時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

事実発信が始まった慰安婦問題

昨年末の日韓慰安婦合意では、”最終的、かつ、不可逆的解決”なる言葉が使われはしたものの、その定義は曖昧であり、それ故に、様々な懸念が寄せられることになりました。本ブログでも、韓国が主張する”日本軍20万人強制連行説”や”性奴隷説が”史実”として定着…

狂気の時代は去ったのか?

しばしば、二度の世界大戦を引き起こした20世紀は、”狂気の時代”と言い表されています。理性を失った指導者達が、全人類を悲劇に導き、恐怖と禍に陥れた時代として…。 前世紀の凄惨を極めた経験は、ヒトラーやスターリンといった独裁者のみならず、状況次第…

日韓慰安婦合意-”不可逆的”の定義を明確に

昨年末の日韓慰安婦合意については、日本国内の保守派から政府に対する要請書が提出されたそうです。政府に対して、国際社会の誤解を解くための事実発信を求めたのですが、この真っ当な要望は、”不可逆的”解決に反するのでしょうか。 実のところ、日韓慰安婦…

韓国人元慰安婦の訪日-証言の徹底検証を

報じられるところによりますと、年末の日韓慰安婦合意に反対して破棄を主張ている元韓国人慰安婦の女性二人が、来日しているそうです。戦時中の被害状況について訴えておりますが、この訪日は、元慰安証言を検証するチャンスでもあります。 ネット上の意見な…

”歴史認識問題”は妥協が不可能な分野-日韓慰安婦合意の問題点

昨年末の日韓慰安婦合意については、これまで対立していた両国が歩み寄ったことにこそ、意義があるとする意見もあります。しかしながら、”歴史認識問題”とは、”足して二で割る”方式の妥協が許されない分野なのではないかと思うのです。 何故ならば、”歴史認…

日本書紀紀年法の辛酉革命説も政教分離と政教一致の問題とかかわっている

今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただき、「2016年」について扱ってまいります。 昨日の本ブログにて、「最後の審判の日2061年説」は、西暦800年の政教分離の年代から1,260年を数えた年代を最後の審判の日とみなし…

2016年は政教分離と政教一致問題に揺れる年となるのか

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。「2016年」が幕を開けたばかりですので、今日も、「2016年」について扱ってまいります。 1月19日付け本ブログにて、フランク王国(カロリング朝)のピピンPepin the Short…

日韓慰安婦合意評価の奇妙な前提

昨年末の日韓慰安婦合意に対する肯定的な評価において、もう一つ、奇妙な点は、この合意によって、国際世論が韓国に対して疑問を持つに至ると決めつけていることです。しかしながら、この見解、国際社会において、韓国の主張が捏造であることが広く知れ渡っ…

日韓慰安婦合意-日本国は宣伝戦に負けていたのか?

年末の日韓慰安婦合意については、奇妙な評価があります。それは、国際社会におけるプロパガンダ戦で、日本国は大敗を喫していたところ、当合意が成立したことで、引き分けに持ち込めた、というものです。 しかしながら、この説明には、納得できない部分があ…

慰安婦像撤去問題-日本政府は読み間違えたのか?

年末の日韓慰安婦合意は、”玉虫色の解決”であり、実際に、不可逆的に”解決した”のかどうかさえ、はっきりとはしていません。こうした中、韓国では、釜山の日本領事館前に慰安婦像を建てる計画が持ち上がっているというのです。 日本国政府は、元韓国人慰安婦…

改憲は国民に訴えてこそ

憲法改正について、安倍首相は、”現実的な段階に移ってきた”として、並々ならぬ意欲を見せているそうです。しかしながら、不思議に感じることは、何故、国民に対してその必要性を直接、かつ、率直に訴えようとしないのか、ということです。 報じられるところ…

AIIBでの日本企業のインフラ受注は無理

中国主導の下、鳴り物入りで登場したAIIB。予定通りに発足したものの、その行く先には暗雲が立ち込めています。 日米ともに、AIIBへの参加は見送りましたが、報道によりますと、日本企業のインフラ受注のチャンスを失うとして、アジア開発銀行との共同融資も…

2016年は「最後の審判」の年であるのか

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。今日も、「2016年」について扱ってまいります。 人類史におきまして、重要な年数や年代は、「1と2と6は一回のみ、0は何度使ってもよい法則The Rule of One Time 1, 2 & 6and A…

台湾民進党の勝利-自由があれば共産主義体制は選ばれない

今月16日に台湾で実施された国政選挙では、野党であった民進党が圧倒的な勝利をおさめ、蔡英文政権が誕生します。この選挙、政治的な自由が保障されている体制では、誰もが、共産主義体制を忌避することを示唆しています。 中国が、共産党一党独裁体制を堅持…

慰安婦合意-日本国の名誉回復戦は終わっていない

昨年末の日韓慰安婦合意について、安倍首相は、公明党の議員との会食の席で、”若い世代に同問題を背負わせてはいけない”と述べたと報じられております。しかしながら、この合意によって、全てが解決し、今後、”何もしなくてもよい状態”に至ったのでしょうか。…

大阪市ヘイトスピーチ規制条例対策は逆効果

言論の自由を侵害する恐れがあると指摘されながら、昨日、大阪市議会では、ヘイトスピーチ規制条例案が可決成立したそうです。運営次第では、この条例は、言論弾圧を伴う恐怖政治の道具ともなります。 そもそも、事実が存在し、その事実に基づく限り、言論は…

ヘイトスピーチ規制条例問題-在日韓国・朝鮮人はユダヤ人とは違う

本日、大阪市議会では、ヘイトスピーチ規制条例案が可決される予定なそうです。ヘイトスピーチ規制とは、ナチスによるユダヤ人迫害の経験から、戦後に至り、ヨーロッパ諸国で制定されるに至った経緯があります。 ヘイトスピーチ規制の歴史的背景を考慮します…

危険な大阪市のヘイトスピーチ規制条例-言論の自由の危機

大阪市議会では、市長提出のヘイトスピーチ規制条例案を全会一致で採択する予定なそうです。ヘイトスピーチ規制については、国政レベルでは、人権擁護法案の議論等を通して既に無理筋であるとの結論に達しております。 にも拘らず、何故、今頃になって、大阪…

まさか在韓日本大使館が移転?

昨日の産経新聞の朝刊には、韓国の日本大使館敷地から李氏朝鮮時代の建物の遺構が発見されたとする記事が掲載されておりました。日本大使館につきましては、その前に設置されている慰安婦像の撤去が問題となっておりますが、この遺構の発見、何を意味するこ…

「ニュートンの予言」が示す「0」、「1」、「2」、「6」の法則

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。「2016年」が幕を開けたばかりですので、今日も、「2016年」について扱ってまいります。 本年1月6日、ならびに、1月8日付本ブログにて、「0」、「1」、「2」、「6」の…

今年の成人式が荒れた理由とは?

ここ数年の間、”荒れた成人式”の報道が減少し、安心していた矢先、今年の成人式は、荒れ模様となった自治体が少なくなかったそうです。果たして、その理由は、どこにあるのでしょうか。 水戸市五軒町の”荒れた成人式”の写真を見ると、不思議なことに、乱暴狼…

共産党が危険視される理由-リスクの隠蔽

北朝鮮による”水爆実験”の強行は、共産党の信頼性をも著しく損ねたと指摘されております。志位共産党書記長は、再三、北朝鮮は脅威ではない、と訴えてきたからです。 共産党は、表向きは暴力革命路線を放棄し、穏健路線に転換したとされています。防衛や安全…

日韓慰安婦合意-韓国政府は国民に史実を語るべき

報道によりますと、昨年末の日韓慰安婦合意について、韓国の世論調査では、”再交渉すべき”とする意見が58%にも上ったとそうです。世論の反発は、韓国の政府と国民との間の温度差、否、情報差をも示しています。 慰安婦合意は、外国メディアが一斉に”日本国…

2016年は万事につけ特に注意を要する年(パート2)

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。 本年1月6日付本ブログにて、本年、すなわち、2016年という年代をめぐって、日本書紀紀年法や『聖書』において重要な数字として用いられております「0」、「1」、「2」、「6…

北朝鮮の水爆実験-独裁体制崩壊の序曲か?

昨日、北朝鮮で実施された”水爆実験”は、誕生日を控えた金正恩氏が、体制固めのために行われたとする見方があります。比較的年齢が若いこともあって、金正恩氏は、国民の人心を掌握するに程遠く、内心において反発を買っているのかもしれません。 北朝鮮の独…

2016年は万事につけ特に注意を要する年

新年 あけまして おめでとうございます。今年も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、本ブログにて、若干、記事を書かせていただきます。 さて、昨今の国内・国際情勢を眺めてみますと、移民問題、IS問題、独裁国による大量破壊兵器の開発問題などなど、様々な…

中韓の非難回避術-”お前もした”と”お前がした”

中国や韓国では、自らが批判を受けるべき行為を行った場合、すかさず、相手に対してオウム返しをする風習があるそうです。”お前もした”と…。 ”お前もした”とする弁明は、一般的には、卑怯な言い訳とされています。何故ならば、自らの罪を棚に上げ、相手の批…

大使館前慰安婦像よりユネスコ記憶遺産が重要

本日、岸田外務大臣は、在韓日本大使館前に設置されている慰安婦像について、撤去される見通しにあると説明しておりました。と同時に、韓国政府は、ユネスコ記憶遺産の共同申請にも参加しないであろうとする予測を述べておりすが、”歴史戦”の視点からします…

慰安婦合意と満州国の問題

慰安婦問題には、満州国の問題も絡んでいることは、昨年末のブログ記事にて指摘いたしました(http://blogs.yahoo.co.jp/gakumonnoiratume/70924393.html)。本日は、この点に関しまして、幾つかの問題点を挙げておきたいと思います。 第1に、現在の日本国…

鍵を握る台湾との慰安婦交渉

今年は、ことの外暖かなお正月となりました。旧年中は、格別のご厚情を賜りお礼申し上げます。本年も、相変わらず、よろしくお願い申し上げます。例年は、三が日の間は本ブログもお休みをいただきておりましたが、今年は、年末に発生した重要な外交問題もあ…