委員会は、戦後、…

北朝鮮の国民に体制の選択を

ニュース報道によりますと、北朝鮮の体制崩壊を視野に入れて、米中間で事後策が話し合われたと言います。中国が関与する時点で、民主化が困難となることは予測できるのですが、本来ならば、やはり、北朝鮮の国民が自分の国の体制を選択するのがベストではな…

主体思想破綻の象徴

北朝鮮という国は、共産主義のみならず、主体思想という特異な思想によって支えられていると言われています。この思想を生みの親である黄氏は亡命し、思想としては既に破綻しているのですが、未だに金独裁体制の維持のために国民には刷り込まれているようで…

北朝鮮の体制崩壊のチャンスは来るのか

かねてより金総書記の健康不安説は囁かれていながらも、今回の重病説(死亡説も・・・)には、かなりの信憑性があるようです。もし、この説が事実であるとしますと、その後の展開には、いくつかのシナリオが考えられます。 第一のシナリオとは、総書記職、あ…

基礎年金は全額税方式しか選べない?

自民党総裁選挙の最有力候補である麻生氏が、公的年金制度については、消費税を財源とした全額税方式を主張していることはよく知られています。一方、民主党の代表に選出された小沢氏もまた、この問題については、基本政策として全額税方式を唱えているので…

見栄っ張りな国家の不徳

ニュース報道によりますと、中国政府は、国威発揚のために”神舟”をはじめとした宇宙開発を行い、北朝鮮は、明日の建国記念日のために大々的な軍事パレードを行うと言います。ロシアもまた、国家の威信や面子に敏感な点において、こうした”見栄っ張り国家”の…

福田首相と北の湖理事長

政界の福田首相と角界の北の湖理事長とは、辞任をめぐる両極端の事例となりそうです。何故ならば、前者は、あっさりと首相の座を降りてしまい、後者は、その逆に、理事長の座にしがみ付いているのですから。 どちらをとりましても、あまり褒められたものでは…

自民総裁選では外交政策も判断基準に

自民党総裁選挙では、これまでのところ、5人もの方々が立候補を表明しておりますが、マスコミの多くは、各候補者の経済政策の違いにスポットを当てているようです。しかしながら、国際情勢も流動化を見せている時期でもあり、外交政策を論じないことには、…

政治と経済に引き裂かれる国家

近年に至って、はっきりしてきたことは、国家が、政治と経済のはざまで引き裂かれそうになっていることです。この現象は、我が国のみに限ったことではなく、すべての国に共通の問題になりつつあります。 それは、安全保障を担う政治的な同盟の枠組みと、繁栄…

国民に責任を持つ首相を

大統領制の利点とは、大統領が、自分自身を選んだ国民に対して、直接責任を負うところにあります。議院内閣制ですと、議会が首相を選出しますので、国民との関係は、間接的になってしまうのです。 近年、首相が、任期を全うせずに辞任表明するパターンが続き…

お相撲から伝わる危機のシグナル

お相撲は、日本国の国技であり、その起源を辿りますと神事に行き着きます。ところが、近年になって、お相撲界から、次から次へと良からぬ事件の報道が聞こえてくるようになりました。これは、お相撲界が、数年来の危機にあることのシグナルなのではないでし…

福田首相辞任の吉凶

昨日、突然に福田首相が辞意を表明され、日本中が驚きに包まれることになりました。無責任とする批判が渦巻いてはいますが、首相の辞任がマイナスとはならないシナリオもないわけではありません。 外交面から見ますと、福田首相の就任以来、中国への傾斜が急…

全国学力テスト公表を阻むのは?

全国学力テストの結果、大阪府の成績が芳しくないことから橋下知事は、教育非常事態宣言を発する方針とのことです。この報道で興味深いことは、テストの結果の公表の有無が論点となっていることです。果たして、文部科学省の方針通り、テスト結果を公表しな…