時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

マニフェストは提出予定の法案リスト?

新聞等を見ますと、マニフェストは、”政権公約”と表現される傾向にあります。しかしながら、マニフェストの形式が、一括選択の”抱き合わせ販売”であることを考慮しますと、与党が、国会に提出を予定している法案リストと捉えた方がよいのではないかと思うの…

尼崎脱線事故―JR西日本のためのささやかな弁明

JR福知山線脱線事故については、事故発生当初からJR西日本に対する厳しい報道姿勢があり、マスコミもこぞって会社責任を追及してきました。昨日も、調査情報の漏えい問題で、袋叩きにあっていました。しかしながら、敢えてJR西日本を弁護するとしますと、事…

自民党総裁―谷垣氏で大丈夫?

先の衆議院選挙での結果を受けて下野した自民党では、谷垣氏を新たな総裁として選出したそうです。谷垣氏は、総裁選挙にあっては、保守本流への回帰を訴えておりましたが、国民一般の保守層を引き付けることができるのか不安なところです。 谷垣氏の政策方針…

定住外国人参政権―行き過ぎた要求?

現在、在日の韓国・朝鮮の人々は、社会福祉を始めとして、日本国による様々な行政サービスを受けています。また、朝鮮学校などの民族系の教育機関も設立が許可されている上に、本国政府の出先機関のような民団や総連まで存在しています。ここまで優遇されな…

国家戦略局は違憲だった?

民主党政権の成立とともに国家戦略局が設置されつつも、その存在意義や権限が曖昧であり、すでに開店休業の状態とも伝わっております。考えても見ますと、そもそも、この国家戦略局の合法性が怪しいとも思えてくるのです。 何故怪しいのかと申しますと、国家…

藤井財務相の発言は中国への間接支援?

藤井財務相は、円安政策には否定的な見解を示したそうです。もちろん、外国為替市場への政府介入による円安誘導は必ずしも評価されることではありませんが、その一方で、中国や韓国が、自国通貨安政策で、輸出競争力を不当に高めていることも事実です。 中国…

国内の合意なき25%削減表明の行方

昨日の鳩山首相の温暖化ガス25%削減表明は、各国から賞賛を受けているようです。それもそのはず、これまで、国際社会では、各国が負担の押し付け合いを演じてきたのですから、自ら大きな負担を引き受ける上に、諸外国に資金・技術の支援まで申し出た日本…

グローバル化で移民政策が不要になる先進国

新聞などには、日本国の移民受け入れ政策は今後”不可避”になるとする説がしばしば掲載されています。しかしながら、グローバル化が進むほどに、日本国をはじめ、先進国の雇用は減少する傾向に向かいますので、本当は、移民受け入れ政策も少子化政策も、いら…

子供手当は誰のもの?

民主党は、選挙のマニフェストに、子供一人当たり、二万五千円を支給するという子供手当の創設を掲げていました。この政策を実現させたいようですが、子供手当という制度には、いくつかの問題点があるようなのです。 その一つは、子供手当は誰のものであるの…

定住外国人への生活保護支給は法律違反?

定住外国人への参政権付与に、民主党の小沢幹事長は積極的な姿勢を示したと報じられています。在日韓国・朝鮮人の人々は、自己の権利主張には熱心ですが、日本国政府は、戦後、必ずしもこれらの人々を冷遇してきたわけではないと思われるのです。 たとえば、…

外国人地方参政権―”国民が主役”の試金石

報じられるところによりますと、民主党の小沢幹事長は、通常国会で定住外国人に地方参政権を与える法案を提出する意向を示したと言います。この問題については、国民の多数が反対との世論調査がありますので、民主党の姿勢をはかる試金石となると思うのです。…

人権救済機関による人権侵害を国際人権委員会が救う?

千葉景子法相は、就任に際して人権擁護法の制定に前向きな意向を示したと伝わります。民主党のマニフェストには、(1)人権侵害の個人通告制度を定めた国際人権条約議定書の批准と、(2)国内的には人権救済機関を設置が記載されていましたが、人権擁護法…

空しい温暖化ガス削減努力

人間とは、自らの苦労が実を結び、その成果を実感してこそ、努力のし甲斐があるというものです。しかしながら、こと温暖化ガス削減に関しては、払った犠牲の大きさにも拘わらず、空しい努力となる可能性があるのです。 一時期よりも地球温暖化現象については…

政権と政策の同時選択は無理

民主党政権は、マニフェストへの記載を盾に、国会での議論を経ることなく、インド洋の給油活動からの撤退を表明したようです。しかしながら、現在の選挙制度には、政権と政策を同時に選択できないという根本的な欠陥があることを考えますと、マニフェストの…

民主党政権に自由と民主主義の尊重を願う

鳩山首相は、政権交代の意義について、官僚が支配した政治から”国民が主役”の政治への転換を訴えてきました。これから発足する政権が、どのような政策を行うかは未知数ですが、日本国が、自由と民主主義を尊重する国柄であることだけは、忘れないでいただき…

首相の資格条件は厳格に

大統領制を採用している国では、憲法に大統領の立候補資格を明記し、国を外国に売ったり、国家や国民に不利益を与えるような大統領が誕生しないよう、予め予防線を張っています。その一方で、議院内閣制を採っている国では、こうした資格に関する規定があり…

鳩山政権はチベット・ウイグル問題を提起できるのか

鳩山代表は、衆議院選挙に先立って、首相に就任しても靖国神社には参拝しないと明言しているようです。おそらく、先の戦争を「村山談話」を引き継いで、”侵略戦争”と見なしているのでしょう。それでは、中国によるチベットとウイグル侵略については、どのよ…

保守層を突き放す自民党の不思議

昨日、河野太郎氏が総裁候補として擁立されるとの方針が伝えられ、自民党の民主党化を懸念したのですが、本日の報道によりますと、谷垣氏もまた総裁選挙に立候補する予定とのことです。谷垣氏と言いますと、中国との不適切な関係が問題視されていたと記憶し…

自民党の民主党化―”国民が先か、政党が先か”

自民党内では、若手議員を中心として、河野太郎議員を総裁に担ぐ案が浮上しているそうです。もし、河野総裁が誕生するとしますと、自民党は、さらにリベラル色が強まり、やがて民主党化してしまうのではないか、と思うのです。 自民党の民主党化現象は、既に…

インド洋給油撤退の代案は自衛隊のアフガン派遣では

民主党は、インド洋給油活動から撤退する代わりに、何らかの貢献策を提示する方針と報じられています。この代案は、アフガニスタンへの自衛隊派遣とすべきなのではないかと思うのです。 そもそも、日本国の経済力も、国際社会の安全あってのことであり、国境…

チルドレン政治家と一票の格差

しばしば、”一票の格差”をめぐって裁判が起こされてきましたが、有権者の間で票の重みが変わるのは、選挙区の区割りだけではありません。政党内の議員間の力関係の方が、はるかに大きな一票の格差を生んでいるのです。その象徴と言えるのが、”チルドレン政治…

国家戦略局の”教育戦略”とは?

民主党は、政権発足後において、政府内部に各省庁を統括する「国家戦略局」なる機関を設置する方針とのことです。この機関に関する説明は二転三転し、官庁の”ムダ使い”を監視し、予算の組み替えを行う機関とも、外交、安全保障、産業、財政、教育…などの基本…

鳩山代表の国際公約はスタンド・プレー?

温暖化ガス削減目標について、鳩山代表は、国際社会に対して90年比で25%の削減を約束する方針とのことです。しかしながら、マニフェストへの記載はあるものの、国会とも諮らず、国民や産業界の合意を取り付けることもなく、首相が国際公約を行う権限は…

温暖化ガス削減は地球次第

最近、地球温暖化現象について、新たな学説が唱えられているそうです。それは、人類が温暖化ガスを排出しているお陰で、小氷期の到来を防いでいるというものです。もし、この説が正しければ、小氷期の間に削減技術を確立すればよいということになりますので…

変質する民主党

衆議院選挙から1週間が経ち、民主党新政権の内閣や党内の布陣がだいぶ国民にも見えるようになってきました。そこで感じることは、民主党が、小沢幹事長の起用で、選挙後に大きく変質するのではないかということです。 選挙期間にあっては、西松建設事件への…

中国は通貨統合よりも元の国際通貨化を狙う?

民主党政権は、東アジア共同体の枠組みで通貨統合を目指すと主張しています。しかしながら、中国にとっては通貨統合のメリットは低く、むしろ、人民元の国際通貨化を狙うのではないかと思うのです。 国際通貨の認定には、定まった基準や条件があるわけではな…

健全な保守政党の育成を

自民党の大敗を受けて、来年の参議院選挙の結果次第では、自民党が消滅するのではないかという憶測まで流れているようです。民主党政権の誕生には、政権交代可能な政治システムの実現という意義が強調されながら、もし、懸念される事態が起きるとしますと、…

民主党の政治主導型は行政の独立性を侵害する?

官僚組織をよく観察してみますと、様々な役割を同時に果たしていることが分かります。)[Г亮更圈↓∨[Г篝策の立案、審判者、ぅ轡鵐タンク…などです。一般には、,亮更垉ヾ悗箸気譴討い泙垢、日本国では、△量魍笋肥大化したため、官僚主導型の政治として厳し…

民主党の政治主導型に潜む危うさ

昨日、NHKのクローズアップ現代という番組で、民主党の当選議員の方々が、政治主導に向けて官庁での活動を始めたことを特集しておりました。しかしながら、この活動ぶりから、改革の背後にある危うさをも透けて見えたのです。 番組には、母子加算の復活に…

グローバル化を否定した東アジア共同体とは?

民主党の鳩山代表は、グローバル化を否定した上で、政権発足後の対外政策として積極的に東アジア共同体の建設に取り組むと伝えられております。鳩山氏代表が、アジアの市場統合ではなく、通貨統合を強調する理由は、アジアの現状を見ますと、必ずしも地域の…