時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

実効支配優位は戦争への道

 現在、国際情勢は、実効支配、つまり、力で占領した方が有利となる方向に動こうとしているように見受けられます。ロシアによるグルジア侵攻のみならず、韓国では、竹島の領有権主張に加えて、対馬の領有さえ主張していると言います。この過激な行動の背景には、隣国に工作活動を行い、言いがかりをつけて軍を派遣したものの勝ち、という強欲な思想が潜んでいるようなのです。

 実効支配が法の支配よりも優位となれば、それは、戦争の合法化、あるいは、国際社会における法秩序の崩壊と等しくなります。それにも拘わらず、普段は、憲法第9条の死守を唱えている人々も、ロシアや韓国の言い分に同調したり、理解を示したりしているのです。たとえ、日本国が、第9条を守っていたとしても、国際社会において、実効支配優位の原則が確立すれば、戦争や軍事占領は頻発することになります。もちろん、第二次世界大戦におけるナチス・ドイツの侵略行為を、誰も、咎めることができなくなりましょう。もはや、法が意味を持たなくなり、日本国を含めてすべての国が、自らの軍事力で、領土や国民を守るしか術がなくなるのです。

 平和を望むならば、実効支配優位の確立には、強く反対しなくてはなりません。この原則が確立する時、それは、弱肉強食の世界に人類が引き戻される時なのですから。

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