時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

南シナ海問題の焦点ずらし―本質は中国の違法行為

南シナ海における中国の一方的な人工島の建設と領海宣言は、アメリカによるイージス艦ラッセルの派遣という事態に発展しました。この一連の流れに対して、ネット上では、”米中対立構図”を印象付ける見解が散見されます。しかしながら、この見解、焦点を巧妙…

「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:‘価値観’をめぐる国家と国際機関との対立問題

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。10月27日付本ブログにて、「世界遺産」の登録をめぐるユネスコの一方的な価値判断の‘押し付け’問題を指摘させていただきました。 さらに、仮に、このような国際機関による価値観の強…

東住吉事件-再審でも有罪となる可能性

マスコミでは、無罪確定のような報道ぶりですが、東住吉事件は、再審が認められても有罪判決が出る最初のケースとなる可能性があるのではないかと思うのです。 刑事事件では、状況証拠だけでは有罪判決を出すのは難しいとの指摘があり、兎角に、動かぬ証拠と…

疑問に満ちた東住吉事件の再審決定

今から20年ほど前、大阪市東住吉区では、小学6年生の女児が自宅の車庫での出火により、隣接する風呂場で死亡する事件が発生しました。この事件、犯人は、同居していた母親とその内縁の夫とされていましたが、先日、再審が決定されたことから、俄かに注目を…

「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:「世界遺産」の認定問題に隠された「価値観」の‘押し付け’問題

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。10月20日付本ブログにて、仮に「世界政府」が成立した場合の脅威の問題と関連いたしまして、ユネスコによる「世界遺産」の認定問題が、その先駆となるような事例である点について指…

”虐待”から読み解く独裁者のメンタリティー

昨日は、虐待が脳に対して与えるダメージを、暴力主義が支配する”虐待国家”における国民の立場に当て嵌めて考えてみました。本日の記事では、”虐待国家”の国家体制から独裁者のメンタリティーを分析してみようと思います。 昨日の記事で指摘したように、”虐…

恐怖政治は国民の脳にダメージを与える

福井大学の研究によりますと、虐待を受けながら育った子供の脳には、(1)視覚的感情処理の部位と(2)やる気や意欲に関わる部位に未発達が見られるそうです。この研究結果は、環境と脳機能との関係を示唆していますが、家族に限らず、国家レベルでも同様…

NHK受信料義務化の意図は?

総務省では、NHKの受信料のあり方等を議論するために、有識者会議を設けるそうです。自民党の小委員会では、既に、受信料の義務化が提言されておりますが、その狙いは、一体、どこにあるのでしょうか。 契約自由の原則からしますと、公共放送とはいえ、NHKと…

訪英で時代錯誤を印象付けた中国

イギリスを国賓として訪問している習近平国家主席は、思わぬ沈黙に動揺したかも知れません。英国議会での演説では、拍手が一度もなかったというのですから。 英国議会の演説では、第二次世界大戦時の”英中共闘”をアピールし、晩餐会のスピーチに至っては、日…

中国の対英急接近の意図は?

今般の中国の習近平主席の訪英は、どこか唐突なイメージを受けます。政治的なタイミングからしますと、先日の訪米を機に、米中関係が決裂状態に至ったことも、中国の”焦り”の原因の一つではないかと思うのです。 南シナ海では、アメリカが「航行の自由作戦」…

中国格下構図の訪英晩餐会写真

イギリスを国賓として訪問している中国の習近平主席は、イギリス側からの手厚いもてなしを受けたと報じられております。晩餐会の写真も公表されておりますが、中国国民は、この写真に何を思うのでしょうか。 中国側としては、習主席がイギリスから大歓待を受…

「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:「世界遺産」問題から見えてくる「世界政府」の恐怖

今日は、歴史家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。10月6日付本ブログにて、「神様志向型人類god (goddess)-minded human」と「野獣型人類 beast human」が、この地球上に併存しているがゆえに、仮に、「世界政府」なるものが成立した場合の「世界…

”南京大虐殺”記憶遺産登録への対抗策

中国が申請していた”南京大虐殺”関連資料のユネスコ記憶遺産登録が凡そ決定された件について、日本国の外交的敗北との意見も聞かれます。登録阻止に向けての動き出しも遅く、全てが後手になってしまったからです。 もっとも、後手であるからといって、悪手で…

中韓の歴史問題と黒歴史隠蔽説

ここ数年来、日本国は、”30万人南京無差別大虐殺説”や”20万人慰安婦強制連行説”といった中韓が提起する”歴史問題”に悩まされてきました。ユネスコの記憶遺産への登録問題も発生し、国民の関心を集めていますが、この件に関して、最近、論点をずらした見解を…

”アルメニア人大虐殺”が記憶遺産に申請されたら

信憑性が極めて怪しい中国が申請した”南京大虐殺関連資料”が、ユネスコ記憶遺産に登録がほぼ決定された件について、ユネスコの政治利用が批判されております。この制度、このままの状態では、平和どころか、全世界に争いの種を蒔くことになるのではないかと…

「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:進化論から見えてくる民主主義・自由主義制度も「隷従への道」となる可能性

今日は、歴史家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。進化論から人類を観察してみますと、この地球上には、「神様志向型人類god (goddess)-minded human」と「野獣型人類 beast human」が併存していることになるのですが、この併存問題は、民主主義・自…

「国民連合政府構想」は中国の対日政策では?

安保関連法案反対運動の流れから、突如として出現した「国民連合政府構想」。来年の参議院議員選挙を睨んで共産党が提唱した構想ですが、この構想、中国の対日政策の一環なのではないかと思うのです。 民主党の一部は、共産党の提案に賛意を示しておりますが…

舛添知事の”問題はない”発言は問題

東京都が1億3000万の予算を割いて作成したロゴ・キャッチコピー「&TOKYO」。キャンペーン事業を含めた関連予算は、5億円にも上るそうです。 ところが、作品の発表後、オリンピック・エンブレムと同様の”パクリ”問題が発生し、ニュージーランドの弁護士事…

「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:社会・共産主義の脅威は去っていない

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。10月9日付本ブログにて、社会・共産主義体制は、論理的には成り立たないにもかかわらず、その体制を維持している国々や信奉者が、現在でも存在している点につきましては、むしろ、チ…

”日本の美”はテレビの色使いから

日本国政府は、2020年に予定されている東京オリンピック・パラリンピックを念頭に、”日本の美”を海外に発信すべく、有識者会議として「『日本の美』総合プロジェクト懇談会」を設けるそうです。以前にも記事にしたことがあるのですが、”日本の美”の発信は、…

村山元首相の孔子平和賞辞退-中国に評価される意味

ノーベル平和賞に国際社会の関心が集まる中、中国では、密かに”対抗平和賞”である孔子平和賞の人選が行われていたようです。今年の受賞者は、独裁者でも知られるジンバブエのムガベ大統領とのことですが、辞退さえしなければ、日本国の村山富一元首相が選ば…

ユネスコ事務局長から読み解く”南京大虐殺”記憶遺産登録

中国の歴史問題提起が、国家戦略の一環であることが分かっていながら、ユネスコが、”南京大虐殺”を記憶遺産に登録する方針を固めたことは、まことに残念なことです。遂にユネスコも、中国によって”私物化”されてしまったようです。 ところで、この登録決定の…

「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:社会・共産主義国は「独占禁止法」を破ってすべての産業を掌握した独占企業のようなもの

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。10月6日付け本ブログにて、「野獣型人類 beast human」の思考・行動形態には、チンパンジーの習性から、「①オスのチンパンジーにとって、群れにおける序列が、人生ならぬ‘さる生’のす…

VW不正の教訓―中韓の世界記憶遺産登録は大丈夫?

これまで、ドイツのフォルクス・ワーゲンと言えば、質実剛健、実直、誠実…といった言葉が最も似合う企業でした。ところが、今般、ディーゼル車に関連した不正ソフトの搭載が発覚したことで、そのイメージが崩れつつあります。 フォルクス・ワーゲン社が、厳…

元プロレスラー文科相は学術の擁護者に相応しい?

固唾を飲んで見守っていた今年のノーベル賞受賞者の発表式。医学生理学賞に次いで物理学賞と、二日続けて日本人受賞の喜ばしいニュースが伝わり、日本国の科学技術のレベルの高さを内外に示すことにもなりました。 国土が狭く、資源の乏しい日本国は、勤勉な…

「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:現段階における「世界政府」の成立は人類にとって危険

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。本ブログの記事にて、再三にわたり、人類進化の過程によって、人類には、「神様志向型人類god (goddess)-minded human」と「野獣型人類 beast human」が存在していることを指摘させてい…

中国スパイ事件-北朝鮮”日本人妻”の子孫の謎

報じられるところによりますと、中国当局よりスパイ罪の廉で拘束されている日本人男性の一人は、北朝鮮からの脱北者であり、後に日本国籍を取得した人物とのことです。この日本国籍取得には、謎がなわけではありません。 中国当局が、スパイ行為を推定した理…

北野武氏の『新しい道徳』-野蛮が復活する?

北野武氏の最近の著作である『新しい道徳』については、先日、道徳を個人レベルに引き下げることの危険性について批判的な記事を書きました。本日の記事では、『新しい道徳』に潜むもう一つの危険性について指摘しておきたいと思います。 北野氏が、道徳とい…

SEALDsの被害届-国際社会では被害届は出せない

SEALDsの代表である奥田愛基氏に対して、在籍する大学に殺害予告の脅迫状が届いた件について、奥田氏側は、警察に被害届を提出したと報じられております。この事件は、脅迫を受けるのは辛い体験となりますが、SEALDsにとりましては、国際社会の現実を理解す…

進化論から解く人類共通の脅威:自然環境よりも怖い「謀略渦巻く国際情勢」という環境条件」

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。9月18日付本ブログの記事といたしまして、仮に、人類がこの先、進化するのであるのならば、適者生存の原理からは、「次世代ホモ・サピエンス」は、今後予測される地球規模における自然環…