時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

全国学力テスト公表を阻むのは?

 全国学力テストの結果、大阪府の成績が芳しくないことから橋下知事は、教育非常事態宣言を発する方針とのことです。この報道で興味深いことは、テストの結果の公表の有無が論点となっていることです。果たして、文部科学省の方針通り、テスト結果を公表しないことが、教育上、より望ましいことなのでしょうか。

 教職員組合や一部の識者の説明ですと、テスト結果の公表は、学校間の格差につながり、何よりも、子供達の心に深い傷を与えるというものです。しかしながら、よく考えてみますと、成績の良し悪しに敏感に反応するのは大人の方であって、子供達は、さして気にしていないかもしれないのです。今も昔も、クラスの人気者は、必ずしも成績優秀な子というわけではありませんし、成績が悪くても、体育が得意であったり、おもしろい性格であったりと、子供達は、様々なものさしでお互いを認め合うものです。子供時代の方が、大人よりもおおらかであったことを記憶している方も多いはずです。

 にもかかわらず、子供達の心を持ち出して、テスト結果の公表に否定的な見方をするのは、もしかしますと、親御さんや先生方が、他の学校と比較されるのを嫌がっているからかもしれません。つまり、大人の見栄が、子供達の教育レベルのアップを阻んでいるのかもしれないのです。市町村別でも学校別でも、テストの結果を公表し、より良い成績を採れるように頑張る機会とした方が、よほど、子供達のためになるのではないか、と思うのです。

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