時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

変質する民主党

 衆議院選挙から1週間が経ち、民主党新政権の内閣や党内の布陣がだいぶ国民にも見えるようになってきました。そこで感じることは、民主党が、小沢幹事長の起用で、選挙後に大きく変質するのではないかということです。

 選挙期間にあっては、西松建設事件への国民の批判から、小沢氏は、表に立って党の顔として活動することを控えていたようです。この作戦が功を奏してか、民主党から、利権政治のイメージが遠のき、官僚政治からの脱却や予算の無駄をなくすなど、政治制度の刷新の担い手としての期待が高まることになりました。しかしながら、いざ、民主党が誕生してみると、小沢氏は、再び党の中枢に返り咲くようです。この再登場に、何か騙されたような感覚に襲われる国民も少なくないはずです。官僚組織と結託して利権を漁ってきた小沢氏が党内で君臨するのですから、マニフェストで掲げたクリーンでフェアな制度に向けての改革は、実際に実現するのか心配なところです。

 如何なる物事も、時間とともに変化するものです。しかしながら、改革の旗手と銘打って登場した民主党が、早くも変質を始めるとしますと、国民の不安はさらに深まるように思うのです。シャドー・キャビネットという制度もありましたが、選挙に先立って、各政党は、政権発足後の青写真を公表すべきなのかもしれません。

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