時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

NHKも”パーキンソンの法則”に従う?

公共放送であるNHKもまた、官僚組織の欠点として指摘されている”パーキンソンの法則”からは逃れられないようです。本日の新聞に、NHKの福地会長のインタビューが掲載されており、地上デジタル投資と年金積立額の不足により、2011年までは、受信料を値下…

空港外資規制の基準案

我が国の空港外資規制については、対日投資への影響を考えて、今国会では法案には盛らず、一先ずは見送りとなるそうです(本日付日経新聞朝刊)。現在、EUは、政府系ファンドの基準づくりを進めているそうですが、空港施設に関する外資規制の議論もまた、こ…

N.Y.フィル訪朝に見る北朝鮮の限界

昨日、アメリカのニューヨーク・フィルが北朝鮮のピョンヤンを訪問し、北朝鮮要人を前に講演したことがマスコミを通して報じられています。しかしながら、この”バイオリン外交”なるもの、あるいは、北朝鮮の妥協の限界を示す、シグナルかもしれないのです。 …

肝心なことを聞かないマスコミの世論調査

しばしばマスコミ各社は、政治に関する世論調査を行い、その結果を公表しています。世論の動向が明らかであることは民主主義には不可欠なのですが、最も重要な事柄については、何故にか、スルーされているようなのです。 例えば、人権擁護法案や永住外国人へ…

開かれた皇室の大いなる矛盾

戦後一貫して、”開かれた皇室”は、皇室と国民との距離を縮め、皇室が、国民に親しまれる存在となるための基本方針となってきました。昭和天皇は、地方に行幸されて近しく国民と親しみ、今上天皇は、民間から初めてお妃を迎えられました。こうして、戦後の皇…

カジノの合法化で日本が悪化する

日本人が悪くなったのは、女性が劣化したせいである、と非難されることがあります。昔の女性は、躾に厳しく、曲ったことは許さなかったと・・・。ところで、現在、カジノの合法化が、各政党で前向きに検討されていると報じられていますが(本日付産経新聞朝…

創価学会は弁明できる?

本日の新聞の朝刊に、中国の唐家璇国務委員と創価学会の名誉会長が会談を設け、日中関係の友好促進について言葉を交わしたとする記事が掲載されていました(本日付産経新聞)。この行為は、日本国の外交政策に宗教団体が口を挟んでいることになりますので、…

事実を事実として認識できない中国

毒入り餃子事件については、日中両国の警察当局が捜査協力に合意しつつも、中国当局は、なかなかメタミドホスの混入地が中国であることを認めようとはしないようです。この頑固な態度には、中国政府のイデオロギー絶対のメンタリティーが影響していると思わ…

資源高が日本経済を襲う

本日 ニューヨークの原油価格が101ドル台の最高値を記録し、これに関連して、日本国の貿易紀赤字も1年ぶりにマイナスに転じたとする記事が、夕刊の一面に踊りました(本日付日経夕刊)。もちろん、この最たる原因は、投機筋による原油の先物買いらしいの…

日韓海底トンネルへの不安

先日、政界では、日韓海底トンネルを推進するための超党派の議員連盟が発足したと言います。統一教会の暗躍や経済的にも採算性がないことが指摘されていますが、我が国の安全保障を考慮しましても、安心できないプロジェクトなのではないか、と思うのです。 …

”愛国無罪”が毒入り餃子事件を生む?

中国で発生した反日暴動に際して、”愛国無罪”というスローガンが声高に叫ばれたことは、記憶に新しいところです。このスローガンには、たとえ犯罪行為であっても、愛国心から出たものは無罪であるべき、という意味が込められていますが、毒入り餃子事件の背…

独裁者の面子は国民を不幸にする

米紙の報道によりますと、世界最悪の独裁者に、北朝鮮の金正日が選ばれたと言います。北朝鮮では、今日でも、時代遅れな特異な思想による全体主義体制が続いており、独裁者による国民弾圧は誰の目にも明らかです。それにもかかわらず、何故、かの国は、消滅…

ゆとり世代の若者は教育政策の犠牲者

何年か前のテレビ番組で、中国の文化革命に際して”下放”された中年世代の人々が、自分たちの世代は、教育も充分に受けることができず、今では、社会のお荷物扱いされている、と嘆く姿が放映されたことがあります。今日、我が国でも、ゆとり教育を受けた若者…

ETFの金融新商品は大丈夫?

金融庁は、原油先物価格や不動産投資信託(REIT)と連動する新たなタイプのETFの設定を許可する方針と言います(本日付日経新聞朝刊)。果たして、これらの商品は、”安全”なのでしょうか? ”安全”と言いましても、金融商品の購入者に対する”安全”と、市場全…

宗教法人の認定にも安全基準を

本日、オウム真理教の幹部であった林泰男被告の死刑が確定したとのニュースが報じられました。オウム真理教が、宗教法人の認定を受けていたことを考えますと、この事件は、まことにそら恐ろしいと思うのです。 そもそも、宗教法人の認定とは、いわば、宗教集…

中国政府系ファンドの上陸は無問題?

新聞報道によりますと、渡辺金融担当相は、中国政府系ファンドによる日本企業への投資を歓迎するとの談話を公表したと言います(本日付日経朝刊)。中国政府系ファンドの”安全性”を、日本国の政府が保証するような発言なのですが、本当に、大丈夫なのでしょ…

成人年齢と精神年齢とのギャップ

日本人は、大人になる時期が遅い、あるいは、大人になりきれないネオテニーである、という説があります。言われてみますと、確かに、日本人には、自分自身も含めて、どこかに子供っぽい無邪気な心を残している人が多いのかもしれません。 ところで、最近とな…

年金制度の可能性

全額税方式も検討すべき提案なのですが、他にも、様々な工夫や改革が考えられます。路線を一つに絞り込む前に、まずは、アイディアを集めることが大事なように思うのです。 年金制度とは、勤労者が退職後の老後になって、生活費に困らないために設けられてい…

ビルマに国造りのチャンスを

ビルマの軍事政権は、ようやく国際社会の批判に応えるかのように、新しい憲法を制定し、民主的な選挙を実施する方向に歩み始めようです(本日付産経新聞朝刊)。民主化への重要な一歩を踏み出したようにも見えるのですが、昨年の国民弾圧事件を思い出します…

基礎年金の全額税方式の問題点

基礎年金の全額税方式については、民主党や経団連をはじめとして、自民党の麻生氏も消費税率10%を前提に賛成を表明したと言います。それでは、この全額税方式には、何らの問題や心配事もないのでしょうか。 予測される問題点として、第一に、財源が、安定…

北朝鮮と交渉すると前近代国家になる?

新聞報道によりますと、平成14年9月の日朝交渉際しての外務省の記録文章が、二回分にわたって欠落していると言います。しかも、この欠落部分は、拉致問題や経済協力問題といった、特に重要な内容が話し合われた日のもののようなのです(本日付産経新聞朝…

お相撲は神様が見ている

若手の力士さんが、相撲部屋の兄弟子等の暴行により、わずか17歳にしてこの世を去ると云う痛ましい事件が発生しました。この事件もまた、相撲部屋という密室が生んだ悲劇と言えるかもしれません。 昔の人々は、よく”神様、仏様が見ていらっしゃる”と言った…

中国系教員による日本の大学教育?

週刊誌の記事によりますと、近年、日本国の大学などで急激な勢いで中国人教員数が増加し、現在では、2507人にものぼっていると言います(週刊新潮2月7日号「変見自在」)。この記事が事実であるとしますと、日本国の大学教育、ならびに、将来の国民性…

公明党と現世ご利益主義

宗教とは、とかくに一括りで捉えられがちですが、実際には、教義によって千差万別です。例えば、キリスト教や大乗仏教のように博愛的な万民救済を求めるものもあれば、小乗仏教のように修行者個人の悟りに力点が置かれている宗教もあります。さらに、彼岸に…

公の”悪”とは私の優先

しばしば”悪”の定義は難しい、と言われます。しかしながら、政治や行政といった公的分野における”悪”の定義付けは、それ程難しくはなく、古今東西、共通しています。それは、国家国民のためにあるべき公の権力を、私利私欲のために用いる、ということです。 …

格差是正より公平な評価を

現在、”格差是正”は、どの政党も、国民の注目を集めるため政治的なスローガンとして掲げています。しかしながら、”格差”の対象を限定した上で、是正手法を慎重に検討しませんと、個々人の顔がない”均質化社会”を招いてしまうと思うのです。 そもそも、格差是…

今こそ日本農業の転換点

昨晩、NHKの衛星第1チャンネルで、「穀物高騰の衝撃」というドキュメンタリーが放映されていました。この番組を見ますと、日本の農業が、戦後最大の転換期を迎えていることは確かなようです。 それは、アメリカのエネルギー政策の転換に伴い、穀物生産の目…

国籍と外国人差別の自己矛盾

現在、自民党の「国籍問題に関するプロジェクトチーム」の取りまとめにより、永住外国人の国籍取得を許可制から届け出制へと変更する法案が、議員立法で提出される方向にあるそうです。(本日付産経新聞)。届け出制への変更は、国民の枠組みに関する政府の…

外交機密費疑惑の解明方法

昨日、外交機密費の不開示処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審が東京高裁であり、「公になれば不利益」ということを理由に、開示対象の大幅限定を認める判決が言い渡されたそうです(本日付産経新聞朝刊)。そもそも、この問題、外務官僚等の不正蓄財や私的…