時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

村山元首相の孔子平和賞辞退-中国に評価される意味

 ノーベル平和賞に国際社会の関心が集まる中、中国では、密かに”対抗平和賞”である孔子平和賞の人選が行われていたようです。今年の受賞者は、独裁者でも知られるジンバブエムガベ大統領とのことですが、辞退さえしなければ、日本国の村山富一元首相が選ばれた可能性が高いそうです。

 村山元首相が孔子平和賞にノミネートされたとしますと、表向きはどうあれ、その理由は、”村山談話”をおいて他に考えられません。中国の歴史認識に忠実に従い、第二次世界大戦を”侵略と植民地支配”と認める談話を日本側から発表したのですから、中国にとりましては、村山元首相こそ、孔子平和賞に相応しい功労者であったはずです。先月3日に北京で開催された対日戦勝記念70周年の一連の行事に村山元首相が特別に招待されたのも、中国側の論功行賞であったのでしょう。ジンバブエムガベ大統領もマルクス思想の影響の下で、親中政策を遂行してきましたので、孔子平和賞の選考に当たって、中国がどのような点を選考基準としているかは一目瞭然です。

 そして、このことは、日本国民にとりましては、日本国の首相としては、最も相応しくない人物をその座に就けてしまったことを意味します。中国の露骨なほどの厚遇ぶりは、図らずも、村山元首相の正体を明かしてしまったのではないかと思うのです。

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