時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

お相撲は神様が見ている

 若手の力士さんが、相撲部屋の兄弟子等の暴行により、わずか17歳にしてこの世を去ると云う痛ましい事件が発生しました。この事件もまた、相撲部屋という密室が生んだ悲劇と言えるかもしれません。

 昔の人々は、よく”神様、仏様が見ていらっしゃる”と言ったものです。これは、誰が見ていなくても、神様や仏様はお見通しなのだから、悪いことをしてはいけない、ということを教える時に使った言葉です。しかしながら、現在という時代にあっては、この言葉を信じる人々もいなくなり、”誰も見ていないなら、悪いことをしてもよい”、と考える人が増えてしまったように思うのです。密室が悪の巣窟となるならば、それを防ぐには、誰からも見えるように透明化するしかありません。

 犯罪行為を自分で抑制できない場合には、他律するしか方法がなくなってしまいます。神事であるお相撲なのですから、常に、ご覧になっている神様に恥じない行いに努めていただきたいと思うのです。